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物性セミナー/2013-6-21

2013年 夏学期 第6回 物性セミナー

 講師 谷口 淳子氏(電気通信大学 情報理工学部 先進理工学科)

 題目 1次元細孔中ヘリウムの超流動応答

 日時 2013年 6月 21日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

超流動転移は,量子力学的効果がマクロに表れる現象の一つである。超流動転移が観測されて以来,液体ヘリウムにおいては多くの研究がなされ,超流動転移はBECにより引き起こされると理解されている。さて、この液体ヘリウムを入れる容器を原子スケールまで細くしていくと,超流動の性質はどのように変化するだろうか?この素朴な問いに対する答えを求めて,我々はナノサイズの孔径を有し,まっすぐに伸びた1次元細孔に液体ヘリウムを閉じ込め,超流動の観測を行ってきた.2~5 nmのいくつかの孔径について調べたところ,2.8 nm細孔において超流動は急激に抑制され,2.2nm細孔では超流動の明瞭な立ち上がりがなくなることが分かった.2.8 nm細孔における超流動の立ち上がり(オンセット)は大きなエネルギー散逸を伴う.さらに,観測周波数を2000Hzから500 Hzに4倍程度下げると,超流動オンセットと散逸ピークはともに低温側に大きくシフトする.この周波数依存から,2.8 nm細孔内における超流動応答は熱力学的な2次相転移ではなく,動的な現象であると考えられる.本セミナーでは,この動的な超流動応答について紹介する。また,最近、押川らによって朝永‐ラッティンジャー液体モデルを用いた1次元超流動についての理論計算が行われ,超流動応答の周波数依存に対するべき的依存が予測された.最後に,我々の実験結果と理論との対応について議論したい.

宣伝用ビラ

KMB20130621.pdf(411)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2013年06月02日 18時36分00秒