Research Domains
Architecture
ネットワーク、計算機、ストレージなどの情報基盤の性能の向上が現在の情報社会を実現 し支えています。これまで、デバイス技術の向上に支えられて18~24か月で計算機の性能 が2倍になるという「ムーアの法則」が守られてきました。しかし、デバイスの微細化・ 省電力化は限界に達しつつあり、「ムーアの法則」に従った性能の向上は望めなくなりつ つあります。その一方で、高速な光通信技術や、高速で耐久性のある不揮発メモリ技術等 、新しいハードウェア技術が出てきています。本研究では、広域ネットワークで用いられ ている広帯域光通信技術をデータセンターの中で用いて様々な専用計算装置間でデータを 高速に動かすことにより、ムーアの法則が限界に達しても計算機システムの性能を向上さ せることを目指します。データの流れに着目し、無駄を省いて本質的に必要なデータ処理 を高性能に行うシステムを作るために、情報基盤の「作り方」をゼロから考え直し、新し い情報基盤の構築技術を開発していきます。
Network
従来のインターネットはあらかじめ用意されたネットワークを利用者が使うもので、利用 者の要求に応じて短時間でネットワークの構成を変えることはできませんでした。しかし 、近年柔軟に構成を変えて利用者が要求する性能を提供するネットワークの研究開発が進 んでいます。SDN (Software Defined Network)はその一つですし、光パスネットワークを 動的に構成するための研究開発も進んでいます。本研究では、ネットワークを管理可能な 資源としてとらえ、利用者の要求をネットワークの構成に効率よく反映させる仕組みを研 究開発します。
Cloud
最近、人工知能が注目を集めています。人工知能、特に機械学習は、推論と学習という2 つの要素から構成されます。機械学習では入力データを分類する処理を行いますが、分類 を行うモデルを決定するのが学習、そのモデルに従ってデータを分類するのが推論です。 学習では、入力と正解の組を多数用いて正しく分類するモデルを構築していきます。この 学習操作は大量のデータと計算を必要とします。また、学習の優劣によって推論の性能が 決まるため、学習性能の向上は非常に重要です。本研究では、学習を行うクラウドをどの ように構成すれば、高性能な学習を低コスト・低エネルギーで実行できるかを研究開発し ます。