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物性セミナー/2010-6-4

2010年 夏学期 第6回 物性セミナー

 講師 芝内 孝禎 氏(京都大学理学研究科)

 題目 重い電子系超伝導体URu2Si2における対称性の破れ

 日時 2010年 6月 4日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

2次相転移においては一般的に系の対称性の低下を伴う。その2次相転移を記述する上で最も基本的かつ重要な情報は、秩序相においてどの対称性が破れたかということである。重い電子系超伝導体URu2Si2は1.4Kで超伝導を示すが、より高温の17.5Kにおいて大きな比熱の異常を伴う2次相転移を示すことが古くから知られている。しかし、これがどのような秩序相となっているかが25年にもわたり大きな謎となっており、「隠れた秩序相」と呼ばれている。我々はab面内で磁場を回転させて磁気トルクを精密に測定することにより、相転移温度以下で正方晶の4回対称性をやぶる2回対称性が現れることを明らかにした[1]。この結果は隠れた秩序相が回転対称性を破っていることを初めて示したものである。また、より低温の超伝導相では、さらに時間反転対称性の破れた非従来型の超伝導相となっていることを示唆する結果を得ている[2]。本セミナーでは、この系で現れるこのような多彩な対称性の破れについて紹介する。

[1] R. Okazaki, T. Shibauchi et al., preprint.

[2] Y. Kasahara et al., Phys. Rev. Lett. 99, 116402 (2007).

宣伝用ビラ

KMB2010-0604.pdf(582)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2010年05月30日 10時05分28秒