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電子の出し入れにより自在に切り貼りできる金属-有機ナノチューブ

 フェロセンを中心に持つ配位子が、銀イオンとの錯形成を介して金属-有機ナノチューブに自己組織化することを発見した。フェロセン部位から電子を奪う(酸化する)と、ナノチューブを構成するナノリング間の相互作用が弱められ、結果としてナノリングまで切断される。得られたナノリングはプラスの電荷を帯びており、マイナスの電荷を帯びた無機基盤に張り付く。また、フェロセン部位に電子を戻す(還元する)と、ナノチューブが元通りに再生する。この研究により、分子集合体を用いた「ナノスケールの切り貼り」という大きなチャレンジが初めて達成された。


Highlighted in Science Perspectives by Prof. I. Manners