含フッ素化合物の反応性を最大限に活かした
新しい合成法

含フッ素化合物の反応性を利用して、なるべく環境負荷をかけずに有用物質を合成する新しい方法を開発する。


二酸化炭素を原料とした含フッ素炭酸ジエステルの合成

 ホスゲンは、耐衝撃性透明素材であるポリカーボネートや、ポリウレタンの原料であるイソシアナートの生産に利用される有用な工業原料だが、毒性が高い点が問題である。 含フッ素炭酸ジエステルはホスゲンの代替原料となるが、その合成法のほとんどがホスゲンを原料としており、完全なホスゲンの代替となっていない。 フッ素有機化学研究室では、地球上に豊富に存在し毒性の低い二酸化炭素を原料として含フッ素炭酸ジエステルの合成に成功した。



 また、二酸化炭素の水和によって得られる無機炭酸塩を原料とした含フッ素炭酸ジエステルの合成法も開発した。



アクリル酸エステルのワンポット合成

 メタクリル酸エステルは有用な化学製品であり、その用途は多岐にわたる。 例えばメタクリル酸メチルはポリマー合成原料として知られ、その需要は今後ますます増大すると予想されている。 しかしながら、現行の工業的な合成プロセスで増産するにはいくつかの問題があり、供給のための新たな合成プロセスが必要と言える。 フッ素有機化学研究室では、アセトン、クロロホルム、アルコールを原料とし、有機強塩基であるジアザビシクロウンデセン(DBU)存在下、ワンポットで対応するメタクリル酸エステルを得る 新たな合成プロセスを開発した。含フッ素アルコールを用いることで含フッ素メタクリル酸エステルも合成できた。