一行日記

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2009年7月1日(水) セミナー準備

明日原子力機構でセミナーをするので、そのセミナーの準備をしていた。

2009年7月2日(木) セミナー@原子力機構

四時半から上野の原子力機構でセミナーをした。ctQMCなどの強相関電子系の数値的手法の話。結構突っ込まれた。この業界はまだまだ知らないことが多い。

2009年7月3日(金) 物性セミナー「波数空間プローブとしてのSTM/STS」

理研の花栗さんの話。STM/STSを使って波数空間にアプローチするという話。自分の分野なのでよくわかったというのもあるが、今学期の物性セミナーで一番インパクトがあって面白かった。

時間が前後するが、お昼にランチセミナーがあった。M2の根本君の話。グラフェンは業界の研究スピードが速いので大変そうだった。

ちなみに今日は誕生日だった。27歳になった。

2009年7月6日(月) 計算

超伝導がらみの新しい計算をしようと試みた。Gとかkとかの字が以前よりうまくなっているような気がする。

2009年7月7日(火) 

午後、今日の午前中からいろいろやっていた計算が今年の三月にすでにプレプリントに出ていることを知った。新しい角度から攻めようと思う。

2009年7月8日(水) 一週間後

この日記は一週間後の未来から書いている。ようするに書き忘れて一週間経ってしまっただけだが。実験結果に触発されて新しい計算をしてみようと思い、文献を調べていた。はず。

2009年7月9日(木) 線形化BdG

BdGに準古典近似を施すとAndreev方程式にになる。Green関数から計算する話ばかりやっていたので、波動関数を考えるBdGにはあまり慣れていない。というわけでいろいろ調べている。

2009年7月10日(金) TRIP会議@秋葉原

「新規材料による高温超伝導基盤技術(TRIP)」の会議が秋葉原であった。歩行者天国が無くなる前にしか来たことがないので、秋葉原は1年ぶり以上になる。山手線の西側が拠点なので東側はあまり行かない。いろいろ面白い話が聞けた。

2009年7月11日(土)  TRIP会議@秋葉原 二日目

今日も秋葉原でTRIP。二日間の構成。いろいろな実験結果を見ていると、自分も何かやらなければなあと思ってくる。夕方は久々に秋葉原の街を歩いてみた。外国人とコスプレビラ配りが増えていたように思う。アキバナナとかお土産も売っていた。日本が誇る観光地になっているのだろう。大きなブックオフの100円コーナーでドラゴンボール26巻を購入。レジに持っていったら250円ですと言われて焦った。確かに裏に100円シールがついていなかった。

2009年7月13日(月) 新しい計算

新しい計算はうまくいかないことも多いけれど楽しい。ある系での線形化BdGの解がParabolic Cylinder functionという特殊関数で表されるという論文があった。こういう関数の知識は皆無なので、なるべく避けたいところだ。

2009年7月14日(火) ターゲット

何を計算すればよいのか、どのように計算をすればよいのかということがしぼれてきた。あとはもう少し調べれば実際の計算にとりかかれそうだ。この内容を9月の国際会議で話せればいいなと思う。

2009年7月15日(水) 準古典近似

準古典近似で自己エネルギーをとりあつかう方法を調べていた。大分わかってきた。ところで来週22日は日本で皆既日食が見られる。日食はいままで見たことがない。調べると東京は3/4隠れるらしい。西へ行くほどかくれる面積が増える。22日は気象庁の週間天気予報ではよい天気らしいので、期待している。

2009年7月16日(木) 計算計算

最近、数式を丁寧に書くようになった。読み返すことを念頭において、かつ考えながら書くと丁寧になっている。なぐりがきの計算の場合は汚い。あまりにもなぐりがきだとあとで読み返しても意味が通らないのでまたなぐりがきをすることになる。

2009年7月17日(金) 物性セミナー「テラヘルツ波で探る間接遷移型半導体電子正孔系の量子凝縮相」

東大理の島野さんのセミナー。電子と正孔が液滴を作る。実験の話。光と電子の相互作用などの光物性は、それなりに大きな分野だとは思うのだが、なぜかその理論をやっている人に出会うことが少ない。なぜなのだろう。

2009年7月21日(火) いい感じ

最近やっている計算がいい感じだということがわかってきた。実験を説明できそうな気がする。

2009年7月22日(水) あまりよくない

いろいろ調べると、結構難しい問題を内包していることがわかってきた。実験で何を測定していて何を反映した結果になっているか、それを慎重に見極めないといけない。

2009年7月23日(木) D論

いろいろなことを同時進行するとわけがわからなくなるときがある。いま、新しい計算とD論執筆を同時に行っているが、9月の国際会議二連続が近づいてくるとその準備もしなければならなくなる。

2009年7月24日(金) 飛行機

熊本での物理学会の飛行機の購入をした。今回は7月はじめあたりに予約を受け付けていたのだが、購入は出発日二ヶ月前からなので、下手をすると支払い忘れ予約キャンセルになってしまう。まあ無事に購入できてよかった。

2009年7月27日(月) 準古典近似

あらためてよく考えると、準古典近似は奥が深い。まだ理解できていないことがたくさんありそうだ。

2009年7月28日(火) M^2S

9月はじめの国際会議M^2Sでポスター発表をする予定だが、Proceedingsを提出しなければならないことに今日気がついた。8月10日までに投稿しないといけないようだ。というわけでepsファイルをテキストエディタでいじくったり、英文を書いたりしていた。

2009年7月29日(水) Materials and Mechanisms of Superconductivity

Proceedingsを書き終わる。最初PR系のtexを使っていたせいでフォントとか余白がおかしくなっていた。まっさらに作り直すとPhysica Cの論文っぽい雰囲気になった。

2009年7月30日(木) 日本語

D論は日本語で書いている。英語にするか日本語にするか迷ったが、幸いに内容はすでに論文になっているものばかりなので、日本語で書くことにした。外国人が参照したいときは論文を読めばよいわけだから。鉄系の内容も盛り込むことにしているが、進展が早いのでどこまでまとめるべきか決めるのが難しい。ちまちま書き進めていま43ページ。

2009年7月31日(金) くらやみの速さはどれくらい

『自閉症が治療可能になった近未来。自閉症者最後の世代であるルウは、製薬会社の仕事とフェンシングの趣味をもち、困難はありつつも自分なりに充実した日々を送っていた……ある日上司から、新しい治療法の実験台になることを迫られるまでは。”光の前にはいつも闇がある。だから暗闇のほうが光よりも速く進むはず”そう問いかける自閉症者ルウのこまやかな感性で語られる、感動の”21世紀版『アルジャーノンに花束を』”。』(以上本の後ろから引用)
駒場生協で文庫新書三冊買うと15%引きセールをやっていたので買った本のうちの一冊「くらやみの速さはどれくらい」(早川書房)。タイトルが素晴らしかったので買ったのだが、これは名作だ。非常に面白かった。衝撃を受けた。最後三分の一は一気読みをしてしまったせいで今午前二時だ。

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