2010年 夏学期 第3回 物性セミナー
講師 出口 哲生 氏(お茶の水女子大学)
題目 可積分高次スピンXXZ鎖の相関関数とその周辺: 凝縮系物理学における可解模型の概観と最近の発展
日時 2010年 5月 7日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
量子スピン系の厳密解の歴史は1930年のベーテによるハイゼンベルグ模型の基底状態と励起状態をベーテ仮説を用いた導出にさかのぼる。しかし、ベーテ仮説の方法は着実な発展を遂げ、現在では、相関関数の多重積分表示の厳密な導出や、さらには、2点相関関数の長距離漸近的振る舞いを厳密に導出することにまで可能になった。今や、共形場理論の予想の確認が進められており、2点相関関数の漸近的振る舞いでのべき指数だけでなく、振幅まで厳密に求めることが可能となってきた。
このような発展を紹介すべく、XXZ鎖の相関関数の最近の研究を紹介する。最初に大学院初年級レベルの可解模型の分かりやすい解説を行い、その後で、近藤問題など代表的な凝縮系物理学における厳密解の研究例を紹介する。そして、講演者などによる可積分高次スピンXXZ鎖の相関関数の研究や関連する話題を紹介する。
[1] Tetsuo Deguchi and Chihiro Matsui, Correlation functions of theintegrable higher-spin XXX and XXZ spin chains through the fusion method,Nucl. Phys. B Vol. 831 [FS] (2010) 359--407.
[2] Tetsuo Deguchi and Chihiro Matsui, Form factors of integrablehigher-spin XXZ chains and the affine quantum-group symmetry, Nucl. Phys. B Vol. 814 [FS] (2009) 405--438.
宣伝用ビラ
KMB2010-0507.pdf(571)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2010年04月28日 15時59分10秒