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第7章 フィールドのバイオインフォマティクス
- 生命科学(life
science)
生命を研究対象とする学問のことです。
- 塩基配列決定技術
リンク先は「DNAシークエンシング」です。DNAを構成するヌクレオチドの結合順序(塩基配列)を決定することです。
- 配列DB
配列データベースのことです。データベース(database;
DB)とは、検索や蓄積が容易にできるよう整理された情報の集まり。
通常はコンピュータによって実現されたもののことです。
- ゲノムプロジェクト(genome
project)
DNAシーケンシングによって生物のゲノムの全塩基配列を解読し、タンパク質コード領域やその他のゲノム領域のアノテーションをつけることを目的としたプロジェクトのことです。
- ポストゲノム(post-genome)
ゲノム配列を決定する研究がゲノム研究であり、その研究成果を利用した「その後(post)の研究」のことを指します。ポストゲノム研究の代表例としては、たとえばトランスクリプトーム解析などがあげられます。
- NGS
次世代シーケンシング(next-generation
sequencing)技術のことです。何千万から何億といったオーダーのDNA分子の塩基配列を同時に決定する機器のことです。2022年現在は、主に第2世代シーケンサ(2nd-generation
sequencer)とよばれているシーケンシング技術に基づく機器のことを指します。2010~2015年頃はNGSとよくよばれていました。いわゆる第3世代シーケンサ(3rd
generation
sequencer)の技術や機器が出始めた頃に、第3世代との差別化という意味で、これまでNGSとよばれていた技術や機器が第2世代という位置づけになりました。ちなみに、1.5節や1.6節で述べているロングリードが得られるシーケンス技術や機器が第3世代です。
- ゲノム(genome)
ある生物がもつ全遺伝情報(具体的には全塩基配列情報)のことです。
- トランスクリプトーム(transcriptome)
特定の状況下において細胞中に存在するすべてのRNA(または一次転写産物;
transcript)の総体のことです。ここでは、NGS機器を用いてすべてのRNA(実際にはmRNAのみだったりするので網羅的ではありません)の配列を決定することという意味で、RNAシーケンシング(RNA
sequencing)の略称であるRNA-seqが用いられることが多いです。
- バイオイメージング(bioimaging)
細胞・組織または個体レベルでタンパク質などの分布・局在を捉え、その動態を画像として解析する技術のことです。
- 細胞(cell)
すべての生物が持つ、微小な部屋状の下部構造のことです。生物体の構造上・機能上の基本単位です。
- 組織(tissue)
リンク先は「組織
(生物学)」です。形態および機能を同じくする細胞の集合体のことです。生体内の各器官(臓器)は、何種類かの組織が決まったパターンで集まって構成されています。
- 統計学(statistics)
統計に関する研究を行う学問です。経験的に得られたばらつきのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだすことを目的としています。統計的手法は、実験計画、データの要約や解釈を行う上での根拠を提供するため、幅広い分野で応用されています。
- 機械学習(Machine
Learning)
経験からの学習により自動で改善するコンピューターアルゴリズムもしくはその研究領域で、人工知能の一種であるとみなされています。「訓練データ」もしくは「学習データ」とよばれるデータを使って学習し、学習結果を使って何らかのタスクをこなします。機械学習は以下の3つのカテゴリに大別されます。強化学習は機械学習の一種です。深層学習も機械学習の一種です。
- ①教師あり学習(supervised learning)
- ②教師なし学習(unsupervised learning)
- ③強化学習(reinforcement learning)
- バイオインフォ(bioinfo)
バイオインフォマティクス(bioinformatics)の略です。生命科学と情報科学の融合分野のひとつであり、DNAやRNA、タンパク質をはじめとする、生命が持つ様々な「情報」を対象に、情報科学や統計学などのアルゴリズムを用いた方法論やソフトウェアを開発し、またそれらを用いた分析から生命現象を解き明かしていく(in
silico解析)ことを目的とした学問分野です。
- 生物学(biology)
生命現象を研究する、自然科学の一分野です。
- ゲノム(genome)
ある生物がもつ全遺伝情報(具体的には全塩基配列情報)のことです。
- トランスクリプトーム(transcriptome)
特定の状況下において細胞中に存在するすべてのRNA(または一次転写産物;
transcript)の総体のことです。ここでは、NGS機器を用いてすべてのRNA(実際にはmRNAのみだったりするので網羅的ではありません)の配列を決定することという意味で、RNAシーケンシング(RNA
sequencing)の略称であるRNA-seqが用いられることが多いです。
- センシング技術(sensing technology)
センサ(sensor)とよばれる検知器を用いて、調べたいものの情報を計測し数値化する技術のことです。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 微生物(microorganismまたはmicrobe)
肉眼でその存在が判別できず、顕微鏡などによって観察できる程度以下の大きさの生物のことです。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- モデル植物(model
plants)
リンク先は「モデル生物」です。モデル生物とは、生物学、特に分子生物学とその周辺分野において、普遍的な生命現象の研究に用いられる生物のことです。とはいえ、たとえば動物と植物では細胞壁の有無など決定的な違いがありますので、ある程度分けて考えるのが普通です。モデル植物は、植物全体に普遍的な生命現象の研究に用いられる生物ということになり、具体的にはシロイヌナズナ(Arabidopsis
thaliana)が相当します。
- 生命科学(life
science)
生命を研究対象とする学問のことです。
- 育種(breeding)
リンク先は「育種学」です。生物を遺伝的に改良することであり、一般的な言葉の品種改良とほぼ同じ意味です。
- バイオインフォ(bioinfo)
バイオインフォマティクス(bioinformatics)の略です。生命科学と情報科学の融合分野のひとつであり、DNAやRNA、タンパク質をはじめとする、生命が持つ様々な「情報」を対象に、情報科学や統計学などのアルゴリズムを用いた方法論やソフトウェアを開発し、またそれらを用いた分析から生命現象を解き明かしていく(in
silico解析)ことを目的とした学問分野です。
7.1 フェノミクス
- フェノミクス(phenomics)
リンク先は「Phenomics」です。日本語の説明としては、「表現型(phenotype)」
の中にも「フェノームとフェノミクス」という項目が存在します。生物が示す観察可能な特徴を網羅的に調べる学問です。どのようなゲノム変異体が表現型に影響を与えるのかを明らかにすることができ、健康、疾病、進化的適応度などを理解するため、重要な研究分野です。フェノミクスを利用することで、干ばつや暑さに対する耐性のような有利なゲノム変異を特定し、より耐久性の高い遺伝子組み換え作物を作ることができます。
- ゲノミクス(genomics)
ゲノムと遺伝子について研究する生命科学の一分野です。
- トランスクリプトミクス(transcriptomics)
リンク先は「トランスクリプトーム」です。特定の状況下において細胞中に存在するすべてのRNA(または一次転写産物;
transcript)の総体を研究する学問です。
- プロテオミクス(Proteomics)
リンク先は「プロテオーム解析(Proteomic
analysis)」です。特に構造と機能を対象としたタンパク質の大規模な研究のことです。ある生物が持つすべてのタンパク質のセット、またはある細胞がある瞬間に発現しているすべてのタンパク質のセットを解析する学問です。
- 分子(molecule)
2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質のことです。ほとんどの原子は、同種あるいは異なる原子と化学結合により結びついて分子を形成します。
- オミクス(omics)
リンク先は「オーミクス」です。「研究対象+omics」という名称を持つ生物学の研究分野の非公式な総称です。生命の様々な層(クラスター)に存在する大量の生物学的情報の相互作用や機能を解析する科学・工学分野です。
- フェノタイプ(phenotype)
リンク先は「表現型」です。観察可能な性質や特徴のことです。
- 遺伝子型(genotype)
ある生物の個体が持つ遺伝物質の構成のことです。ほぼすべてのヒトを含む2倍体の生物個体の体細胞は、母親由来と父親由来のゲノムをもちます。ゲノム中のある特定のサイトにおいて、母親由来と父親由来でどのような塩基の構成になっているかを表したものが遺伝子型です。母親由来と父親由来で塩基が異なる場合をヘテロ接合型、同じ場合をホモ接合型といいます。ホモ接合型は、さらに2種類に分かれます。1つは、ヒトの標準配列(参照配列またはリファレンス配列)と同じ場合で、ホモ接合型顕性(ほもせつごうがたけんせい)とよばれるものです。そしてもう1つは、ヒトの標準配列と異なる場合でホモ接合型潜性(ほもせつごうがたせんせい)とよばれるものです。標準配列と同じものを大文字、異なるものを小文字で表します。それゆえ、3種類の遺伝子型は、ホモ接合型顕性がPP、ヘテロ接合型がPp、ホモ接合型潜性がppのように表されます。
- 生物(organism)
生命現象を示す自然物のことです。動物・菌類・植物・原生生物・古細菌・細菌などの総称です。多くの場合ウイルスを含めませんが、立場によっては含めることもあります。
- 形質(trait)
生物のもつ性質や特徴のことです。遺伝によって子孫に伝えられる性質や特徴のことを遺伝形質といいますが、これを略して形質とよぶこともあります。
- 遺伝子(gene)
大まかには「ゲノム上のタンパク質配列に対応する領域」です。より正確には「生体中で機能する産物を作り出すのに必要なDNA中の配列領域」という理解でよいと思います。
- フェノタイピング(phenotyping)
「表現型を解析すること」です。
- ジェノタイピング(genotyping)
シンプルにいえば「遺伝子型を解析すること」です。ある個体のDNA配列をDNAシーケンシングなどによって識別し、他の個体のDNA配列や基準となるDNA配列と比較することによって、遺伝子型(genotype)の違いを検出する方法のことです。ジェノタイピングにより、ある個体が両親から受け継いだ対立遺伝子(アレル)を明らかにすることができます。
- NGS
次世代シーケンシング(next-generation
sequencing)技術のことです。何千万から何億といったオーダーのDNA分子の塩基配列を同時に決定する機器のことです。2022年現在は、主に第2世代シーケンサ(2nd-generation
sequencer)とよばれているシーケンシング技術に基づく機器のことを指します。2010~2015年頃はNGSとよくよばれていました。いわゆる第3世代シーケンサ(3rd
generation
sequencer)の技術や機器が出始めた頃に、第3世代との差別化という意味で、これまでNGSとよばれていた技術や機器が第2世代という位置づけになりました。ちなみに、1.5節や1.6節で述べているロングリードが得られるシーケンス技術や機器が第3世代です。
- ゲノム(genome)
ある生物がもつ全遺伝情報(具体的には全塩基配列情報)のことです。
- 塩基配列(nucleotide
sequence)
DNA、RNAなどの核酸において、それを構成しているヌクレオチドの結合順を、ヌクレオチドの一部をなす有機塩基類の種類に注目して記述する方法、あるいは記述したもののことです。単にシークエンスあるいはシーケンスとよぶことも多いです。
- ボトルネック(bottleneck)
この場合は、制約部分という理解でよいです。
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- DB
データベースのことです。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- International Plant
Phenotyping Network (IPPN)
植物のフェノタイピング技術の開発や学術の推進を図る国際的組織です。
- 無人航空機(unmanned
aerial vehicle; UAV)
人が搭乗しない(無人機である)航空機のことです。ドローン(drone)は通称です。
- センサ(sensor)
調べたいものの情報を計測するための検知器のことです。
- フェノミクス(phenomics)
リンク先は「Phenomics」です。日本語の説明としては、「表現型(phenotype)」
の中にも「フェノームとフェノミクス」という項目が存在します。生物が示す観察可能な特徴を網羅的に調べる学問です。どのようなゲノム変異体が表現型に影響を与えるのかを明らかにすることができ、健康、疾病、進化的適応度などを理解するため、重要な研究分野です。フェノミクスを利用することで、干ばつや暑さに対する耐性のような有利なゲノム変異を特定し、より耐久性の高い遺伝子組み換え作物を作ることができます。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 形質(trait)
生物のもつ性質や特徴のことです。遺伝によって子孫に伝えられる性質や特徴のことを遺伝形質といいますが、これを略して形質とよぶこともあります。
- 野帳(field
books)
野外での記入を想定した、縦長で硬い表紙のついた手帳(ノート)のことです。「やちょう」と読みます。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- ゲノム(genome)
ある生物がもつ全遺伝情報(具体的には全塩基配列情報)のことです。
- ゲノミックセレクション (genomic selection)
「ジェノミックセレクション」、「ゲノム選抜法」などともよばれます。植物個体間における特性の違いと大量のDNAマーカーの違いとの関係を数式で表した予測モデルを作成し、DNAマーカー情報しかわかっていない個体に予測モデル適用してその個体の特性を予測することで、求める特性を持った個体を選抜する手法です。この手法では多数の遺伝子が関わる特性の予測が可能です。ゲノミックセレクションを用いれば、通常は特性を評価できない季節に温室などで個体の特性を予測して、優秀な個体を選抜できます(ここの注2のコピペです)。
- 育種(breeding)
リンク先は「育種学」です。生物を遺伝的に改良することであり、一般的な言葉の品種改良とほぼ同じ意味です。
- 数理モデル(mathematical
model)
時間変化する現象の計測可能な主要な指標の動きを模倣する、微分方程式などの「数学の言葉で記述した系」のことです。
- 肥料(fertilizer)
植物を生育させるための栄養分として人間が施すものです。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難です。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素とよばれます。
- 農薬(agricultural
chemical)
農業の効率化、あるいは農作物の保存に使用される薬剤の総称です。農薬は元々は土壌や種子の消毒と、発芽から結実までの虫害や病気の予防をするものを指していましたが、農作物の虫害や植物の成長調整など「農業の生産性を高めるために使用される薬剤」として広義に解釈されるようになっています。
- 精密農業(precision agriculture)
農地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、農作物の収量および品質の向上を図り、その結果に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法のことです。
- スマート農業(smart
agriculture)
ロボット技術や情報通信技術(Information and Communication Technology;
ICT)等の先端技術の活用による新たな農業のことです。
7.2 リモートセンシング
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 媒体(media)
リンク先は「メディア
(媒体)」です。情報の記録、伝達、保管などに用いられる物や装置のことです。媒体(ばいたい)などと訳されることもあります。記録・保管のための媒体とコミュニケーションのための媒体とに大別することができます。
- 光(light)
狭義には電磁波のうち波長が380 - 760
nmのもの(可視光)をいいます。非電離放射線の1つです。
- 電波(radio
wave)
電磁波(電場と磁場の変化を伝搬する波のこと)のうち、比較的周波数の低いものです。日本の電波法などでは、3000ギガヘルツ以下のものと定義されます。
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- 反射(reflection)
光や音などの波がある面で跳ね返る反応のことです。
- 放射(radiation)
粒子線(アルファ線、ベータ線など)や電磁波(光など)が放出されること、または放出された粒子線や電磁波そのものです。
- 地球(The
Earth)
人類を含む多種多様な生命体が生存する天体で、太陽系の惑星の1つです。太陽から3番目に近く、表面に水、空気中に酸素を大量に蓄え、多様な生物が生存することを特徴とする惑星です。
- 生態
生物が自然環境下で生活しているありさまです。
- スペクトル(spectrum)
複雑な情報や信号をその成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したもののことです。2次元以上で図示されることが多く、その図自体のことをスペクトルとよぶこともあります。
- 可視光(visible
light)
電磁波のうち、ヒトの目で見える波長のもの。いわゆる光のことです。JIS
Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は下界はおおよそ360-400
nm、上界はおおよそ760-830 nmです。
- 赤外線(infrared)
可視光線の赤色より波長が長く(周波数が低い)、電波より波長の短い電磁波のことです。ヒトの目では見ることができない光です。
- 電波(radio
wave)
電磁波(電場と磁場の変化を伝搬する波のこと)のうち、比較的周波数の低いものです。日本の電波法などでは、3000ギガヘルツ以下のものと定義されます。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- 図7.1
電磁波の波長および波長域ごとに得られる観測情報の例「(c) JAXA」です。JAXAのリンク先のものと同じです。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 人工衛星(satellite)
惑星、主に地球の軌道上に存在し、具体的な目的を持つ人工天体のことです。
- 気象衛星(meteorological
satellite)
気象観測を行う人工衛星のことです。衛星軌道上から地球の気象を観測し、広域の気象状況が短時間で把握可能です。
- 気象衛星ひまわり
リンク先は「ひまわり
(気象衛星)」です。気象観測を行う日本の静止衛星・気象衛星の愛称です。気象庁のHPから実際の映像が見られます。
- 図7.1
電磁波の波長および波長域ごとに得られる観測情報の例「(c) JAXA」です。JAXAのリンク先のものと同じです。
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- 可視光(visible
light)
電磁波のうち、ヒトの目で見える波長のもの。いわゆる光のことです。JIS
Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は下界はおおよそ360-400
nm、上界はおおよそ760-830 nmです。
- 赤外線(infrared)
可視光線の赤色より波長が長く(周波数が低い)、電波より波長の短い電磁波のことです。ヒトの目では見ることができない光です。
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- 大気(atmosphere)
リンク先は「地球の大気」です。地球の表面を層状に覆っている気体のことです。大気が存在する範囲を大気圏(たいきけん)、その外側を宇宙空間といいます。
- 気象庁のHPから見られる実際の衛星画像
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- センサ(sensor)
調べたいものの情報を計測するための検知器のことです。
- プラットフォーム(platforms)
この場合は、「電磁波を観測するためのセンサを搭載する装置」という意味で用いられています。
- 人工衛星(satellite)
惑星、主に地球の軌道上に存在し、具体的な目的を持つ人工天体のことです。
- 航空機(aircraft)
大気中を飛行する機械の総称です。
- 飛行船(airship)
空気より比重の小さい気体をつめた気嚢によって機体を浮揚させ、これに推進用の動力や舵をとるための尾翼などを取り付けて操縦可能にした航空機(軽航空機)の一種です。
- 気球(balloon)
空気より軽い気体を風船に詰め込む事で浮力を得る物のことです。
- ヘリコプター(helicopter)
回転翼機に分類される航空機の一種です。垂直方向の軸に配置したローター(回転翼)をエンジンの力で回転させて揚力を得て、出力やローターの描く面(回転面・円盤面)を変化させることで進行方向への推進力を得たり、ホバリング(空中での停止)を含めて高度を調整したりできます。
- ドローン(drone)
リンク先は「無人航空機」です。人が搭乗しない(無人機である)航空機のことです。ドローン(drone)は通称です。
- タワー(tower)
東京タワーとかスカイツリーをイメージすればよいと思います。たとえばスカイツリーは、比較的ヒトの影響を受けない高所でのCO2などの観測を行っています。
- トラクタ(tractor)
無線通信により、携帯することが可能となった電話機のことです。
- 作付面積
田畑に作物を植えつけている面積のことです。
- 収量
収穫した農作物の量のことです。
- 病虫害
農作物が病気にかかったり、虫に食べられたりして被害を受けることです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 精密農業(precision agriculture)
農地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、農作物の収量および品質の向上を図り、その結果に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法のことです。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
7.2.1 可視~短波赤外リモートセンシング
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 光の反射率(light reflectance)
入射光の何パーセントが反射光として返されるかを表す数値です。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- 図7.2
植物、土壌、水面などにおける光の反射率の違い 「(c) JAXA」です。JAXAのリンク先のものと同じです。
- 葉緑素(chlorophyll)
リンク先は「クロロフィル」です。光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質のことです。
- カロテノイド(carotenoid)
黄、橙、赤色などを示す天然色素の一群のことです。微生物、動物、植物などからこれまで750種類以上のカロテノイドが同定されています。自然界におけるカロテノイドの生理作用は多岐にわたり、とくに光合成における補助集光作用、光保護作用や抗酸化作用等に重要な役割を果たすようです。
- 反射スペクトル(reflection
spectrum)
標準の光源に対し、対象物で反射する光のスペクトルのことです。
- 有機物(organic
matter)
リンク先は「有機化合物」です。炭素を含む化合物の大部分を指す言葉です。現代では単なる「便宜上の区分」であり、有機物質や有機物ともよばれます。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 太陽光(sunlight)
太陽が放つ光である。日光(にっこう)ともいいます。
- 反射(reflection)
光や音などの波がある面で跳ね返る反応のことです。
- 光学センサ(optical sensor)
太陽光が対象物に当たり反射した光を、波長別に測定するセンサのことです。
- バイオマス(biomass)
生態学で、特定の時点においてある空間に存在する生物(バイオ)の量を、物質(マス)の量として表現したものです。植物生態学などの場合には現存量の語が使われることも多く、転じて生物由来の資源を指すこともあります。
- 窒素(nitrogen)
原子番号7の元素である。元素記号はN。原子量は14.007です。地球の大気中に安定した気体として存在するほか、生物に欠かせないアミノ酸、アンモニアなど様々な化合物を構成します。ハーバー・ボッシュ法によりアンモニアの量産が可能になって以降、人間により工業的に産生された窒素肥料や窒素酸化物が大量に投入・排出され、自然環境にも大きな影響を与えています。
- 光合成(photosynthesis)
光エネルギーを化学エネルギーに変換して生体に必要な有機物質を作り出す反応過程のことです。
- 大気(atmosphere)
リンク先は「地球の大気」です。地球の表面を層状に覆っている気体のことです。大気が存在する範囲を大気圏(たいきけん)、その外側を宇宙空間といいます。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- 光合成(photosynthesis)
光エネルギーを化学エネルギーに変換して生体に必要な有機物質を作り出す反応過程のことです。
- 葉緑素(chlorophyll)
リンク先は「クロロフィル」です。光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質のことです。
- 反射率(reflectance)
大まかには、ある面に対する入射光を分母、反射光を分子として算出した値のことです。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 植生(vegetation)
地球上の陸地において、ある場所に生育している植物の集団のことです。
- 植物群落(plant
communityまたはphytocoenosis)
一定範囲の場所に生成し互いに連関している植物の個体群全体を指す言葉です。何種類かの植物がまとまってつくる植物の集団を指している言葉という理解でもよいです。
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- 植生指標(vegetation
index)
国土地理院の「植生指標データについて」というページに飛ばしています。植物による光の反射の特徴を生かし衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標で、植物の量や活力を表しています。
- 正規化植生指数(normalized
difference vegetation index; NDVI)
リンク先は「NDVI」です。植生の分布状況や活性度を示す指標です。[1-,
1]の値の範囲をとり、地表上で植物の葉が多いほど
NDVIの値は高くなります。原著論文はRouse et al.,
Proceedings of the Third Earth Resources Technology Satellite-1
Symposium, 1974です。
- NIR
植物による反射率の高い近赤外域の波長の光を指します。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 反射率(reflectance)
大まかには、ある面に対する入射光を分母、反射光を分子として算出した値のことです。
- 葉緑素(chlorophyll)
リンク先は「クロロフィル」です。光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質のことです。
- 大気(atmosphere)
リンク先は「地球の大気」です。地球の表面を層状に覆っている気体のことです。大気が存在する範囲を大気圏(たいきけん)、その外側を宇宙空間といいます。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 植生(vegetation)
地球上の陸地において、ある場所に生育している植物の集団のことです。
- 国土地理院の「植生指標データについて」のページ
- NDVI以外の植生指標
- フィールド(field)
農地のことです。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- 衛星画像(satellite
image)
地球観測衛星に搭載されるセンサの観測データを画像化したものです。
- 画像解析(image
analysis)
自然情報処理の手法で画像の中から、有意な事象を取捨選別する処理のことです。
- 人工衛星(satellite)
惑星、主に地球の軌道上に存在し、具体的な目的を持つ人工天体のことです。
- UAV
無人航空機(unmanned aerial
vehicle)のことです。人が搭乗しない(無人機である)航空機のことです。ドローン(drone)は通称です。
- センシング技術(sensing technology)
センサ(sensor)とよばれる検知器を用いて、調べたいものの情報を計測し数値化する技術のことです。
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- デジタルカメラ(digital
still camera; DSC)
デジタル写真を撮影するカメラのことです。静止画を撮影するものがメインで、動画撮影機能もついているというのが一般的ですが、デジタルカメラはその中でも静止画の撮影に重点を置いたモデルのことを指します。
- RGB
色の表現方法の1つであり、赤(Red)、緑(Green)、青(Brue)の3つの色を混ぜて様々な色を表現するやり方です。
一般的なデジタルカメラがRGBカメラです。
- RGBカメラ
一般的なデジタルカメラのことです。
- 多波長分光カメラ(multi-spectral camera)
英語名からも想像できますが、分光カメラとかスペクトルカメラとよばれるものになります。
人間の目で識別できるのがRGBですが、識別できない波長の光を捉えられるのが特徴になります。
- マルチスペクトルカメラ:~数十バンドの波長情報を得ることができる
- ハイパースペクトルカメラ:~千バンドの波長情報を得ることができる
- データキューブ(data
cube)
プログラミングにおいて三次元(以上の)配列に格納されたデータであり、時系列の画像データを表していることが多いです。
- 図7.3
RGBカメラと多波長分光カメラで取得される情報の違いです。
- NDVI
正規化植生指数(normalized difference vegetation
index)の略で、植生の分布状況や活性度を示す指標です。[1-,
1]の値の範囲をとり、地表上で植物の葉が多いほど
NDVIの値は高くなります。原著論文はRouse et al.,
Proceedings of the Third Earth Resources Technology Satellite-1
Symposium, 1974です。
- 植生指標(vegetation
index)
国土地理院の「植生指標データについて」というページに飛ばしています。植物による光の反射の特徴を生かし衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標で、植物の量や活力を表しています。
- 衛星画像(satellite
image)
地球観測衛星に搭載されるセンサの観測データを画像化したものです。
- ハイパースペクトルカメラ
多波長分光カメラ(multi-spectral
camera)の一種であり、人間の目で識別できない波長の光を捉えられるのが特徴です。ハイパースペクトルカメラは、~千バンドの波長情報を得ることができます。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 形質(trait)
生物のもつ性質や特徴のことです。遺伝によって子孫に伝えられる性質や特徴のことを遺伝形質といいますが、これを略して形質とよぶこともあります。
- 植生指標(vegetation
index)
国土地理院の「植生指標データについて」というページに飛ばしています。植物による光の反射の特徴を生かし衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標で、植物の量や活力を表しています。
- NDVI
正規化植生指数(normalized difference vegetation
index)の略で、植生の分布状況や活性度を示す指標です。[1-,
1]の値の範囲をとり、地表上で植物の葉が多いほど
NDVIの値は高くなります。原著論文はRouse et al.,
Proceedings of the Third Earth Resources Technology Satellite-1
Symposium, 1974です。
- normalized difference spectral index (NDSI):Inoue et al., Remote
Sens Environ., 2008
- ratio spectral index (RSI):原著論文不明
- 相関(correlation)
2つ以上の事物の、一方が変われば他方もそれに連れて変わるとか、あるものの影響を受けてかかわり合っているとかいうように互いに関係を持つこと、またはそういう関係のことを指します。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- 図7.4
NDSIにおける波長の組み合わせと形質の相関のpseudo-colorイメージです。
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- 図7.3
RGBカメラと多波長分光カメラで取得される情報の違いです。
- 図7.4
NDSIにおける波長の組み合わせと形質の相関のpseudo-colorイメージです。
- ハイパースペクトルカメラ
多波長分光カメラ(multi-spectral
camera)の一種であり、人間の目で識別できない波長の光を捉えられるのが特徴です。ハイパースペクトルカメラは、~千バンドの波長情報を得ることができます。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 形質(trait)
生物のもつ性質や特徴のことです。遺伝によって子孫に伝えられる性質や特徴のことを遺伝形質といいますが、これを略して形質とよぶこともあります。
- 多変量回帰分析
- 機械学習(Machine
Learning)
経験からの学習により自動で改善するコンピューターアルゴリズムもしくはその研究領域で、人工知能の一種であるとみなされています。「訓練データ」もしくは「学習データ」とよばれるデータを使って学習し、学習結果を使って何らかのタスクをこなします。強化学習は機械学習の一種です。深層学習も機械学習の一種です。
- ニューラルネットワーク(neural
network)
「入力を線形変換する処理単位」がネットワーク状に結合した数理モデルです。入力の線形変換を含む処理単位において、これらユニットの入出力が結合しネットワークを構成している数理モデルがニューラルネットワークです。各ユニットは入力の線形変換を必ず含み、多くの場合それに後続する非線形変換を含みます。ユニットの構成やネットワークの構造は自在に設計できますので、様々なモデルが提唱されています。人工ニューラルネットワーク(artificial
neural network)ともよばれます。
- サポートベクトルマシン(support
vector machine; SVM)
リンク先は「サポートベクターマシン」です。教師あり学習を用いるパターン認識モデルの1つであり、分類や回帰の問題へ適用できます。SVMは、線形入力素子を利用して2クラスのパターン識別器を構成する手法です。訓練サンプルから、各データ点との距離が最大となるマージン最大化超平面を求めるという基準(超平面分離定理)で線形入力素子のパラメータを学習します。
- ランダムフォレスト(random
forest; RF)
機械学習のアルゴリズムの1つであり、分類・回帰・クラスタリングの問題へ適用できます。「決定木(decision
tree)」の拡張版という認識でもよいです。具体的には、決定木を弱学習器とするアンサンブル学習アルゴリズムです。これは、ランダムサンプリングされたトレーニングデータによって学習した多数の決定木を使用することによります。
- 多重共線性(multicollinearity)
「重回帰分析(multiple
regression
analysis)」の中にも多重共線性の項目がありますが、説明変数の中に相関係数が高い組み合わせがあることです。
- ブラックボックス(black
box)
内部の動作原理や構造を理解していなくても、外部から見た機能や使い方のみを知っていれば十分に得られる結果を利用する事のできる装置や機構の概念です。転じて、内部機構を見ることができないよう密閉された機械装置のことを指します。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 天日干し(てんぴぼし)
直接日光に当てて干すことです。
- Lim et al., Grassland
Sci., 2020
ハイパースペクトルカメラによる多波長の情報を利用した「圃場に天日干し中の刈取牧草の水分率」の推定例です。
- 水稲(すいとう)
水田で栽培する稲のことです。
- クロロフィル(chlorophyll)
葉緑素のことです。光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質のことです。
- バイオマス(biomass)
生態学で、特定の時点においてある空間に存在する生物(バイオ)の量を、物質(マス)の量として表現したものです。植物生態学などの場合には現存量の語が使われることも多く、転じて生物由来の資源を指すこともあります。
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- 玄米
植物学的視点からは稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を除去した状態のことです。食品としては、精白されていない状態の米のことです。
- 井上ら,
日本リモートセンシング学会誌, 2008
ハイパースペクトルカメラによる多波長の情報を利用した「水稲のクロロフィル濃度、バイオマス、ならびに玄米タンパク質含有率」の推定例です。
- 植生指標(vegetation
index)
国土地理院の「植生指標データについて」というページに飛ばしています。植物による光の反射の特徴を生かし衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標で、植物の量や活力を表しています。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- UAV
無人航空機(unmanned aerial
vehicle)のことです。人が搭乗しない(無人機である)航空機のことです。ドローン(drone)は通称です。
- RGBカメラ
一般的なデジタルカメラのことです。
- RGB
色の表現方法の1つであり、赤(Red)、緑(Green)、青(Brue)の3つの色を混ぜて様々な色を表現するやり方です。
一般的なデジタルカメラがRGBカメラです。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 栽培(cultivation)
野菜や樹木などの植物、キノコ、藻類などを植えて育てることです。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- UAV空撮画像からの3次元情報の復元に用いられるソフトウェア
- ドローンを用いたほ場計測マニュアル
農研機構の農業環境研究部門(発表当時は農業環境変動研究センター)が2021年3月31日に発行した改訂版です
(ここからも辿れます)。
- 例題7.1
1ページ目が問題、2ページ目以降が解答例です。
7.2.2 熱赤外リモートセンシング
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- 放射(radiation)
粒子線(アルファ線、ベータ線など)や電磁波(光など)が放出されること、または放出された粒子線や電磁波そのものです。
- 熱赤外線(Thermal infrared; TIR)
「赤外線(infrared)」の
「その他の分類」
のところで触れられています。赤外線の中では、遠赤外線の次に波長が長い帯域(8–15
µm)であり、長波長赤外線ともよばれるようです。
- 人工衛星(satellite)
惑星、主に地球の軌道上に存在し、具体的な目的を持つ人工天体のことです。
- ヒートアイランド(urban
heat island; UHI)
都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて高温を示す現象のことです。住民の健康や生活、自然環境への影響、たとえば夏季は熱中症の増加や不快さの増大、冬季は感染症を媒介する生物の越冬が可能になることがあげられ、問題視されています。
- 地熱資源(geothermal
resources)
リンク先は「地熱」です。地球内部の熱源に由来する熱エネルギー(これが地熱)のうち、人間の生活や産業等の諸活動の為に利用可能なもの(これが資源)のことです。
- 火山(volcano)
地殻の深部にあったマグマが地表または水中に噴出することによってできる、特徴的な地形のことです。
- 海流(Ocean
current)
地球規模でおきる海水の水平方向の流れの総称です。似た現象に潮汐による潮汐流(潮流とも)があるが、潮汐流は時間の経過に伴って流れが変化し、短い周期性をもちます。海流はほぼ一定方向に長時間流れます。
- サーマルイメージャ(thermal imager)
対象物の温度の違いを色の違いで可視化する(イメージングする)機器のことです。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- ストレス応答
熱や乾燥などの様々な外部からの刺激に対して、自身の細胞の恒常性を維持すべく遺伝子の発現を変化させるなど何らかの対応(反応または対処のほうが適切かもしれません)を行うことです。
- Messina and Modica,
Remote Sens., 2020
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 光合成(photosynthesis)
光エネルギーを化学エネルギーに変換して生体に必要な有機物質を作り出す反応過程のことです。
- 気孔(stoma)
葉の表皮に存在する小さな穴(開口部)のことです。孔辺細胞とよばれる2つの細胞が唇のような形で向かい合った構造になっており、2つの孔辺細胞の形が変化することによって孔の大きさが調節されます。主に光合成、呼吸および蒸散のために、外部と気体の交換を行う目的で使用されます。stomaが単数形で、stomataが複数形です。
- 蒸散(transpiration)
植物の地上部から大気中へ水蒸気が放出される現象のことです。蒸散は主に葉の裏側で起こりますが、これは蒸散の行われる気孔が裏側に集中しているためで、葉の表側や茎、花、果実においても見られます。
- 熱赤外画像計測
温度の違いの背後にある水分状態の違いといった様々な生理情報を得るべく、対象物(この場合は植物)から放射される
3~14μmの赤外域の電磁波を計測することです。
- 予兆(omen)
リンク先は「前兆」です。何かある出来事が起こる前触れのことです。
- Inoue Y., Japanese J
Crop Sci., 1990
- トマト(tomato)
南アメリカのアンデス山脈高原地帯原産のナス科ナス属の植物、また、その果実のことです。多年生植物で、果実は食用として利用されます。緑黄色野菜の一種です。
- 青枯病(bacterial
wilt disease)
「あおがれびょう」と読みます。ナス科植物をはじめ、200種以上の植物に感染、枯死させる農業上深刻な被害をもたらす病害です。急速にしおれて植物が青々としている状態で枯死するため、この名が付いたようです。地際部の茎を切断し、その茎を水につけると、菌泥とよばれる白い煙のようなものが観察されるのが特徴です。菌泥の正体は、病原体である細菌・青枯病菌と、それが大量生産する細胞外多糖です。
- Chiwaki et al., J
Agric Meteorol., 2005
本文は英語ですが、日本語のタイトルは「熱赤外画像計測によるトマト青枯病の発病予測」のようです。
- 検出感度(detection sensitivity)
この場合は、発病株(青枯病を発症したトマトのこと)を発病株だと正しく診断できる割合のようなイメージでよいです。
- 大気(atmosphere)
リンク先は「地球の大気」です。地球の表面を層状に覆っている気体のことです。大気が存在する範囲を大気圏(たいきけん)、その外側を宇宙空間といいます。
- 様々な熱指標
- normalized canopyまたはleaf temperature (ΔT)
- crop water stress index (CWSI)
- index of stomatal conductance (IG)
- 気孔コンダクタンス
(stomatal conductance)
リンク先は「気孔コンダクタンス」ですが、 「拡散抵抗(コンダクタンス)」
を見ることになります。分子の拡散に対する抵抗を表す一般用語です。光合成の基質であるCO2は表皮の気孔を通って葉内に拡散し、葉緑体(光合成をおこなう半自律性の細胞小器官であり、クロロプラストともいいます)の中の内部空間であるストロマ(stroma)に入っていきます。このような大気から葉緑体ストロマまでのCO2の流れを電流に、CO2濃度を電圧と考えると、葉の光合成速度をオームの法則と同型の数式で表現することができるようです。
- 蒸散率(transpiration
rate)
リンク先は「蒸散」です。この中に「蒸散率・蒸散量」という項目があります。ある植物、特に農産物の生育期間における蒸散量の積算値を、その植物の最終的な乾燥重量で割った値のことです。
- 水ポテンシャル(water
potential)
水の標準状態に対する単位体積あたりのポテンシャルエネルギーであり、浸透圧、重力、圧力、毛細管現象によるマトリック効果によって、水が移動するための駆動力を示します。水ポテンシャルの概念は、植物、動物や土壌の中の水の動きを理解して計算するために重要な概念です。水ポテンシャルは、通常は水の単位体積あたりのポテンシャルエネルギーとして定量化され、国際単位系における単位はPa(パスカル)です。土壌中の水ポテンシャルが小さいと、土壌に水が強い力で保持されているため、植物にとってはその土壌から水を吸水しにくくなる。そのため、水ポテンシャルは水分ストレスを示す指針として用いられます。
- Pineda M, Barón M,
Pérez-Bueno ML., Remote Sens., 2021
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7.2.3 マイクロ波リモートセンシング
- マイクロ波(microwave)
電波(radio
wave)の一種。「マイクロ」は、電波の周波数による分類において、短い波長域であることを意味します。マイクロ波という用語は1940年代から文献に現れているが、その定義は複数あり、必ずしも明確ではないようです。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- 電波(radio
wave)
電磁波(電場と磁場の変化を伝搬する波のこと)のうち、比較的周波数の低いものです。日本の電波法などでは、3000ギガヘルツ以下のものと定義されます。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- 放射(radiation)
粒子線(アルファ線、ベータ線など)や電磁波(光など)が放出されること、または放出された粒子線や電磁波そのものです。
- 散乱(scattering)
光などの波や粒子がターゲットと衝突あるいは相互作用して方向を変えられることです。
- 合成開口レーダー(synthetic
aperture radar; SAR)
レーダーの一種で、航空機や人工衛星に搭載し、移動させることによって仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)として働くレーダーのことです。一般的にレーダーは、通常マイクロ波もしくはミリ波とよばれる電磁波を対象物に照射し、反射して返ってきた信号を分析して対象物を観測します。マイクロ波は可視光などに比べて波長が長いため、雲などの影響を受けずに観測ができるという特徴があります。電磁波を使った観測機器のレンズやアンテナなどの分解能は波長に比例するため、マイクロ波をつかうレーダーは同じ直径の光学レンズの10万分の1程度と分解能が非常に低いという欠点があります。光学レンズ並に分解能を向上するにはアンテナの直径を極めて大きくする必要があり物理的に困難で、これを解消するために合成開口レーダーが開発されたという経緯があります。合成開口レーダーの概念は、軌道上に仮想的なアンテナをいくつも並べたものです。軌道を移動中に送受信を繰り返し、受信した電波をドップラー効果を考慮に入れて合成し、分解能を向上させています。「小さな開口面であるアンテナを合成して大きな開口面であるアンテナを実現する」ことから「合成開口」とよばれます。
- 後方散乱波(backscatter
wave)
リンク先は「後方散乱」です。来た方向に反射する波のことです。たとえば自分からある対象物に対して光を当てた時に、自分のほうに光が戻ってこない(光の方向に対して90度以上の角度をもつ)ようなものだと思えばよいです。散乱に起因して拡散反射する波です。
- 人工衛星(satellite)
惑星、主に地球の軌道上に存在し、具体的な目的を持つ人工天体のことです。
- 可視光(visible
light)
電磁波のうち、ヒトの目で見える波長のもの。いわゆる光のことです。JIS
Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は下界はおおよそ360-400
nm、上界はおおよそ760-830 nmです。
- 赤外線(infrared)
可視光線の赤色より波長が長く(周波数が低い)、電波より波長の短い電磁波のことです。ヒトの目では見ることができない光です。
- SAR
合成開口レーダー(synthetic aperture
radarのことです。レーダーの一種で、航空機や人工衛星に搭載し、移動させることによって仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)として働くレーダーのことです。一般的にレーダーは、通常マイクロ波もしくはミリ波とよばれる電磁波を対象物に照射し、反射して返ってきた信号を分析して対象物を観測します。マイクロ波は可視光などに比べて波長が長いため、雲などの影響を受けずに観測ができるという特徴があります。電磁波を使った観測機器のレンズやアンテナなどの分解能は波長に比例するため、マイクロ波をつかうレーダーは同じ直径の光学レンズの10万分の1程度と分解能が非常に低いという欠点があります。光学レンズ並に分解能を向上するにはアンテナの直径を極めて大きくする必要があり物理的に困難で、これを解消するために合成開口レーダーが開発されたという経緯があります。合成開口レーダーの概念は、軌道上に仮想的なアンテナをいくつも並べたものです。軌道を移動中に送受信を繰り返し、受信した電波をドップラー効果を考慮に入れて合成し、分解能を向上させています。「小さな開口面であるアンテナを合成して大きな開口面であるアンテナを実現する」ことから「合成開口」とよばれます。
- 合成開口レーダー(synthetic aperture radar;
SAR)で利用されているマイクロ波(microwave)のバンドの種類
波長が長いLバンドから、波長が短いXバンドのマイクロ波が利用されています。
- Lバンド(L-band):150~300 mm
- Cバンド(C-band):37.5~75 mm
- Xバンド(X-band):24~37.5 mm
- マイクロ波(microwave)
電波(radio
wave)の一種。「マイクロ」は、電波の周波数による分類において、短い波長域であることを意味します。マイクロ波という用語は1940年代から文献に現れているが、その定義は複数あり、必ずしも明確ではないようです。
- 波長(wavelength)
波(波動)の周期的な長さのことです。周波数と密接な関係があり、周波数と波長は反比例します。
- 図7.5
SARにおけるバンドの違いと特徴です。
- 植生(vegetation)
地球上の陸地において、ある場所に生育している植物の集団のことです。
- SAR
合成開口レーダー(synthetic aperture
radarのことです。レーダーの一種で、航空機や人工衛星に搭載し、移動させることによって仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)として働くレーダーのことです。一般的にレーダーは、通常マイクロ波もしくはミリ波とよばれる電磁波を対象物に照射し、反射して返ってきた信号を分析して対象物を観測します。マイクロ波は可視光などに比べて波長が長いため、雲などの影響を受けずに観測ができるという特徴があります。電磁波を使った観測機器のレンズやアンテナなどの分解能は波長に比例するため、マイクロ波をつかうレーダーは同じ直径の光学レンズの10万分の1程度と分解能が非常に低いという欠点があります。光学レンズ並に分解能を向上するにはアンテナの直径を極めて大きくする必要があり物理的に困難で、これを解消するために合成開口レーダーが開発されたという経緯があります。合成開口レーダーの概念は、軌道上に仮想的なアンテナをいくつも並べたものです。軌道を移動中に送受信を繰り返し、受信した電波をドップラー効果を考慮に入れて合成し、分解能を向上させています。「小さな開口面であるアンテナを合成して大きな開口面であるアンテナを実現する」ことから「合成開口」とよばれます。
- 水稲(すいとう)
水田で栽培する稲のことです。
- 竹内ら,
写真測量とリモートセンシング, 2000
- 米澤千夏,
日本リモートセンシング学会誌, 2017
- 休耕(きゅうこう)
田畑での耕作を一時的にやめることです。
- 転作(crop
conversion)
同じ農地でそれまで生産していた農作物とは違う種類の農作物を生産することです。
- フィールド(field)
農地のことです。
7.2.4 音響リモートセンシング
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- イルカ(dolphin)
哺乳類クジラ目ハクジラ亜目に属する種の内、比較的小型の種の総称です。
- Akamatsu et al.,
J Acoust Soc Am., 2008
- 金城ら,
海洋音響学会誌, 2014
- 生物(organism)
生命現象を示す自然物のことです。動物・菌類・植物・原生生物・古細菌・細菌などの総称です。多くの場合ウイルスを含めませんが、立場によっては含めることもあります。
- 沈水植物(submergent plant)
水底に根を貼り、水中で生育する植物。水草(水生植物)の一種です。
- バイオマス(biomass)
生態学で、特定の時点においてある空間に存在する生物(バイオ)の量を、物質(マス)の量として表現したものです。植物生態学などの場合には現存量の語が使われることも多く、転じて生物由来の資源を指すこともあります。
- Mizuno et
al., Ecol Inform., 2018
- 電磁波(electromagnetic
wave)
電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)のことです。電磁波は波と粒子の性質を併せ持ち、散乱や屈折、反射、また回折や干渉など、波長によって様々な波としての性質を示す一方で、微視的には粒子として個数を数えることができます。日常生活で知られる光や電波などは電磁波の一種です。
- 稚仔(ちし)
仔魚(しぎょ)と稚魚(ちぎょ)を合わせた言葉です。仔魚(しぎょ)は、魚類の成長過程における初期の発育段階の1つであり、幼生ともよばれます。発生学の観点からは、仔魚と稚魚は異なる段階として区分されており、仔魚の次のステージが稚魚にあたります。仔魚と稚魚をひっくるめて仔稚魚(しちぎょ)とも総称されます。
- 標識放流(sign release)
水生動物を生かしたまま捕獲し、その体の適当な部位に諸種の目印(標識)をつけて元の環境に戻し、その動物がふたたび捕獲(再捕)されたときの情報をもとに、水産資源の調査研究に役だたせようとする方法のことです。
- バイオロギング(Bio-logging)
Bio(生物の)Log(記録する)を組み合わせた造語であり、動物に装着して人間ではなく動物自身がデータを集める事の出来る記録計のことです。元々はペンギンがどのように海に潜って餌を取っているかを観察するために作られたものです。深度や潜水時間の他に速度や加速度、温度などを計測したり、音をとったりするなど様々な機器があるようです。
- 絶滅危惧種(threatened
species)
絶滅の危機にある生物種(生物)のことです。「現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用するならば、その存続は困難なもの」と定義されているようです。
- 生物多様性(biodiversity)
生物に関する多様性を示す概念で、生態系、生物群系または地球全体に多様な生物が存在していることを指します。
7.3 フィールドオミクス
- NGS
次世代シーケンシング(next-generation
sequencing)技術のことです。何千万から何億といったオーダーのDNA分子の塩基配列を同時に決定する機器のことです。2022年現在は、主に第2世代シーケンサ(2nd-generation
sequencer)とよばれているシーケンシング技術に基づく機器のことを指します。2010~2015年頃はNGSとよくよばれていました。いわゆる第3世代シーケンサ(3rd
generation
sequencer)の技術や機器が出始めた頃に、第3世代との差別化という意味で、これまでNGSとよばれていた技術や機器が第2世代という位置づけになりました。ちなみに、1.5節や1.6節で述べているロングリードが得られるシーケンス技術や機器が第3世代です。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- ゲノム配列(genome
sequence)
ある生物がもつ全遺伝情報(具体的には全塩基配列情報)のことです。
- 形質(trait)
生物のもつ性質や特徴のことです。遺伝によって子孫に伝えられる性質や特徴のことを遺伝形質といいますが、これを略して形質とよぶこともあります。
- 遺伝子(gene)
大まかには「ゲノム上のタンパク質配列に対応する領域」です。より正確には「生体中で機能する産物を作り出すのに必要なDNA中の配列領域」という理解でよいと思います。
- かずさDNA研究所
千葉県木更津市に本拠を置く公益財団法人です。DNA研究を専門に行う世界初の研究所として、千葉県の支援をもとに、1994年に開所した研究所です。
- Plant GARDEN
かずさDNA研究所が提供している、様々な植物のゲノムやマーカー情報を集めたポータルサイトです。
- 量的形質(quantitative
trait)
リンク先は「形質」です。この中に「質的形質と量的形質」という項目があります。量的形質とは、人間の身長や胸囲など身体の各部の大きさのように、連続した実数で示される形質のことです。複数染色体上の多数の遺伝子座の影響を受けますが、遺伝だけでなく環境も影響するのがポイントです。対義語は質的形質(qualitative
trait)であり、これは環境要因によらず遺伝要因のみで決定されている形質のことです。
- 量的形質遺伝子座(quantitative
trait loci; QTL)
量的形質(quantitative
trait)がどのように生物に表現されるかに影響を与える染色体上のDNA領域のことです。遺伝子座に対応するlociは複数形、locusは単数形です。量的形質座位ともいいます。
- DNAマーカー(DNA
marker)
リンク先は「遺伝子マーカー」です。生物個体の遺伝的性質(遺伝型)、もしくは系統(個人の特定、親子・親族関係、血統あるいは品種など)の目印となる個体に特有のDNA配列のことです。
- 育種(breeding)
リンク先は「育種学」です。生物を遺伝的に改良することであり、一般的な言葉の品種改良とほぼ同じ意味です。
- 選抜育種
従来の品種改良のイメージでよいです。つまり、ある特定の有用な形質をもつ品種どうしを掛け合わせる作業を繰り返していくことです。
- マーカー育種
DNAマーカーを利用した育種です。
- モデル植物(model
plants)
リンク先は「モデル生物」です。モデル生物とは、生物学、特に分子生物学とその周辺分野において、普遍的な生命現象の研究に用いられる生物のことです。とはいえ、たとえば動物と植物では細胞壁の有無など決定的な違いがありますので、ある程度分けて考えるのが普通です。モデル植物は、植物全体に普遍的な生命現象の研究に用いられる生物ということになり、具体的にはシロイヌナズナ(Arabidopsis
thaliana)が相当します。
- オミクス(omics)
リンク先は「オーミクス」です。「研究対象+omics」という名称を持つ生物学の研究分野の非公式な総称です。生命の様々な層(クラスター)に存在する大量の生物学的情報の相互作用や機能を解析する科学・工学分野です。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 栽培(cultivation)
野菜や樹木などの植物、キノコ、藻類などを植えて育てることです。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 微生物(microorganismまたはmicrobe)
肉眼でその存在が判別できず、顕微鏡などによって観察できる程度以下の大きさの生物のことです。
- 因子(factor)
ある物事の原因を分類した各要素のことです。
- 栽培(cultivation)
野菜や樹木などの植物、キノコ、藻類などを植えて育てることです。
- モデル植物(model
plants)
リンク先は「モデル生物」です。モデル生物とは、生物学、特に分子生物学とその周辺分野において、普遍的な生命現象の研究に用いられる生物のことです。とはいえ、たとえば動物と植物では細胞壁の有無など決定的な違いがありますので、ある程度分けて考えるのが普通です。モデル植物は、植物全体に普遍的な生命現象の研究に用いられる生物ということになり、具体的にはシロイヌナズナ(Arabidopsis
thaliana)が相当します。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- オミクス(omics)
リンク先は「オーミクス」です。「研究対象+omics」という名称を持つ生物学の研究分野の非公式な総称です。生命の様々な層(クラスター)に存在する大量の生物学的情報の相互作用や機能を解析する科学・工学分野です。
- 形質(trait)
生物のもつ性質や特徴のことです。遺伝によって子孫に伝えられる性質や特徴のことを遺伝形質といいますが、これを略して形質とよぶこともあります。
7.3.1 フィールドでのトランスクリプトーム解析
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 遺伝子発現(gene
expression)
遺伝子の情報が細胞における構造および機能に変換される過程のことです。
- フィールド(field)
農地のことです。
- Sato et al., BMC
Plant Biol., 2011
- Izawa et al.,
Plant Cell, 2011
- Sato et al.,
Front Genet., 2019
- Panter et al.,
Front Genet., 2019
- Nagano et al.,
Cell, 2012
- イネ(rice)
イネ科イネ属の植物です。学名はOryza sativaです。
- トランスクリプトーム(transcriptome)
特定の状況下において細胞中に存在するすべてのRNA(または一次転写産物;
transcript)の総体のことです。
- 統計モデリング(statistical modeling)
この場合は、遺伝子発現の時系列データを確率モデルに当てはめて、関数で表現することです。
- 気温(temperature)
大気の温度のことです。気象を構成する要素の1つ。通常は地上の大気の温度の事を指します。
- 相対湿度(relative
humidity)
リンク先は「湿度」です。大気中に水蒸気の形で含まれる水の量を比率で表した数値。空気のしめり具合を表します。
- 気圧(air
pressure)
気体の圧力のことです。単に「気圧」という場合は、大気圧(atmospheric
pressure)のことを指す場合が多いです。
- 風速(wind
velocity)
風として空気が移動する速さのことです。
気象庁などで通常使われる単位はm/s(秒速)、国際的にはノット(kt)が用いられます。
- 全天日射量(global
solar radiation)
リンク先は「日射量」です。この中に「全天日射量」の項目があります。太陽からの放射エネルギー量を測定したものが「日射量」で、全天空からの日射量を測定したものが「全天日射量」です。直達日射量(水平面での値に換算したもの)と散乱日射量の和に等しいです。
- 降水量(rainfall)
大気から地表に落ちた水(氷を含む)の量。雨や雪を気象台の雨量計やアメダスなどで観測し計測します。通常、水に換算した体積を単位面積で除した値をmm(ミリ)単位で表します。
- 移植後日数
田植えをしてからの日数のことです。
- サンプリング(sampling)
リンク先は「標本調査」です。母集団から標本を抽出することです。母集団(ある解析対象生物種のすべての個体)をすべて調査対象とする全数調査は、予算的な面からも非現実的です。このため、現実的な数の菌株(strain)を抽出して、手元の情報のみから母集団の性質を統計学的に推定する方法が標本調査です。生命科学系のほぼすべての研究は、標本調査によって得られています。
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- リボソーム(ribosome)
あらゆる生物の細胞内に存在する構造であり、粗面小胞体 (rER)
に付着している膜結合リボソームと細胞質中に存在する遊離リボソームがあります。mRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する機構である翻訳が行われる場です。大小2つのサブユニットからなり、これらはタンパク質(リボソームタンパク、ribosomal
protein)とRNA(リボソームRNA、rRNA)の複合体です。
- ヒストン(histone)
真核生物のクロマチン(染色体)を構成する主要なタンパク質です。ヒストンは、長い
DNA分子を折りたたんで核内に収納する役割をもちます。ヒストンはDNAに結合するタンパク質の大部分を占め、ヒストンとDNAの重量比はほぼ1:1です。コアヒストンはH2A、H2B、H3、H4の4種類に分類されます。それぞれ2分子ずつ集まり、ヒストン8量体(ヒストンオクタマー)を形成します。1つのヒストン8量体は、約146
bpのDNAを左巻きに約1.65回巻き付け、ヌクレオソームを構築します。ヌクレオソームはクロマチン構造の最小単位です。
- field transcriptome
database(FiT-DB)
- 例題7.2
1ページ目が問題、2ページ目以降が解答例です。2023年5月31日に、6~7ページにかけて補足情報を追加しました。
7.3.2 フィールドでのマイクロバイオーム解析
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 相互作用(interaction)
この場合は、植物と微生物のかかわり的な意味です。
- 微生物(microorganismまたはmicrobe)
肉眼でその存在が判別できず、顕微鏡などによって観察できる程度以下の大きさの生物のことです。
- 細菌(bacteria)
おそらく正式には真正細菌(bacteriaまたはeubacteria)です。リンク先は「細菌」です。生物の主要な系統(ドメイン)の1つで、古細菌、真核生物とともに全生物界を三分します。古細菌と合わせて原核生物ともよばれます。細菌は、大腸菌、枯草菌、藍色細菌(シアノバクテリア)など様々な系統を含む生物群です。形状は球菌か桿菌、ラセン菌が一般的で、通常1~10
µmほどの微小な生物です。核を持たないという点で古細菌と似ていますが、古細菌と細菌の分岐は極めて古いです。
- 真菌(fungi)
リンク先は「菌類」です。真菌は「しんきん」と読みます。広義には細菌類、卵菌類、変形菌類および真菌類をまとめて指す用語であるが、狭義には真菌類のことを指します。真菌類は、キノコ・カビ、単細胞性の酵母、鞭毛を持った遊走子などの多様な形態を示す真核生物であり、菌界(学名:Regnum
Fungi)に分類される生物群である。大部分の菌類は、外部に分解酵素を分泌して有機物を消化し、細胞表面から摂取する従属栄養生物です。
- キノコ(mushroom)
特定の菌類のうちで、比較的大型の(しばしば突起した)子実体あるいは、担子器果そのものをいう俗称です。
- カビ(mold)
菌類の一部の姿を指す言葉である。あるいはそれに似た様子に見える、肉眼的に観察される微生物の集落(コロニー)の俗称です。
- 酵母(yeast)
広義には生活環の一定期間において栄養体が単細胞性を示す真菌類の総称です。リンク先は「酵母」ですが、実質的には「出芽酵母(budding
yeast)」を指します。budding
yeastは出芽によって増える酵母の総称であり、通常はSaccharomyces
cerevisiaeのことを指します。
- 根圏(rhizosphere)
「こんけん」と読みます。植物の根の分泌物と土壌微生物とによって影響されている土壌空間のことです。「植物の根から影響を受ける土壌領域」とも定義されているようです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 農業生態系
農業生態学の研究の基本単位です。農業活動の空間的および機能的に一貫した単位として任意に定義されることが多く、その単位に関係する生きている構成要素と生きていない構成要素およびそれらの相互作用が含まれます。
農業生態系は、従来の生態系のサブセットと見なすこともできます。
- マイクロバイオーム(microbiome)
リンク先は「微生物叢(びせいぶつそう)」です。生態系における生きた微生物の集合のことです。微生物叢は細菌をはじめとした多様な微生物によって構成されており、これら構成成分の組成構造は、微生物叢が定着する環境ごとに異なっています。
- NGS
次世代シーケンシング(next-generation
sequencing)技術のことです。何千万から何億といったオーダーのDNA分子の塩基配列を同時に決定する機器のことです。2022年現在は、主に第2世代シーケンサ(2nd-generation
sequencer)とよばれているシーケンシング技術に基づく機器のことを指します。2010~2015年頃はNGSとよくよばれていました。いわゆる第3世代シーケンサ(3rd
generation
sequencer)の技術や機器が出始めた頃に、第3世代との差別化という意味で、これまでNGSとよばれていた技術や機器が第2世代という位置づけになりました。ちなみに、1.5節や1.6節で述べているロングリードが得られるシーケンス技術や機器が第3世代です。
- メタゲノム解析(metagenomic
analysis)
リンク先は「メタゲノミクス」です。環境サンプルから直接回収されたゲノムDNAを扱う微生物学・ウイルス学の研究分野です。従来の微生物のゲノム解析では、単一の菌株を環境サンプルから分離培養する過程を経る必要がありました。メタゲノム解析は、この過程を経ることなく微生物コミュニティ(細菌叢)から直接ゲノムDNAを抽出し、様々な系統由来のDNAがミックスされた状態でDNAシーケンスを行います。そのおかげで、メタゲノム解析では従来の培養を基本とする方法では困難であった難培養・未培養系統に属する微生物のゲノム情報が入手可能という特徴をもちます。
- メタトランスクリプトーム解析(metatranscriptomic analysis)
この場合は、「農業生態系を構成する微生物全体のトランスクリプトーム解析」という理解でよいです。
「通常のトランスクリプトーム解析」を「1つの微生物内の転写物全体の解析」だと考えて、その発展形という捉え方をすればよいと思います。
- 化学肥料(chemical
fertilizer)
リンク先は「肥料」です。植物を生育させるための栄養分として人間が施すものです。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難です。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素とよばれます。
- 農薬(agricultural
chemical)
農業の効率化、あるいは農作物の保存に使用される薬剤の総称です。農薬は元々は土壌や種子の消毒と、発芽から結実までの虫害や病気の予防をするものを指していましたが、農作物の虫害や植物の成長調整など「農業の生産性を高めるために使用される薬剤」として広義に解釈されるようになっています。
- Toju et al.,
Microbiome, 2018
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 根(root)
葉や茎とともに、維管束植物
(広義のシダ植物と種子植物)の体を構成する器官の1つです。ふつう地中にあって植物体を基質に固定し、地上部を支えるとともに、水や無機養分を吸収する役割を担っています。
- メタゲノム解析(metagenomic
analysis)
リンク先は「メタゲノミクス」です。環境サンプルから直接回収されたゲノムDNAを扱う微生物学・ウイルス学の研究分野です。従来の微生物のゲノム解析では、単一の菌株を環境サンプルから分離培養する過程を経る必要がありました。メタゲノム解析は、この過程を経ることなく微生物コミュニティ(細菌叢)から直接ゲノムDNAを抽出し、様々な系統由来のDNAがミックスされた状態でDNAシーケンスを行います。そのおかげで、メタゲノム解析では従来の培養を基本とする方法では困難であった難培養・未培養系統に属する微生物のゲノム情報が入手可能という特徴をもちます。
- 真菌(fungi)
リンク先は「菌類」です。真菌は「しんきん」と読みます。広義には細菌類、卵菌類、変形菌類および真菌類をまとめて指す用語であるが、狭義には真菌類のことを指します。真菌類は、キノコ・カビ、単細胞性の酵母、鞭毛を持った遊走子などの多様な形態を示す真核生物であり、菌界(学名:Regnum
Fungi)に分類される生物群である。大部分の菌類は、外部に分解酵素を分泌して有機物を消化し、細胞表面から摂取する従属栄養生物です。
- 共生(symbiosis)
複数種の生物が相互関係を持ちながら同所的に生活することです。共生関係で有名なものとしては、「魚類であるクマノミと、刺胞動物であるイソギンチャク」や「アリとアブラムシ」などがあげられます。
- ネットワーク(network)
もの(遺伝子)どうしの制御関係(つながり)をつなげた系(システム)のことです。
- ケートチリウム目
上記キーワードで検索すると、デフォルトでは「ケトテリウム (Cetotherium)
」の結果がリストアップされるのでご注意ください。
ここでは、間違えないようにするために遺伝研のNIES
collection内のページに飛ばしています。
- ビョウタケ目(Helotiales)
リンク先は「ビョウタケ」です。ビョウタケ科、ビョウタケ属に属する菌類です。腐生菌です。日本語名のビョウタケの名は、この菌の姿が鋲に似ていることからついたものです。
- 内生菌(Endophytes)
内部共生体(他の生物の体内もしくは細胞内で生息する生物のこと)の一種で、少なくとも植物の生活環の一時期に宿主の体内で生息し、かつ病原性がないことが明らかなものです。多くの場合、細菌か真菌であり、エンドファイトともいいます。
- 微生物(microorganismまたはmicrobe)
肉眼でその存在が判別できず、顕微鏡などによって観察できる程度以下の大きさの生物のことです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- Narisawa et al.,
Mycoscience, 2007
- 稲(rice)
イネ科イネ属の植物です。学名はOryza sativaです。
- 麦(barleyまたはwheat)
リンク先は「ムギ」です。コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバクなどの、外見の類似したイネ科穀物の総称です。英語には、多くの種類を総称した日本語の「ムギ」に相当する表現はなく、種類によってbarley(大麦)、wheat(小麦)などと使い分けられています。
- 肥料(fertilizer)
植物を生育させるための栄養分として人間が施すものです。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難です。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素とよばれます。
- 畑
麦や陸稲などの穀物、または野菜、豆、芋、果樹などを栽培するために耕され、区画された農地のことです。畑に作物を作ることを畑作という。畑は水を張らない耕作地ともいえ、水の無い田と言うことで陸田とよぶこともあります。還元型である水田とは異なり、畑地は酸化型の土壌である。そのため窒素成分が酸化され硝酸態窒素となる。土壌はマイナスに荷電しているので硝酸態窒素を吸着することができず、雨水で流出しやすくなります。
- 施肥(せひ)
作物などの植物の生育を促すため、肥料を与えることです。主な目的は、土壌中で不足した養分供給を補うことです。
- 水田
リンク先は「田」です。「田(た)」は、穀物を栽培するための農地のことです。水田は、水を張った田のことです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
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- 窒素(nitrogen)
原子番号7の元素である。元素記号はN。原子量は14.007です。地球の大気中に安定した気体として存在するほか、生物に欠かせないアミノ酸、アンモニアなど様々な化合物を構成します。ハーバー・ボッシュ法によりアンモニアの量産が可能になって以降、人間により工業的に産生された窒素肥料や窒素酸化物が大量に投入・排出され、自然環境にも大きな影響を与えています。
- 地力窒素(geonitrogen)
施肥によって土壌が得る肥料中の窒素ではなく、もともと土壌中に存在する窒素のことです。
- 水稲(すいとう)
水田で栽培する稲のことです。
- Okumura T., Plant Prod
Sci., 2002
- Zhou et al.,
Field Crops Res., 2011
- 土壌微生物(soil
microbes)
土壌中に生息する微生物の総称です。
- 窒素固定(nitrogen
fixation)
空気中に多量に存在する安定な(不活性)窒素分子を、反応性の高い他の窒素化合物(アンモニア、硝酸塩、二酸化窒素など)に変換するプロセスです。自然界での窒素固定は、いくつかの真正細菌(細菌、放線菌、藍藻、ある種の嫌気性細菌など)と一部の古細菌(メタン菌など)によって行われます。
- 久馬一剛,
農業土木学会誌, 1994
- アンモニア態窒素(ammonia
nitrogen)
「アンモニアたいちっそ」と読みます。窒素成分のうちアンモニウム塩であるもののことです。肥料成分や水処理などで用いられる用語で、環境汚染の指標としても用いられます。
- 窒素固定微生物(diazotroph)
リンク先は「窒素固定菌」です。空気中の窒素を固定する一部の細菌や古細菌のことです。ジアゾ栄養生物(diazotroph)ともいいます。
- 細菌(bacteria)
おそらく正式には真正細菌(bacteriaまたはeubacteria)です。リンク先は「細菌」です。生物の主要な系統(ドメイン)の1つで、古細菌、真核生物とともに全生物界を三分します。古細菌と合わせて原核生物ともよばれます。細菌は、大腸菌、枯草菌、藍色細菌(シアノバクテリア)など様々な系統を含む生物群です。形状は球菌か桿菌、ラセン菌が一般的で、通常1~10
µmほどの微小な生物です。核を持たないという点で古細菌と似ていますが、古細菌と細菌の分岐は極めて古いです。
- 水田
リンク先は「田」です。「田(た)」は、穀物を栽培するための農地のことです。水田は、水を張った田のことです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 窒素循環(nitrogen
cycle)
窒素とこれを含む構成要素の間の変換について記述するもので、生物地球化学的循環の一部をなします。気体の要素も含んだ循環です。窒素はタンパク質を構成する要素であり、さらに言えばタンパク質を構成するアミノ酸の要素です。さらにはDNAやRNAのような核酸にも含まれています。つまり窒素は生物にとって不可欠の存在であり、比較的多量に存在することが生物群集の成立には必要とされます。
- マイクロバイオーム(microbiome)
リンク先は「微生物叢(びせいぶつそう)」です。生態系における生きた微生物の集合のことです。微生物叢は細菌をはじめとした多様な微生物によって構成されており、これら構成成分の組成構造は、微生物叢が定着する環境ごとに異なっています。
- メタトランスクリプトーム解析(metatranscriptomic analysis)
この場合は、「農業生態系を構成する微生物全体のトランスクリプトーム解析」という理解でよいです。
「通常のトランスクリプトーム解析」を「1つの微生物内の転写物全体の解析」だと考えて、その発展形という捉え方をすればよいと思います。
- 窒素固定遺伝子(nitrogen fixation gene; nif)
窒素をアンモニアに還元する遺伝子のことです。nifのように斜体(イタリック)になっているのは、確か遺伝子シンボル(gene
symbol)を斜体で書くという慣習があるからです。
- Masuda et al.,
Microbes Environ., 2017
- Masuda et
al., Soil Sci Plant Nutrition, 2018
- シアノバクテリア(cyanobacteria)
リンク先は「藍藻(らんそう)」です。シアノバクテリアに対応する日本語が藍色細菌であることや、シアン(cyan)が藍色に近い色であることからも納得できると思います。
- 光合成細菌(photosynthetic
bacteria)
光合成を行う細菌の総称です。光合成生物のうち、真核生物を除いたものに相当します。
- アクチノバクテリア(Actinobacteria)
リンク先は「放線菌」です。アクチノバクテリアに対応する日本語は放線細菌です。一般に、グラム陽性の細菌のうち、細胞が菌糸を形成して細長く増殖する形態的特徴を示すものを指す慣用名です。元来、菌糸が放射状に伸びるためこの名がありますが、現在の放線菌の分類は16S
rRNA遺伝子の塩基配列による分子系統学に基づいているため、系統的に類縁な桿菌や球菌の菌群も放線菌に含められることがありあmす。このため、もはやこの菌群を菌糸形成という形態で特徴づけることは困難です。特に冬など寒い季節や落葉の下の寒い場所を好み、竹林など多くの場所に生息しています。
- プロテオバクテリア(proteobacteria)
「デルタプロテオバクテリア綱」の上位分類が「プロテオバクテリア門」です。光栄養、化学栄養、独立栄養、従属栄養、好気呼吸、嫌気呼吸、発酵など様々な代謝様式をもつ菌種が含まれ、炭素・窒素固定に関わるものや自然界の物質循環に関わる多くの自由生活性のものが含まれています。また、大腸菌、サルモネラ、ビブリオ、ヘリコバクターなど多種多様な病原体が含まれています。
- 鉄還元菌(iron-reducing bacteria)
嫌気性菌を代表する菌の一種で、その名の通り鉄を還元する菌です(井上謙吾,
生物工学会誌, 2012)。
- アナエロミュクソバクター(anaeromyxobacter)
リンク先は「アナエロミュクソバクテル・デハロゲナンス」です。粘液細菌の一種ですが、子実体形成能力や溶菌性を持たず、通性嫌気性であり、ハロゲン化合物を還元するなど、典型的な粘液細菌とは異なる特異な性質をもちます。
- ジオバクター属(geobacter)
リンク先は「ゲオバクター属」です。鞭毛を持つグラム陰性嫌気性桿菌。ゲオバクター科に属し、その基準属です。土壌に生息し、鉄(III)イオンを還元することで酢酸を酸化して二酸化炭素とすることでエネルギーを得る鉄還元菌の一種です。
- マイクロバイオーム解析(microbiome
analysis)
リンク先は「メタゲノミクス」です。環境サンプルから直接回収されたゲノムDNAを扱う微生物学・ウイルス学の研究分野です。従来の微生物のゲノム解析では、単一の菌株を環境サンプルから分離培養する過程を経る必要がありました。メタゲノム解析は、この過程を経ることなく微生物コミュニティ(細菌叢)から直接ゲノムDNAを抽出し、様々な系統由来のDNAがミックスされた状態でDNAシーケンスを行います。そのおかげで、メタゲノム解析では従来の培養を基本とする方法では困難であった難培養・未培養系統に属する微生物のゲノム情報が入手可能という特徴をもちます。
- 底泥(bottom mud)
この場合は、川底にある有機性の堆積物のことです。要はヘドロです。「ていでい」と読むのが正解なようですが、パッと聞いても漢字変換しづらいので、「そこどろ」と読み上げてあげるほうがよいかと思います。
- 土壌圏(pedosphere)
地球の土壌から成る部分のことです。大気圏とか生物圏の圏(けん)と同じような意味合いで、それらの圏と土壌の相互作用を意識した用語が土壌圏という捉え方でよいと思います。
- 増田ら, 土と微生物,
2020
- 施肥(せひ)
作物などの植物の生育を促すため、肥料を与えることです。主な目的は、土壌中で不足した養分供給を補うことです。
7.3.3 フィールドでのメタボローム解析
- メタボローム解析(metabolomic
analysis)
細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析することです。メタボロームは、ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)を
表します。メタボロームは、ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したものです。これを解析するのがメタボローム解析(またはメタボロミクス)です。従って、メタボロミクス(metabolomics)も同じ意味です。
- 代謝物(metabolite)
リンク先は「代謝物質」です。代謝の過程の中間生産物および最終生成物のことです。代謝物質、代謝産物、代謝生成物ともいいます。通常は小分子に限られるようです。生体内で生合成される低分子化合物という理解でもよいです。
- 低分子化合物(small molecule compound)
分子量の小さい化合物のことです。分子量が1万以下のものを指すことが多いようです。
- 一次代謝物(primary
metabolite)
リンク先は「一次代謝産物」です。生物が自らの生存・成長のために合成する、また、必要なエネルギーを得るために分解するような物質です。一次代謝産物を産生する反応を一次代謝といい、異化・同化(炭酸同化・硝酸同化または窒素同化)も一次代謝です。二次代謝が生物種特異的な反応なのに対し、一次代謝の過程は生物種を超えて保存されています。たとえば、解糖系はヒトから大腸菌まで基本的に共通しています。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 菌類(fungi)
広義には細菌類、卵菌類、変形菌類および真菌類をまとめて指す用語です。狭義には真菌類を指します。
- 色素(pigment)
可視光の吸収あるいは放出により物体に色を与える物質の総称です。
- 二次代謝物(secondary
metabolite)
リンク先は「二次代謝産物」です。生物の細胞成長、発生、生殖には直接的には関与していない有機化合物です。一次代謝産物とは異なり、二次代謝産物の欠如は、即時の死に至らないが、生物の生存や繁殖力、美しさにおいて長期間の障害を与えるか、あるいは顕著な変化は全くないこともあります。
- 低分子有機化合物(organic
compound)
リンク先は「有機化合物」です。炭素を含む化合物(これが有機化合物)のうち、分子量の小さい(分子量が1万以下のものを指すことが多い)有機化合物のことです。
- 質量分析(mass
spectrometry; MS)
リンク先は「質量分析法」です。分子をイオン化し、そのm/zを測定することによってイオンや分子の質量を測定する分析法です。質量分析においては、試料はイオン化され、電界または磁界中で分離されます。このとき、イオンが受ける力は質量mと電荷zの比、m/zに比例します。したがって、マススペクトルの横軸は質量でなく、m/zの値になります。もう少し具体的に述べると、高電圧をかけた真空中で試料をイオン化すると、静電力によって試料は装置内を飛行します。飛行しているイオンを電気的・磁気的な作用等により質量電荷比に応じて分離し、その後それぞれを検出することで、m/zを横軸、検出強度を縦軸とするマススペクトルを得ることができるのです。
- 核磁気共鳴(nuclear
magnetic resonance; NMR)
外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象です。核磁気共鳴は発見当初は原子核の内部構造を研究するための実験的手段と考えられていました。その後、原子核のラーモア周波数がその原子の化学結合状態などによってわずかながらも変化すること(化学シフト)が発見され、核磁気共鳴を物質の分析、同定の手段として用いることが考案されました。このように核磁気共鳴によるスペクトルを得る分光法を核磁気共鳴分光法と呼び、これも単にNMRと略称することが多いです。本文中で述べているNMRは、この分光法のことも指します。
- クロマトグラフ(chromatograph)
リンク先は「クロマトグラフィー」です。クロマトグラフは「様々な物質から構成される混合物を成分ごとに分離させる装置」、クロマトグラフィーは「様々な物質から構成される混合物を成分ごとに分離させる分析手法」という理解でよいです。
- MS
リンク先は「質量分析法」です。質量分析(mass
spectrometry)のことです。分子をイオン化し、そのm/zを測定することによってイオンや分子の質量を測定する分析法です。質量分析においては、試料はイオン化され、電界または磁界中で分離されます。このとき、イオンが受ける力は質量mと電荷zの比、m/zに比例します。したがって、マススペクトルの横軸は質量でなく、m/zの値になります。もう少し具体的に述べると、高電圧をかけた真空中で試料をイオン化すると、静電力によって試料は装置内を飛行します。飛行しているイオンを電気的・磁気的な作用等により質量電荷比に応じて分離し、その後それぞれを検出することで、m/zを横軸、検出強度を縦軸とするマススペクトルを得ることができるのです。
- 物性(physical
characteristics)
物質の示す物理的性質のことです。
- 分子量(molecular
weight)
物質1分子の質量の統一原子質量単位(静止して基底状態にある自由な炭素12(12C)原子の質量の1/12)に対する比であり、分子中に含まれる原子量の総和に等しいです。
- クロマトグラム(chromatogram)
リンク先は「クロマトグラフィー」です。この中に「クロマトグラム」という項目があります。クロマトグラフィーを適用した結果は各成分ピークの移動速度として現れますが、それを特定時間における移動距離としてあらわしたり、カラム末端から時系列に現れる様をチャートに表したものです。
- マススペクトル(mass
spectrum)
質量分析の結果得られる、横軸に質量(正しくはm/z値)、縦軸に検出強度をとったスペクトルです。試料分子の構造に関係する情報が多く含まれるため、既知物質の同定や新規物質の構造決定に用いられます。
- 感度(sensitivity)
この場合は、抽出された代謝物を代謝物だとしてだと正しく検出できる割合のようなイメージでよいです。
- メタボローム解析(metabolomic
analysis)
細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析することです。メタボロームは、ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)を
表します。メタボロームは、ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したものです。これを解析するのがメタボローム解析(またはメタボロミクス)です。従って、メタボロミクス(metabolomics)も同じ意味です。
- ターゲット分析(targeted
metabolomics):対象を同定可能な既知成分に限定する分析法
- ノンターゲット分析(untargeted
metabolomics):対象を同定可能な既知成分に限定しない分析法
page217
- 化学構造(chemical
structure)
物質の化学的性質を分子などの内部構造と関連させた概念であり、その表記方法は化学式として表されます。
- 標品
市販または合成によって得られる化学構造が既知の成分(試料)のことです。標準試料、標準サンプルなどともいいます。
- 定性(qualitative)
リンク先は「定性分析」です。ある試料にどんな成分が含まれているかを調べることです。対義語は定量です。
- 定量(quantitative)
対象について量的に調査・決定することです。試料中にある成分量を決定することという理解でもよいです。試料中の成分が未知である場合は、定量分析に先立って定性分析を実施します。対義語は定性です。
- PCA
主成分分析(principal component
analysis)のことです。相関のある多数の変数から相関のない少数で全体のばらつきを最もよく表す主成分とよばれる変数を合成する多変量解析の一種です。多数の変数の中から、入力データ行列の特徴を最もよく表す少数の変数を見つける分析法の1つです。
- PLS回帰(partial
least squares regression)
リンク先は「部分的最小二乗回帰」です。「Projection to Latent
Structures(潜在構造への射影)」の頭文字ともいわれます。主成分回帰(principal
component regression;
PCR)といくらかの関係を持つ統計的手法の1つです。PLS回帰は、目的変数と説明変数との間の最大分散の超平面を探す代わりに、予測変数と観測可能な変数を新たな空間に射影することによって線形回帰モデルを探ります。PLSは、2つの行列(XおよびY)間の基本的関係を探すために用いられます。
- 多変量解析(multivariate
analysis)
統計学において、複数の説明変数(独立変数)からなる多変量データを統計的に扱う手法のことです。主成分分析(PCA)、因子分析、クラスター分析などがあります。
- バイオマーカー(biomarker)
ある疾病の存在や進行度をその濃度に反映し、血液中に測定されるタンパク質等の物質を指す用語です。さらに一般的にはバイオマーカーは特定の病状や生命体の状態の指標です。「通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」とも定義されているようです。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- 遺伝子組み換え作物(genetically
modified organism; GMO)
遺伝子組換え技術を用いて遺伝的性質の改変が行われた作物のことです。「商業的に栽培されている植物(作物)に遺伝子操作を行い、新たな遺伝子を導入し発現させたり、内在性の遺伝子の発現を促進・抑制したりすることにより、新たな形質が付与された作物」です。
- 有機農産物(Organic agricultural products)
この場合は、「農薬と化学肥料を使用しない田畑で栽培したもの」という理解でよいです。
- Ricroch et al.,
Plant Physiol., 2011
- García-Villalba
et al., J Chromatogr A, 2008
- 官能評価(sensory
evaluation)
リンク先は「官能検査」です。人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて製品の品質を評価することです。
- Pongsuwan et
al., J Agric Food Chem., 2008
- Mimura et al., J
Biosci Bioeng., 2014
- フィールド(field)
農地のことです。
- メタボローム解析(metabolomic
analysis)
細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析することです。メタボロームは、ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)を
表します。メタボロームは、ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したものです。これを解析するのがメタボローム解析(またはメタボロミクス)です。従って、メタボロミクス(metabolomics)も同じ意味です。
- Sakurai et al.,
Front Genet., 2020
この論文ではオカラミンA, B, Cの3種類を同定しているようです。
- 根圏(rhizosphere)
「こんけん」と読みます。植物の根の分泌物と土壌微生物とによって影響されている土壌空間のことです。「植物の根から影響を受ける土壌領域」とも定義されているようです。
- 代謝物(metabolite)
リンク先は「代謝物質」です。代謝の過程の中間生産物および最終生成物のことです。代謝物質、代謝産物、代謝生成物ともいいます。通常は小分子に限られるようです。生体内で生合成される低分子化合物という理解でもよいです。
- LC-MS
液体クロマトグラフ(LC)と質量分析(MS)を連結させたもののことです。
- マメ科(fabaceae)
被子植物に含まれる分類群の1つで、いわゆるマメの仲間を含みます。バラ科などと並び、非常に大きなグループであり、現代の地球で繁栄していると考えられている一群です。
- ヘアリーベッチ(hairy
vetch)
リンク先は「ナヨクサフジ」です。ヨーロッパや西アジアに自生する植物である。飼料作物として栽培されるマメ科植物です。茎の長さが
1.5~2mに達するつる性の一年生植物で、開花は5~8月です。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- ペニシリウム属(Penicillium)
リンク先は「アオカビ」です。アオカビ(Penicillium)は、アオカビ属(ペニシリウム属)に属するカビの総称だそうです。
- カビ
菌類の一部の姿を指す言葉です。あるいはそれに似た様子に見える、肉眼的に観察される微生物の集落(コロニー)の俗称です。
- オカラ
リンク先は「おから」です。大豆から豆腐を製造する過程で豆乳を絞った際に残るかすです。食物繊維を多く含み、火を通して食べることが多いです。大豆から豆乳を搾った後の残りであるところから、値段はごく安価で庶民的な食品である。場合によっては豆腐屋が無料で分け与えたり、捨てたりすることが、古く江戸時代からあったようです。
- オカラミン(okaramine)
殺虫活性物質です。統合TVでも解説されています。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 微生物(microorganismまたはmicrobe)
肉眼でその存在が判別できず、顕微鏡などによって観察できる程度以下の大きさの生物のことです。
- 化学物質(chemical
substance)
原子、分子および分子の集合体や高分子重合体のような、独立かつ純粋な物質のことです。混合物や不純物が多いものは除外されます。特に化学が研究対象とするような物質のことです。元素または化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物です。天然物の対義語に相当する、人工的、あるいは工業的に合成した物質のことです。
- 生物(organism)
生命現象を示す自然物のことです。動物・菌類・植物・原生生物・古細菌・細菌などの総称です。多くの場合ウイルスを含めませんが、立場によっては含めることもあります。
- アレロパシー(allelopathy)
ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果の総称です。他感作用ともよばれるようです。
- 後作(あとさく)
作物を収穫した後の田畑に他の作物を栽培することです。二期作や二毛作の2回目に相当するものです。
- 大豆(soy
beans)
リンク先は「ダイズ」です。マメ科の一年草です。完熟種子は主に搾油の原料となり、脱脂後の絞り粕(大豆粕)は飼料として利用されている。食用にもなり特に東アジアでは様々な利用形態が発達している。未成熟の種子を枝豆とよばれます。
- Tomita et al.,
Magn Reson Chem., 2017
- NMR
核磁気共鳴(nuclear magnetic
resonance)のことです。外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象です。核磁気共鳴は発見当初は原子核の内部構造を研究するための実験的手段と考えられていました。その後、原子核のラーモア周波数がその原子の化学結合状態などによってわずかながらも変化すること(化学シフト)が発見され、核磁気共鳴を物質の分析、同定の手段として用いることが考案されました。このように核磁気共鳴によるスペクトルを得る分光法を核磁気共鳴分光法と呼び、これも単にNMRと略称することが多いです。本文中で述べているNMRは、この分光法のことも指します。
- ジャガイモ疫病菌(Phytophthora
infestans)
リンク先は「エキビョウキン」です。この中でジャガイモ疫病菌についても触れられています。疫病菌自体は、「原生生物界のストラメノパイル類卵菌綱フハイカビ目フハイカビ科、またはクロミスタ界卵菌門卵菌綱フハイカビ目フハイカビ科に分類される生物」です。多くの種は生きた植物に寄生する植物病原菌であり、1845年から1846年にアイルランドを中心にジャガイモ飢饉を引き起こしたジャガイモ疫病菌Phytophthora
infestans (Montagne) de Baryが最も有名です。
- ジャガイモ(potato)
ナス科ナス属の多年草の植物。南アメリカのアンデス山脈原産。世界中で栽培され、デンプンが多く蓄えられる地下茎が芋の一種として食用されます。芋から発芽した芽や皮などには、ソラニンという有害物質が含まれています。
- メタボローム(metabolome)
ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)のことです。「ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したもの」という理解でもよいです。
- PCA
主成分分析(principal component
analysis)のことです。相関のある多数の変数から相関のない少数で全体のばらつきを最もよく表す主成分とよばれる変数を合成する多変量解析の一種です。多数の変数の中から、入力データ行列の特徴を最もよく表す少数の変数を見つける分析法の1つです。
- リンゴ酸(malic
acid)
ヒドロキシ酸に分類される有機化合物の一種であり、オキシコハク酸ともよばれます。リンゴ酸の和名はリンゴから見つかったことに由来します。
- メタノール(methanol)
有機溶媒などとして用いられるアルコールの一種です。別名として、メチルアルコール(methyl
alcohol)、木精(wood
spirit)、カルビノール(carbinol)、メチールともよばれます。一連のアルコールの中で、最も単純な分子構造をもちます。ホルマリンの原料、アルコールランプなどの燃料として広く使われます。燃料電池の水素の供給源としても注目されています。
- ルチン(rutin)
薬草などとして用いられていたミカン科のヘンルーダから発見された柑橘フラボノイド配糖体の一種です。化合物名は、単離されたヘンルーダの学名Ruta
graveolensに由来します。タデ科のダッタンソバ、ソバの実に含まれており、ダッタンソバにはソバの100倍のルチンが含まれています。ダイオウ属植物の葉および葉柄、アスパラガスなどに含まれています。分子式は
C27H30O16です。
- スクロース(sucrose)
ショ糖ともよばれます。糖の1種であり、砂糖の主成分です。テンサイやサトウキビなどから得られます。
- 関山ら,
化学と生物, 2017
- 病徴(symptom)
「びょうちょう」と読みます。肉眼で見られる病気の特徴、のような理解でよいです。
- 塊茎(tuber)
リンク先は「芋(いも)」です。塊茎は「かいけい」と読みます。植物の根や地下茎といった地下部が肥大化して養分を蓄えた器官だそうです。
- そうか病(scab)
子嚢菌や細菌などの感染によって起こる複数種の植物病害の便宜的な総称です。瘡痂病とも書きます。瘡は「かさ・きず」、痂は「かさぶた」と訓み、瘡痂もかさぶたの意で、いずれの病気も罹病部にかさぶた状の病斑を生じることに由来します。柑橘類やジャガイモ等の重要な病害名として知られるが、柑橘類のそうか病は子嚢菌(菌類)、ジャガイモそうか病は放線菌(細菌)、同じくジャガイモの粉状そうか病はネコブカビ類(原生生物)によるもので、それぞれに病原が異なる全く別の病害です。
- PLS回帰(partial
least squares regression)
リンク先は「部分的最小二乗回帰」です。「Projection to Latent
Structures(潜在構造への射影)」の頭文字ともいわれます。主成分回帰(principal
component regression;
PCR)といくらかの関係を持つ統計的手法の1つです。PLS回帰は、目的変数と説明変数との間の最大分散の超平面を探す代わりに、予測変数と観測可能な変数を新たな空間に射影することによって線形回帰モデルを探ります。PLSは、2つの行列(XおよびY)間の基本的関係を探すために用いられます。
- ギ酸(formic
acid)
分子量が最小のカルボン酸です。IUPAC命名法ではメタン酸(methanoic
acid)が系統名です。カルボキシ基(-COOH)以外にホルミル基(-CHO)も持つため、性質上、還元性を示します。
- クエン酸(citric
acid)
柑橘類などに含まれる有機化合物で、ヒドロキシ酸の1つです。爽やかな酸味を持つことから食品添加物として多用されます。
- フィールド(field)
農地のことです。
- メタボローム解析(metabolomic
analysis)
細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析することです。メタボロームは、ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)を
表します。メタボロームは、ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したものです。これを解析するのがメタボローム解析(またはメタボロミクス)です。従って、メタボロミクス(metabolomics)も同じ意味です。
7.3.4 マルチオミクス
- 生物(organism)
生命現象を示す自然物のことです。動物・菌類・植物・原生生物・古細菌・細菌などの総称です。多くの場合ウイルスを含めませんが、立場によっては含めることもあります。
- ゲノム(genome)
ある生物がもつ全遺伝情報(具体的には全塩基配列情報)のことです。
- トランスクリプトーム(transcriptome)
特定の状況下において細胞中に存在するすべてのRNA(または一次転写産物;
transcript)の総体のことです。ここでは、NGS機器を用いてすべてのRNA(実際にはmRNAのみだったりするので網羅的ではありません)の配列を決定することという意味で、RNAシーケンシング(RNA
sequencing)の略称であるRNA-seqが用いられることが多いです。
- メタボローム(metabolome)
ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)のことです。「ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したもの」という理解でもよいです。
- オミクス(omics)
リンク先は「オーミクス」です。「研究対象+omics」という名称を持つ生物学の研究分野の非公式な総称です。生命の様々な層(クラスター)に存在する大量の生物学的情報の相互作用や機能を解析する科学・工学分野です。
- ネットワーク(network)
もの(遺伝子)どうしの制御関係(つながり)をつなげた系(システム)のことです。
- システム(system)
相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体を指す言葉です。一般性の高い概念なので、文脈に応じて系、体系、制度、方式、機構、組織といった多種の言葉に該当します。
page218
- 図7.6
トランスオミクス(左)とマルチオミクス(右)の概念図です。
- トランスオミクス(transomics)
複数のオミクス技術のデータを統合的に解析する学問、という理解でよいです。
- 図7.6
トランスオミクス(左)とマルチオミクス(右)の概念図です。
- 因子(factor)
ある物事の原因を分類した各要素のことです。
- フィードバック機構(feedback
mechanism)
リンク先は「ネガティブフィードバック機構」です。生体恒常性を保つために働く調節機構の動作原理のことです。
- マルチオミクス(multiomics)
トランスオミクスを含むより広い概念であり、(たとえばトランスクリプトームの階層とメタボロームの階層を繋ぐことにこだわらずに)
単に複数のオミクス情報を利用して解析する学問、という理解でよいです。
- 因果関係(causal
relationship)
リンク先は「因果性」です。2つの出来事が原因と結果という関係で結びついていること、あるいは結びついているかどうかという関係性のことです。
- 相関分析(correlation analysis)
比較したいデータ間の関係性を数値化して分析することです。
- 正準相関分析(canonical correlation analysis; CCA)
複数の目的変数に対して,複数の説明変数が影響することを調べる分析手法です。
- PCA
主成分分析(principal component
analysis)のことです。相関のある多数の変数から相関のない少数で全体のばらつきを最もよく表す主成分とよばれる変数を合成する多変量解析の一種です。多数の変数の中から、入力データ行列の特徴を最もよく表す少数の変数を見つける分析法の1つです。
- PLS回帰(partial
least squares regression)
リンク先は「部分的最小二乗回帰」です。「Projection to Latent
Structures(潜在構造への射影)」の頭文字ともいわれます。主成分回帰(principal
component regression;
PCR)といくらかの関係を持つ統計的手法の1つです。PLS回帰は、目的変数と説明変数との間の最大分散の超平面を探す代わりに、予測変数と観測可能な変数を新たな空間に射影することによって線形回帰モデルを探ります。PLSは、2つの行列(XおよびY)間の基本的関係を探すために用いられます。
- 多変量解析(multivariate
analysis)
統計学において、複数の説明変数(独立変数)からなる多変量データを統計的に扱う手法のことです。主成分分析(PCA)、因子分析、クラスター分析などがあります。
- 特徴量(feature)
データを変形して得られ、その特徴を表現し、続く処理に利用される数値です。
- ネットワーク解析(network analysis)
遺伝子発現制御やタンパク質間相互作用の関係性などを、たとえば遺伝子またはタンパク質を頂点(node)、そして制御関係または相互作用するものどうしに辺(edge)で結んで示したものをグラフ(またはネットワーク)で表現して解析することを指します。
- 統計モデル(statistical
model)
サンプルデータの生成に関する一連の統計的仮定を具体化した数理モデルのことです。
- フィールド(field)
農地のことです。
- マルチオミクス(multiomics)
トランスオミクスを含むより広い概念であり、(たとえばトランスクリプトームの階層とメタボロームの階層を繋ぐことにこだわらずに)
単に複数のオミクス情報を利用して解析する学問、という理解でよいです。
- Ichihashi et
al., Proc Natl Acad Sci USA., 2020
- 篤農家(とくのうか)
リンク先は「Category:日本の篤農家」です。「実践的な農業技術・農業経営を研究し、各地での農業指導により先進的農法の普及に貢献した農業経営者・農民」のことだそうです。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- 有機農法(organic
farming)
リンク先は「有機農業」です。、農業形態の一つで、有機農法、有機栽培、オーガニック農法などともよばれます。「化学的に合成された肥料および農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農法」とも定義されているようです。
- 太陽熱処理
太陽熱を利用して雑草防除・病原菌死滅・害虫駆除を行う土壌の処理方法です。
- 農業生態系
農業生態学の研究の基本単位です。農業活動の空間的および機能的に一貫した単位として任意に定義されることが多く、その単位に関係する生きている構成要素と生きていない構成要素およびそれらの相互作用が含まれます。
農業生態系は、従来の生態系のサブセットと見なすこともできます。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 微生物(microorganismまたはmicrobe)
肉眼でその存在が判別できず、顕微鏡などによって観察できる程度以下の大きさの生物のことです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- オミクス(omics)
リンク先は「オーミクス」です。「研究対象+omics」という名称を持つ生物学の研究分野の非公式な総称です。生命の様々な層(クラスター)に存在する大量の生物学的情報の相互作用や機能を解析する科学・工学分野です。
- フェノーム(phenome)
リンク先は「表現型(phenotype)」です。この中に「フェノームとフェノミクス」という項目が存在します。フェノームとは、生物が示す観察可能な特徴の集合体のことです。
- メタボローム(metabolome)
ある生物の持つすべての代謝産物(メタボライト)のことです。「ある1つの組織に含まれる、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などを含む生体中のすべての小分子を集めてカタログ化したもの」という理解でもよいです。
- マイクロバイオーム(microbiome)
リンク先は「微生物叢(びせいぶつそう)」です。生態系における生きた微生物の集合のことです。微生物叢は細菌をはじめとした多様な微生物によって構成されており、これら構成成分の組成構造は、微生物叢が定着する環境ごとに異なっています。
- 相関(correlation)
2つ以上の事物の、一方が変われば他方もそれに連れて変わるとか、あるものの影響を受けてかかわり合っているとかいうように互いに関係を持つこと、またはそういう関係のことを指します。
- ネットワーク解析(network analysis)
遺伝子発現制御やタンパク質間相互作用の関係性などを、たとえば遺伝子またはタンパク質を頂点(node)、そして制御関係または相互作用するものどうしに辺(edge)で結んで示したものをグラフ(またはネットワーク)で表現して解析することを指します。
- アミノ酸(amino
acid)
広義には、アミノ基とカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称です。狭義には、生体のタンパク質の構成ユニットとなる「α-アミノ酸」のことを指します。α-アミノ酸は、カルボキシ基が結合している炭素(α炭素)にアミノ基も結合しているアミノ酸であり、RCH(NH2)COOH
という構造をもちます。このうちRに相当する部分は側鎖とよばれます。
- 有機態窒素(organic
nitrogen)
有機成分に含まれる窒素のことです。
- パエニバシラス科(Paenibacillaceae)
フィルミクテス門バシラス目に属するグラム陽性の真正細菌の科です。パエニバシラス属などがこの科に属しています。
- サーマス科(Thermaceae)
リンク先は「サーマス属」です。サーマス科はサーマス属の1つ上の階層です。「階級
(生物学)」にも書かれていますが、
「界・門・綱・目・科・属・種」という分類階級を思い出しましょう。
- 根圏細菌(rhizobacteria)
根圏に生息し、多くの植物と共生関係を結ぶ細菌です。根圏細菌は生物肥料に用いられており、生物肥料に使用されている微生物の中では重要な位置を占めます。根圏細菌は、しばしば植物成長促進根圏細菌(Plant
Growth-Promoting Rhizobacteria; PGPRs)を指すようです。
- アラニン(alanine)
α-アミノ酸の1種で、側鎖にメチル基(–CH3)をもちます。3文字表記はAlaで、1文字表記はAです。
- コリン(choline)
リンク先は「コリン
(栄養素)」です。循環器系と脳の機能、および細胞膜の構成と補修に不可欠な水溶性の栄養素です。認知症発症のリスク低下の効果があるといわれています。コリンおよびその代謝物質は、生理学上の3つの重要な役割を演じます。(1)
細胞膜の構造の保全と細胞シグナリングの役割、(2)
アセチルコリンへ合成されることによる神経伝達物質としての役割、そして(3)
S-アデノシルメチオニンを合成する代謝経路に関与する代謝物質トリメチルグリシン(ベタイン)を通じたメチル基の主な原料としての役割です。
- 生理活性物質(bioactive
substance)
リンク先は「生理活性」です。生理活性とは、生体内化学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことです。生理活性物質とは、生理活性を持つ化学物質のことです。
- 作用機序(mechanism
of action)
(生理活性物質の場合は)生理活性物質がその効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用のことです。
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- フィールド(field)
農地のことです。
- オミクス(omics)
リンク先は「オーミクス」です。「研究対象+omics」という名称を持つ生物学の研究分野の非公式な総称です。生命の様々な層(クラスター)に存在する大量の生物学的情報の相互作用や機能を解析する科学・工学分野です。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
7.4 フィールドのモニタリング
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- 栽培(cultivation)
野菜や樹木などの植物、キノコ、藻類などを植えて育てることです。
- 施肥(せひ)
作物などの植物の生育を促すため、肥料を与えることです。主な目的は、土壌中で不足した養分供給を補うことです。
- 品種(form)
生物の種以下の生物集団の単位です。国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN)によって定められた、種より下位の分類階級の1つ、およびその階級に属するタクソンです。
専ら植物学のみで使われます。自然(野生)状態で、形態などにおいてははっきりと区別できるものの、同じ地域の同種個体群とは生殖的に隔離されていない個体群を指します。別の意味としては、栽培品種(cultivar)の略称としての品種もあります。この場合は、「人にとって有用な植物に価値を付けて利用する際に用いる分類体系で、他のものと識別できる特性を安定して有し、かつ、その特性を保持したまま増殖可能な植物の集合」のことです。
- 植物(plant)
草や木などのように、根があって場所が固定されて生きているような生物のことです。対義語は動物です。
- 気温(temperature)
大気の温度のことです。気象を構成する要素の1つ。通常は地上の大気の温度の事を指します。
- 相対湿度(relative
humidity)
リンク先は「湿度」です。大気中に水蒸気の形で含まれる水の量を比率で表した数値。空気のしめり具合を表します。
- 日射量(insolation)
太陽からの放射エネルギー量を測定したものです。
- 土壌(soil)
地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物、気体、液体、生物の混合物です。一般には土(つち)ともよばれます。陸地および水面2メートル以下の堆積物を指します。
- 地温(ground temperature)
地表や地中の温度のことです。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 情報通信技術(Information
and communication technology; ICT)
情報技術(IT)を拡張した用語です。特に様々の通信サービスを統合し、ユーザーが情報をアクセス、保存、送信、操作できるようにする技術のことです。
- インターネット(internet)
インターネット・プロトコル・スイートを使用し、複数のコンピュータネットワークを相互接続した、地球規模の情報通信網のことです。省略してネットともよばれます。インターネット・プロトコル・スイートとは、インターネットを含む多くのコンピュータネットワークにおいて、標準的に利用されている通信プロトコルのセットのことで、TCP/IPともよばれます。
- 通信デバイス(communication device)
通信を行うための情報端末や周辺機器のことです。デバイスは「装置」のことで、たとえばパソコン・タブレット・スマホなどが該当します(CPUやメモリも含む)。そして、それと接続して使うWebカメラやモニターなどもひっくるめたものが「通信デバイス」です。
- センサ(sensor)
調べたいものの情報を計測するための検知器のことです。
- Internet
of Things(IoT)
リンク先は「モノのインターネット」です。様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことです。
- 人工知能(Artificial
Intelligence;AI)
「計算」という概念と「コンピュータ」という道具を用いて「知能」を研究する計算機科学の一分野を指す語です。機械学習は人工知能の一種です。
- ICT
情報通信技術(Information and communication
technology)のことです。情報技術(IT)を拡張した用語です。特に様々の通信サービスを統合し、ユーザーが情報をアクセス、保存、送信、操作できるようにする技術のことです。
- ノウハウ(know-how)
手続き的知識全般を意味する言葉です知的財産権の1つとして考えられています。
- イノベーション(innovation)
物事の「新機軸」「新結合」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のことです。それまでのモノ・仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことです。
- 過渡期
移行している時期、という理解でよいです。
7.4.1 フィールドサーバ
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- トレーサビリティ(traceability)
リンク先は「トレーサビリティ
(流通)」です。物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態のことです。日本語では追跡可能性とも言われます。対象とする物品(とその部品や原材料)の流通履歴を確認できることなので、アサリの産地偽装問題やBSE問題に端を発した牛肉など、特に食品分野でトレーサビリティが注目されています。
- インフラ(infrastructure)
インフラストラクチャーの略で、「下支えするもの」「下部構造」を指す観念的な用語です。実用上は「(社会)基盤」のようなイメージでよいと思います。
- ユビキタス(ubiquitous)
遍在(いつでもどこでも存在すること)を表す言葉です。遺伝子発現系の例でいえば、どの組織でも発現しているハウスキーピング遺伝子のことをubiquitously
expressedと表現することから、なんとなくイメージがつかめるでしょう。
- インターネット(internet)
インターネット・プロトコル・スイートを使用し、複数のコンピュータネットワークを相互接続した、地球規模の情報通信網のことです。省略してネットともよばれます。インターネット・プロトコル・スイートとは、インターネットを含む多くのコンピュータネットワークにおいて、標準的に利用されている通信プロトコルのセットのことで、TCP/IPともよばれます。
- 病虫害
農作物が病気にかかったり、虫に食べられたりして被害を受けることです。
- AI
人工知能(Artificial
Intelligence)の略です。「計算」という概念と「コンピュータ」という道具を用いて「知能」を研究する計算機科学の一分野を指す語です。機械学習は人工知能の一種です。
- 平藤ら, 農業情報研究,
2013
- オープンソース(open
source)
コンピューターソフトウェアをバイナリプログラムのみの配布ではなく、プログラムの設計図であるソースコードが入手でき、目的を問わず利用、修正、頒布できることの明示的な許可および、それを利用する個人や団体の努力、利益を遮ることがないライセンスを適用したコンピューターソフトウェアと、そのソフトウェア開発の手法です。
- Open-FS
オープンソースのフィールドサーバです。
- FieldServer
FS-2300
商用のフィールドサーバです。
- e-kakashi
独自のフィールドサーバを利用した ICT 農業支援システムです。
- 豊作計画
独自のフィールドサーバを利用した ICT 農業支援システムです。
- Akisai
独自のフィールドサーバを利用した ICT 農業支援システムです。
- Crop
Scope
独自のフィールドサーバを利用した ICT 農業支援システムです。
7.4.2 地理情報システム
- 地理情報システム(Geographic
information system; GIS)
地理情報および付加情報をコンピュータ上で作成・保存・利用・管理・表示・検索するシステムのことです。
- 地理空間情報活用推進基本法
地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として制定された日本の法律です。法令番号は「平成19年5月30日法律第63号」です。
- Google Map
Googleが提供するWebマッピングプラットフォームであり、コンシューマー(商品・サービス等を消費する人々全体のこと)向けの地図アプリケーションです。
- Yahoo!地図
ヤフーが提供するWeb地図です。
- カーナビゲーションシステム(Automotive
navigation system)
リンク先は「カーナビゲーション」です。電子的に自動車の走行時に現在位置や目的地への経路案内を行う機能のことです。
- ハザードマップ(Hazard
map)
自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。防災マップ、被害予測図、被害想定図、アボイド(回避)マップ、リスクマップなどの名称で作成されている場合もあります。
- ICT
情報通信技術(Information and communication
technology)のことです。情報技術(IT)を拡張した用語です。特に様々の通信サービスを統合し、ユーザーが情報をアクセス、保存、送信、操作できるようにする技術のことです。
- GIS
地理情報システム(Geographic information
system)のことです。地理情報および付加情報をコンピュータ上で作成・保存・利用・管理・表示・検索するシステムのことです。
- 肥料(fertilizer)
植物を生育させるための栄養分として人間が施すものです。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難です。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素とよばれます。
- 農薬(agricultural
chemical)
農業の効率化、あるいは農作物の保存に使用される薬剤の総称です。農薬は元々は土壌や種子の消毒と、発芽から結実までの虫害や病気の予防をするものを指していましたが、農作物の虫害や植物の成長調整など「農業の生産性を高めるために使用される薬剤」として広義に解釈されるようになっています。
- 作物(crop)
リンク先は「農作物」です。広義には田畑につくる栽培植物全般のことです。自然に生えるものではなく、人手をかけて植えて育てる植物のことです。
- フィールド(field)
農地のことです。
- 栽培(cultivation)
野菜や樹木などの植物、キノコ、藻類などを植えて育てることです。
- リモートセンシング(remote
sensing)
「離れた位置からセンシングすること」です。具体的には、人工衛星や航空機などから地球の表面付近を観測することやその技術そのものを指します。
- フィールドサーバ(field servers)
センサ・コンピュータ・通信機能をモジュール化した小型モニタリングロボット(圃場計測用)です。
- リレー出荷
複数の農産物産地が連携・協調して、特定市場あるいは実需者(加工業者、生協、レストラン等)に向けて農産物を途切れなくリレーして安定供給する出荷方式のことです。