地圏環境システム学研究室 配属希望の方へ

卒業論文・修士論文・博士論文を希望される方へ

私の目標は、「自然の中で人間社会が存在できるための工学を考えていくこと」です。そのためには、 方法論にこだわらず、真に問題となっている事象にもっとも適切に到達するための手法を用いて研究を 行っていきたいと考えています。 研究を主体的にやる意欲を持っている元気の良い学生の人たちと一緒に研究ができることを希望しています。 興味のある方は、いつでも研究室(柏キャンパス内環境棟458号室)に遊びにいらしてください。 ただし、頻繁に部屋を空けています(申し訳ありません)。 事前にコンタクトしていただければ、はずれがありません。 現在興味を持っており、卒業論文・修士論文のテーマとして考えているものは以下の内容ですが、 これ以外でも学生の方から提案していただければ、一緒に考えていきたいと思います。

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資料
研究テーマ例一覧
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  1. 超長期の沿岸地下水環境安定性評価のための手法の開発

    超長期にわたる自然環境の変化が地下水流動に与える影響を評価するシステムを構築することは、 放射性廃棄物処分・一般の廃棄物処分サイトの選定や、その安定性の評価を行う上で重要な問題です。 特に、約12万年程度の周期で繰り返す氷河性海水準変動の影響を明らかにすることは、 沿岸海底地域の廃棄物隔離性・安定性の評価をする上で非常に重要な問題として捉えられています。 この問題は、単純な地下水流動問題を超長期に適用するだけでは不適切で、その間に地球表層で起こる様々な現象を評価し、 重要なものを取り込んだ上で、地下水環境の安定性を議論する必要があります。 ここでは、そのための方法や、新しい数値解析手法の開発などを行いたいと考えています。

  2. 地盤と地下水の化学的相互作用による地盤物性変化の予測

    岩石と地下水の間で発生する化学的相互作用が 地下環境に及ぼす影響を評価することは、今後の地下空間の高度開発を考える上で重要です。 ここでは、岩石-水反応による地下水水質・地盤物性変化のモデル化のため、化学的相互作用を含めた物質移行シミュレーションなどを検討しています。

  3. 地下水を利用した道路舗装冷却システムの開発とその都市気候に対する寄与の評価

    近年の都市域では、ヒートアイランド現象が問題となっています。 地下水を利用して、道路の舗装を冷却し、都市環境を改善することができないかと考えています。 地下水を利用した舗装冷却システムの開発や、そのシステムによって、都市気候をどの程度改善できるか 評価することなどを検討しています。

  4. 都市域を含む平野部の地下水流動系把握と地盤変形-地下水流動連成解析

    都市域の適切な地下水利用を考える場合、地下水位の変動に伴う地盤沈下の問題を無視するわけにはいきません。 ここでは、人間の地下水利用の影響・自然の地下水流動システム・各地点における地下水位変動に伴う地盤変形などを評価したり、 それらを適切にモデル化し、シミュレーションすることなどを検討しています。

  5. 地下水中のCFC濃度測定による地下水流動の把握

    地下水の流動速度や流動方向を精確に評価するためには、地下水が地表から浸透してから現地点に到達するまでに経過した時間を 詳細に把握することが必要です。CFC(chlorofluorocarbon:フロン)は、人類がここ数十年の間に排出したガスで、地下水中からも検出されています。 この地下水中のCFC濃度を測定することによって、地下水が涵養した時期を推定できると考えられています。 現在、適切な測定器の開発と手法の適用性・妥当性評価を行っています。

  6. 地下水を経路とした海域への化学物質・汚染物質供給の実態評価

    最近では、地下水による陸域から海洋への物質輸送量が、河川によるそれに匹敵する可能性があると指摘されています。 したがって、人間活動などによって生じた陸域の汚染物質が、地下水によって海域へ大量に放出され、環境を悪化させる可能性があります。 本研究では、実際に地下水が海域に湧出している地点において現地調査を行い、 そのデータをもとに、沿岸域の地下水流動の様子やそれに伴う物質輸送の評価を行います。 将来的には、沿岸域における汚染物質挙動評価システムを構築し、さまざまな地域に適用できるようになることを目標としています。

  7. 石油系物質による地下水汚染プロセスの可視化とモデル化に関する基礎的な検討

    最近の地下水汚染問題に関するトピックのひとつは、水と混ざりにくい石油系物質や有機塩素系物質 (これらをNAPLs(Non-Aqueous Phase Liquids)と呼ぶ)による汚染です。 本研究では、水・空気・NAPLs・固体の4相分布の可視化とその経時変化について、定量的な計測を行うための 方法論の構築を行うことを目的としています。将来的には、ここで開発されるであろう手法を用いて、 現象の物理を明らかにするとともに、適切なモデル化の検討を行いたいと考えています。

  8. 間隙流体圧の連続計測と地下情報取得の可能性に関する検討

    地盤・岩盤の物性を知ることは、放射性廃棄物の処分など、地下の高度利用を考える上で非常に重要な課題です。 また、廃棄物を処分するようなことを考える場合、地盤・岩盤の長期安定性が重要なため、地盤の物性を調査する段階で 地盤・岩盤を乱すことは好ましくありません。 本研究では、地下をできるだけ乱さないで有効な情報を得ることが可能かどうかについて基礎的な検討を行います。 具体的には、地盤・岩盤が常に受けている自然の擾乱(気圧変動・潮汐など)に対する間隙水圧の反応を用い、 地盤・岩盤の水理物性を評価することを試みます。

  9. 石油鉱床の生成過程のモデル化とシミュレーション

    石油をはじめとする化石燃料は、人間活動にとって有用な資源ですが、よく知られているように枯渇性の資源です。 限られた資源を可能な限り有効に利用するためには、精確な探鉱がきわめて重要です。 そのためには、鉱床の分布を地球統計学的に評価するだけでなく、成因論的な考察が不可欠です。 ここでは、地質学的時間スケールにおける地下環境の変化を考慮し、石油鉱床の生成過程を適切にモデル化し、 シミュレーションすることなどを考えています。

  10. 地下水汚染物質の地盤中分布の計測システムの開発と適切な浄化手法の検討

    この研究をやりたいと思っていますが、具体的な内容はこれから考えるところです。

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駒場の学生の皆さんへ

私が最近興味を持っているのは、地面の下に存在し、ゆっくりと移動していく地下水に関連した問題です。 「20世紀は石油の世紀」と言われましたが、地球環境の悪化や人口の増加に伴って、 「21世紀は水の世紀」といわれるほどに、淡水資源の確保が重要な問題になってきています。 また、地下水は、人間活動によって発生した汚染物質を運ぶ主要な媒体であり、 地球環境問題を考える上で重要な要素の一つと捉えられています。 システム創成学科環境・エネルギーシステムコース(E&Eコース)では、様々な分野の教官が集まって教育・研究を行っています。 私は上述のような研究を主に行っていますが、最近は、沿岸海洋環境を検討してきている先生方と共同で研究を 進めるための準備をはじめています。そのために、調査船を利用した沿岸調査をこの数年行っています。 海の環境を考えるのに地下水がなぜ重要なのでしょうか? 考えてみてください。 また、このような新しい研究の芽を一緒に育てていきませんか。

E&Eコース担当の先生方の幅広い知識・技術と、若い学生の皆さんのやわらかい発想・思考で、 地球環境・エネルギー問題を一緒に考えていければよいと願っています。

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