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微小重力場における実験

単一液滴燃焼に関する研究

今日用いられるガスタービンやディーゼルエンジンなどの内燃機関では、圧縮した空気に燃料を噴霧状に噴射して着火する噴霧燃焼が一般的に使われています。 そのため内燃機関の効率向上のため、噴霧燃焼のメカニズムを解明することは非常に重要ですが、物質の流れ、噴霧内の液滴群の干渉、液滴径のばらつきなどにより現象を完全に解明することが非常に困難です。 そのため、液滴1つに着目して燃焼の基礎的な現象を解明するための実験が広く行われてきました。 内燃機関内の燃料噴霧は30μmから80μm程度の浮力の影響を受けない程度の大きさであるため、実験においては1mm程度の径の液滴を無重力下にて燃焼させることで模擬しています。 無重力下にて燃焼させることにより、密度差に起因する浮力、自然対流の影響を排除することができ、球対称の火炎が形成され、燃焼現象の基礎的なデータの取得が可能となります。

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微小重力落下塔と実験装置

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微小重力環境下における単一液滴の燃焼

火災安全性向上に向けた固体材料に対する重力影響の評価

現在国際宇宙ステーション( ISS : International Space Station )で適用されているNASAの火災安全試験標準は、過去の経験に基づいて設定されたものであり科学的根拠に基づいた改良が必要とされています。 そこで本研究の目的は、無重力環境下での燃焼試験から、燃焼現象に与える重力の影響を科学的に解明し、我が国主導で宇宙材料の最適な燃焼性評価試験方法および国際基準の提案とします。 実験内容としては、航空機実験と地上の複数の試験法を比較、最適化および無重力下での燃焼限界とNASA標準の相互比較を行います。 具体的には着火に必要なエネルギーや、延焼に対する酸素供給の影響など、対流のない無重力下で固体材料の燃焼のメカニズムに対する重力の影響を解明します。 また、使用される材料の種類や形状、試験時の熱環境の違いなど、様々な条件による影響を評価し、ISSなど宇宙における火災に対する安全対策に貢献することを目指します。 取得した科学的知見からは、航空機ケーブルなど難燃材料の研究開発、燃え広がりの予測などの火災シュミレーション精度向上、燃焼に必要な下限酸素濃度の明確化による消火・火災予防技術向上など、地上の火災安全性向上への貢献が期待できます。

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軌道上で運用中の国際宇宙ステーション