2000年4月 -- 7月
[過去のプログラム]

16:30 -- 18:00 数理科学研究科棟(駒場)
Tea: 16:00 -- 16:30 コモンルーム


4月11日 -- 056号室

古田幹雄 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)

局所係数付のK群

コンパクト空間のK群は,通常,ベクトル束という大域的な対象を定義した後, そのGrothendieck群として定義される.あるいはさらに大域的にFredholm作用素の 全体の空間への写像のホモトピー集合としても定義される.本講演では,これとは逆 に,K群の要素のもつ局所性を強調した定義を与えたい.また,その立場からのThom同型 の記述を紹介する.


4月18日 -- 056号室

林修平 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)

可微分力学系の generic な性質に関する Palis 予想 ついて

任意の力学系は、モース・スメール系か横断的ホモクリニック点 を持つ力学系で近似できる」という Palis の予想について C1 位相、 一般次元で考える。最近の Pujals, Sambarino による2次元の証明で 用いられた議論と C1 Connecting Lemma を一般化した形の定理 を用いて肯定的な方向で考える。

4月25日 -- 大講義室 16:30 -- 17:30

Y. Eliashberg 氏 (Stanford大学)

Invariants of contact domains and geometry of the group
of contact transformations

4月24日から28日 U-TOKYO ELIASHBERG WEEK
Eliashberg氏による連続講議"Symplectic Field Theory"
各日 15:00 -- 16:00, 16:30 -- 17:30(大講義室 )
25日の2コマ目はトポロジー火曜セミナーとして開催

5月2日 休み
5月9日 -- 056号室 16:30 -- 18:00

William Gibson 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)

Knot theory via oriented divides

The talk will focus on an alternative model of knot theory based on a generalization of A'Campo's divide construction. Briefly, a "divide" is a collection of generically immersed copies of intervals and circles in the unit disk D. Via a specially constructed map from the trivial tangent bundle on D, such immersions represent a class of well-defined links in the 3-sphere. This construction was originally developed as an extension of links arising from complex singularities. By considering an "oriented" version of the divide we obtain a model, closely related to Arnold's J+ theory of plane curves, which provides an intrinsically 2-dimensional representation of knot theory in S3.

5月16日 -- 056号室 16:30 -- 18:00

神島 芳宣 氏 (東京都立大学大学院理学研究科)

Bochner flat locally conformal Kaehler manifolds と Spherical CR manifolds について(再訪)

5月23日 -- 056号室 16:30 -- 18:00

坪井 俊 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)

3次元多様体の葉層の横断的交叉について

5月30日 -- 056号室 17:00 -- 18:30 

E. Getzler 氏(Northwestern University)

Relations in the theory of Gromov-Witten invariants as integrability conditions

6月6日 -- 056号室 16:30 -- 18:00

Sumio Yamada 氏 (Cornell 大学)

Weil-Petersson geometry of Teichmueller Spaces and its applications to surface fibrations

Weil-Petersson metric on Teichmueller spaces is known to be incomplete, and the fact has been regarded as a defect in terms of applications. In this talk, I would like to introduce the geometric characteristics of the Weil-Petersson completed Teichmueller spaces, and demonstrate the merits of studying these spaces. In particular, it will be shown that Lefschitz fibrations/pencils can be regarded as harmonic maps from the base manifolds to the Teichmueller spaces which are equivariant with the monodromy representations.

6月13日 -- 056号室 17:00 -- 18:00 

泉屋 周一 氏 (北海道大学大学院理学研究科)

双曲的ガウス写像の特異点と双曲的不変量

双曲的ガウス写像は Ch. Epstein がポアンカレ球体のなかの 曲面に対して定義したある種のガウス写像であり、平均曲率一定曲面 の研究などに威力を発揮している.ここでは、n+1 次元ミンコフスキー 空間内の n 次元双曲空間内モデル内の超曲面に対して、 この双曲的ガウス写像を具体的に書き下し、そのジェネリックな 特異点の分類及びその幾何学的意味を考察する.
双曲的ガウス写像の微分写像はある種の型作用(双曲的型作用) と見なすことができ、そこから、双曲的クロネッカー・ガウス 曲率と双曲的平均曲率を定義できる.これらは、双曲幾何学 におけるどのような不変量であるか?
それは、今後の研究課題である.

6月20日 -- 056号室 16:30 -- 18:00 

Zhi LU 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)

Semi-linear homology G-spheres and their equivariant inertia groups

We introduce an abelian group $H\Theta_V^G$ for all semi-linear homology $G$-spheres, which corresponds to a known abelian group $\Theta_V^G$ for all semi-linear homotopy $G$-spheres, where $G$ is a compact Lie group and $V$ is an $G$-representation with $\dim V^G>0$. Making use of equivariant surgery techniques, the result for the relation between both $\Theta_V^G$ and $H\Theta_V^G$ is obtained under the condition that (i). $G$-action is semifree; (ii). $\dim V-\dim V^G\geq 3+\dim G$ and $\dim V^G(>0)\not=3$. Such the result also is applied to the equivariant inertia groups of semi-linear homology $G$-spheres.

6月27日 休み

7月4日 -- 056号室 16:30 -- 18:00 

牛島 顕 氏 (東京工業大学大学院理工学研究科)

双曲空間内の単体のtiltの一般化

「tilt」は、双曲多様体の多面体分割が「canonical decomposition」 と呼ばれる特に性質の良いものであるかどうかを判定する際に使われます。 J. Weeks と M. Sakuma は、cusp のある双曲多様体の canonical decomposition を 決定する為に、双曲空間内の理想単体の各面に対して tilt という値を定義 しました。この講演では、切頂単体に対する tilt の一般化について話します。 これは境界を持つ双曲多様体の canonical decomposition の決定に有効です。 一般化の為のキーポイントは、ローレンツ空間内の(殆ど)全ての点に双曲空 間での意味付けを与える方法を見つけた点です。なお、時間が余れば tilt を 使った多様体の分類の一例についても話します。

7月11日 -- 118号室 16:30 -- 18:00 

大本 亨 氏 (鹿児島大学理学部)

可微分写像の特性類 ---Thom 多項式の周辺

写像(滑らかな写像または複素解析的写像)の特異点型とは, 写像芽 Kn, 0 → Kp, 0 (K= C or R)の左右同値類のことを指す. 十分ジェネリックな写像 f : N → P に対して Σ 型の特異点集合が代表する N のホモロジー類の双対類は, Chern 類 c(TN-f*TP) の多項式で表すことができ (real cateory の場合は,Stiefel-Whitney 類,または Pontryagin 類の多項式), しかもこの多項式自体は f に依らず Σ のみから決まる. この多項式を特異点型 Σ に対する Thom 多項式と呼ぶ. immersion に関する Banchoff の公式や Herbert-Ronga の公式などの多重点公式や, ジェネリック写像の次数1Vassiliev 型不変量(Arnold 不変量,Goryunov 不変量など)も, ある意味で,適当な多重特異点型に対する Thom 多項式のようなものと 見なすことができる. この講演では,微分トポロジーの観点から,上記のような"Thom 多項式" 周辺に 関する最近の動向と問題を提起する.