津本研究室

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研究設備

ITC, AUTO-ITC  SPR, ハイスループットSPR, マルチアレイSPR  DSC  DSF  MST  BLI  HDX-MS  heliX+

ITC, AUTO-ITC

原理と特徴

 標的蛋白質と薬剤間の相互作用に関する熱量変化を測定します。主な分子間相互作用には水素結合や静電相互作用、疎水性相互作用が存在するが、水素結合や静電相互作用が支配的な結合においては発熱反応(エンタルピー駆動型の結合)が観察され、疎水性相互作用が支配的な結合においては吸熱反応(エントロピー駆動型の結合)が観察されます。これにより薬剤結合に関する特異性について議論することができます。

どんな場合に使用すると有効か?

  • 薬剤の結合活性を知りたい場合
  • 薬剤結合に関するエネルギーについて議論したい場合
  • 薬剤の特異性について議論したい場合


SPR, ハイスループットSPR, マルチアレイSPR

原理と特徴

 標的蛋白質と薬剤間の相互作用に関する速度論を解析します。一方の分子(主に標的蛋白質)をセンサーチップに固定化し、相互作用相手(主に薬剤)を流路系でセンサーチップ上に流しいれることにより、時間と共に結合してゆく、および解離してゆく様子をモニタリングし、会合速度定数および解離速度定数を算出します。これにより薬剤結合に関する速度について議論することができます。

どんな場合に使用すると有効か?

  • 熱量変化や熱泳動変化が観察されない蛋白質、少量しか調製できない蛋白質の薬剤結合活性を知りたい場合
  • 薬剤結合に関する速度論について議論したい場合



DSC

原理と特徴

 加温による蛋白質の熱変性を熱量変化でモニタリングし、変性中点温度Tmおよび変性エンタルピー変化を解析します。蛍光分子などのラベル化試薬を用いずに蛋白質そのものの変性を測定できるため、蛋白質フォールディングの安定性を精密に評価できます。

どんな場合に使用すると有効か?

  • 薬剤結合による蛋白質の熱安定性に及ぼす影響を知りたい場合
  • 蛋白質の熱安定性を精密に評価したい場合

DSF

原理と特徴

 蛍光プローブを添加し、加温による蛋白質の変性を蛍光強度変化によってモニタリングし熱安定性Tm値を解析します。用いる蛍光プローブは、疎水的な環境において変化するタイプ、凝集体に対して蛍光変化するタイプなどがあるため、蛋白質の物性によって選ぶことも可能です。主に標的蛋白質の熱安定性を変化させる薬剤かどうかを同定する際に用います。

どんな場合に使用すると有効か?

  • 熱安定性を変化させる化合物を比較的スループットよく選抜したい場合
  • 熱安定性に影響を及ぼす薬剤かどうかを同定したい場合

MST

原理と特徴

 溶液中を漂う蛋白質は、局所的な温度変化に伴い熱泳動を起こし、蛋白質濃度が減少または上昇することがあります。この熱泳動の度合いは蛋白質の物性(分子サイズ、表面電荷、水和状態など)に依存するとされており、薬剤の結合に伴うこれらの物性変化は熱泳動にも影響を及ぼします。標的蛋白質に対して異なる濃度の薬剤を添加し、各サンプルの熱泳動度を追跡することによって標的蛋白質に対する薬剤の結合活性を同定します。追跡するために蛋白質は特定の蛍光分子でラベル化します。

どんな場合に使用すると有効か?

  • SPRにおける固定化が不向きな蛋白質、少量しか調製できない蛋白質の薬剤結合活性を知りたい場合
  • 純度が低い、またはクルードな蛋白質溶液しか調製できない場合

BLI

原理と特徴

 センサーに蛋白質を固定化し、薬剤等の分子が結合した際に、そのセンサー上の厚みをバイオレイヤー干渉法という技術で検出し、結合活性および速度論解析を行います。ウエルプレートにサンプルをセットし、同時に複数本のセンサーをウエルに浸しながら相互作用解析を行うディップ式のため、溶解性に不安がある、再生条件が見つからない標的分子でも速度論解析を実施することができます。

どんな場合に使用すると有効か?

  • 蛋白質間相互作用の阻害剤探索をスループットよく行いたい場合
  • SPRでは適さない分子の速度論解析を行いたい場合
  • 再生条件が見つからない標的分子の速度論解析を行いたい場合
  • 不安定なサンプルで速度論解析を行いたい場合

HDX-MS

原理と特徴

 H2O溶液に存在する蛋白質をD2O溶液に浸すことにより、蛋白質のアミノ酸側鎖や主鎖に結合している水素原子が時間とともに重水素原子に交換されます。この時間とともに重水素に交換された蛋白質を酵素消化によってペプチド断片化し、質量分析によって各ペプチドの重水素交換率を解析します。これにより、蛋白質のどこの部位が交換されやすく、一方で交換されにくいかを特定することによって、蛋白質の結合部位や揺らぎやすさを解析することができます。

どんな場合に使用すると有効か?

  • 薬剤の結合部位を特定したい場合
  • 抗体のエピトープ同定を行いたい場合
  • 蛋白質間相互作用の相互作用部位を解明したい場合
  • 蛋白質のゆらぎ解析を行いたい場合

heliX+

原理と特徴

 オリゴDNAをコンジュゲーションさせた標的分子を固定化し、薬剤の結合に伴う構造変化、分子量変化等によって固定化した分子のセンサー表面上における運動性が変化し、その結合活性、速度定数、そしてコンホメーション変化等をモニタリングできます。速度論解析と共に、相互作用に関するマルチな情報を得ることができます。

どんな場合に使用すると有効か?

  • SPRでは検出できない早い速度定数を解析したい場合
  • 蛋白質の構造変化を伴う相互作用を議論したい場合

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