2015年 夏学期 第2回 物性セミナー
講師 森本高裕氏(理研)
題目 クリフォード代数を用いたトポロジカル絶縁体・超伝導体の分類理論
日時 2015年5月1日(金) 午後4時50分
場所 16号館 827
アブストラクト
トポロジカル絶縁体とは、バルク波動関数の幾何学的な性質のために、表面にギャップレスの伝導状態があらわれるバンド絶縁体の総称です。例としては、量子ホール系が古くから知られていますが、近年のZ2トポロジカル絶縁体の発見により大きな興味を集めています。同様に、フルギャップ超伝導体も、幾何学的理由で表面にギャップレス状態をともなう場合に、トポロジカル超伝導体と呼ばれ、盛んに研究がなされています。これまでに様々なトポロジカル絶縁体・超伝導体の例が知られていますが、トポロジカル絶縁体・超伝導体の分類理論は、それらを系の対称性の観点から整理し、種々のトポロジカル相の包括的な理解を与えました。特に、各次元において非自明なトポロジカル絶縁体・超伝導体は5種類ずつ存在することが明らかになっています。本講演では、クリフォード代数を用いたトポロジカル絶縁体・超伝導体の分類理論について解説します。その後、結晶の対称性まで考慮したトポロジカル結晶絶縁体の分類理論[1]や、ワイル・ディラック半金属への応用[2]について紹介します。
[1] T. Morimoto and A. Furusaki, PRB 88, 125129 (2013).
[2] T. Morimoto and A. Furusaki, PRB 89, 235127 (2014).
宣伝用ビラ
KMB20150501.pdf(374)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2015年04月25日 15時35分40秒