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研究ビジョン: 脳研究を通じて、人類の健康福祉に貢献する
 
21世紀は、心の世紀とも言われています。産業が発展し、物質が飽和してきましたが、人々の心が昔に比べて満たされてきたとは、とても言えません。むしろ、社会には心理的なストレスが蔓延し、幸せを感じにくい世の中になってきているのかもしれません。
 
自殺者の数が3万人を超えている現状は先進国において最悪の状態です。加えて、超高齢化社会が進行するわが国において、認知症を患うお年寄りの数が200万人を超え、福祉行政の観点から国家的に深刻な問題になっています。
 
このような状況を打開するためには、脳研究を通じて、脳と心の健康を高めていくための手立てを見つけていかなければならないと私は考えています。
 
これまで脳は、成長の後、全く変わらない臓器であると考えられてきました。そして、歳をとるとともにただ衰えていくだけであると思われてきました。しかしながら、私たちが脳細胞の応答を詳しく調べる研究から得られてきた結果は、「脳は刻一刻と変化する臓器であること」を如実に物語っています。
 
脳の健康を高めていくためには、脳細胞を最適な状態に保つことであると私は考えています。「どのような状態がそれぞれの脳細胞について最適であるか」このことを知るためには、細胞レベルで生理学的な研究を積み重ねていくよりほかありません。
 
体の外からの情報、生活習慣の違い、そして体の加齢変化に呼応して、それぞれの脳細胞がどのような応答を示すかについての研究を進めています。これらの研究を通じて、脳の健康を高める「健康脳科学」の発展に寄与していきたく考えています。
 
 
 
 
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