!!!2013年 夏学期 第5回 物性セミナー !!講師 吉田靖雄氏(東京大学物性研究所) !!題目 スピンを見る顕微鏡 !!日時 2013年 6月7日(金) {{colorsize red,+2,午後5時30分から (いつもとちがう時間です!)}} !!場所 16号館 827 !アブストラクト 走査トンネル顕微鏡(STM)を応用した技術の中で、この10年間に最も発展した手法の一つであるスピン偏極STMは、表面上のナノスケール磁性体や磁性薄膜の複雑な磁気構造を原子スケールで調べることができる強力かつ唯一の手段である[1, 2]。一方で、STMは単に顕微鏡としてだけではなく、表面上の一原子、一分子からナノ構造物を構築する手段(原子・分子マニピュレーション)としても発展しており、理論モデルに近い低次元系などを作り出して、その電子状態や磁性を調べるという研究も可能になりつつある。最近われわれは、これら二つの手法を組み合わせて研究を行い、らせん磁性を示す表面に蒸着された磁性単原子のスピンの向きを、スピン偏極STMにより検知し、マニピュレーションによってコントロールするという実験に成功した[3]。また、同じ磁性表面において、探針によって原子をマニピュレーションしながらSTMを行う、マニピュレーション・イメージングという手法とSP-STMを組み合わせた測定を行い、スピンの向きに応じて摩擦力が変化する現象、つまり磁性に起因する摩擦力を検知することに成功した[4]。本講演では、これらの研究について詳しく紹介する。 [1] M. Bode et al., Nature 447, 190-193 (2007) [2] Y. Yoshida et al., Phys. Rev. Lett. 108, 087205 (2012) [3] D. Serrate, P. Ferriani, Y. Yoshida et al., Nature Nanotech. 5, 350-353 (2010) [4] B. Wolter, Y. Yoshida et al., Phys. Rev. Lett. 109, No. 11, p.116102 (2012) !宣伝用ビラ {{ref KMB20130607.pdf}} !物性セミナーのページ http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar !駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可) http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi