第4回「スンナ派政治思想における『正統カリフ』概念の意義」

中東イスラーム世界セミナー「中東の思想と社会を読み解く」実施報告

日時:2013年6月29日(土)15:30-17:00
場所:駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム3
講師:橋爪烈(千葉科学大学薬学部専任講師)
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 2013年6月29日(土)、UTCMESは中東イスラーム世界セミナー「中東の思想と社会を読み解く」の第4回「スンナ派政治思想における『正統カリフ』概念の意義」を開催しました。はじめに橋爪烈講師は、講義のテーマである「正統カリフ」の意味を、イスラーム政治思想における重要概念であるイマーム、ウンマ、シャリーア、ウラマーの各用語とともに説明しました。続いて橋爪講師は、スンナ派における歴史認識を概観しつつ、アブー・バクル、ウマル、ウスマーンそしてアリーの4名という、スンナ派における正統カリフ概念の形成過程を、「〜を優れているとする、美徳ありと認める、有徳者とみなす」という意味をもつ、タフディール(tafḍīl)の概念から論じました。一連の考察では、アフマド・ブン・ハンバル(855年没)やアシュアリー(935/6年没)、またバーキッラーニー(1013年没)やジュワイニー(1085年没)らスンナ派学者の諸見解が取り上げられました。