東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 生物有機化学研究室

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研究成果がNature Communicationに掲載されました!

メンデルの顕性(優性)の法則は、多くの生き物に見られる普遍的な遺伝原理です。一方、このような関係がどのようにして出来上がるのかについて、分子的なメカニズムはあまりわかっていません。

研究室では、植物の自家不和合性と呼ばれる現象の研究から、顕性形質が進化する新しい分子メカニズムを見出しました。アブラナ科植物では雌しべの細胞膜にあるSRKと呼ばれる受容体が、自己の花粉表面をコーティングするタンパク質SP11を認識することで自己花粉拒絶反応が起きます。グループではモデル植物であるシロイヌナズナがどのようにして自家和合性を獲得したのかについて研究を行いました。研究の結果、多くのシロイヌナズナは逆位反復配列SRKIRと呼ばれる特殊なDNA回文構造を持ち、その構造によって顕性的にSRKの遺伝子発現を抑えていることが明らかになりました。逆位反復配列は顕性が進化する上でこれまで知られていなかった分子実態であり、その発見はさまざまな遺伝現象の説明へとつながると期待されます。本研究成果はオンライン誌Nature Communicationsに掲載されました

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東京大学のプレスリリース

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