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2014年5月19日

グループゼミを新緑の東京大学理学系研究科附属小石川植物園で行いました。

 

微生物学研究室では、毎週火曜日午後に全員参加のゼミが開催されますが、それとは別に3つのグループ(大部屋、中部屋、3号館)にわかれてグループゼミを行っています。

今回、中部屋のグループゼミは、いつもの研究室を飛び出して理学系研究科附属小石川植物園で行いました。

農学部の門を出て10分程度歩いたところにある、ほうろく地蔵にお参りしました。

ほうろく地蔵は、「首からの上の病気平癒にご利益がある」といわれており、近年パワースポットとしても注目されているようです。

放火の罪によって火あぶりの刑に処せられた八百屋お七を供養するために建立されたと伝えられるお地蔵さまで、焙烙(ほうろく)を頭にかぶったお地蔵さまが鎮座しています。全員でさらに頭がよくなるようにとお祈りしました。

その後、5分ほどのところにある圓乗寺に寄り、八百屋お七のお墓にお参りしてきました。

さらに10分ほど歩いて、小石川植物園につきました。通常400円の入園料は学生証提示で無料でした。

入り口の説明板に、若山牧水の 歌がありました。

「植物園の松の花さへ咲くものを 離れてひとり棲むよみやこに」

牧水の植物園を詠んだ歌はまだあります。

「春あさき御そらけぶりて午前の植物園にひと多からず」

「遠つ空ひかりてけぶる春の日の植物園をひとり歩むも」

「植物園のかれくさ原に居る鶫(つぐみ)をりをり動き遠くとばなく」

大きな桜の林のそばにある茶店のテーブルで各自150円の飲み物を買ってグループゼミを開きました。約1時間余り、オートファジーに関する論文紹介を、鳥の声が聞こえ、たくさんの蝶が舞うなか、酵母と動物のAtg3遺伝子の働きを勉強するというぜいたくな時間を過ごしました。

昼前に終わってお店のご主人に長時間、場所を使わせてもらったお礼を言って立ち去ろうとしたら、なんと、「コーヒーをご馳走するから、飲んでいって」と言われて販売価格300円のコーヒーをただで飲ませていただきました。

真剣に勉強している学生の姿を見て、応援しようと思ったからかもしれません。平成の時代になり絶滅していた日本の古きよき伝統をおいしいコーヒーとともに味わいました。ありがとうございました。

遺伝学の基礎を築いたメンデルが実験に使用したブドウの木がありました。ブドウと遺伝学の関係についての説明は書かれていませんでした。

有名なニュートンのリンゴの木も隣にありました。

なんじゃもんじゃの木(ヒトツバタゴ)がちょうど満開でした。

旧東京医学校の建物を背景に日本庭園で記念撮影。

旧東京医学校の建物は総合研究博物館 小石川分館として利用されており、昨年から建築ミュージアムとしてオープンしていました。

中には、フランク・ロイド・ライト設計の渓流につくられた落水荘、精巧なファサードと重厚な内部空間で知られるサンタンドレア教会、大仏様建築の代表とされる浄土寺浄土堂など、世界の特徴ある建築の模型が並んでいました。一般に、あまり有名ではない浄土寺の浄土堂が建築様式としては世界的であることを知りました。

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v18n3/v18n3_nishino.html