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2014年5月26日

修学院離宮に近接する京都屈指の名刹曼殊院門跡で菌塚法要が執り行われました。

菌塚は、33年前の昭和56年5月に元大和化成株式会社取締役社長 笠坊武夫氏の「微生物の恩恵の下に一生を過ごして来たことに思いを致し、いさゝか感謝の誠を捧げたい」との発願により建立されたものです。

坂口謹一郎 東京大学名誉教授 は、菌塚の建立をたたえて歌を詠まれています。

 

これのよにゆかしきものはこの君の 四恩のほかの菌恩のおしえ

目にみえぬちいさきいのちいとほしみ み寺にのこすとわのいしぶみ

菌塚はとわにつたえめこの君の 菌いとほしむたうときみこころ

坂口研究室ご出身の本江元吉 九州大学名誉教授も、「菌塚に寄せて」の中で歌を詠まれています。

 

菌塚のこんりゆうここになしたもう 君がみわざはあやにとうとし

菌塚をおろがむかなた自然の理 はろかな光りみほとけのかげ

たまきはるいのちを生きてちさきもの いとなみてあるおおいなるわざ

「菌塚に寄せて」の中で、菌(くさびら)神社というのがあることを知りました。一部、引用します。

 

近江草津の郊外の小さな森の中に菌(くさびら)神社という無人の杜がある。くさびらとは、古くはキノコのなかでも主としてかさの裏側にひだのあるものを意味したようであるが、現代風にはカビやキノコつまり微生物の仲問の総称とみなしてもよいかと思われる。白然をおそれうやまい、自然に感謝する心は、洋の東西を問わず人問古来の基本的な心情であったのであろう。

今回の法要には、別府輝彦東大名誉教授、清水昌京大名誉教授、永井和夫東工大名誉教授など、応用微生物の研究者が多数、参列されていました。

菌塚での法要

菌塚追善法要次第。なぜか、入室、調声登醴盤、開式之辞、で始まり、総回向の後、また開式之辞となっていました。追善法要ではこれが正しいのでしょうか。単なる typo (typographical error) でしょうか。