現代的教育ニーズ取組支援プログラム 東京大学
東京大学大学院農学生命科学研究科
現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)
畜産物の安全安心を保障する人材の育成教育

開催レポート
国際シンポジウム
食の安全研究センター設立記念シンポジウム
「食の安全を担う科学研究の新たな展開」
弥生講堂 聴衆
 平成19年2月21日・22日の二日間にわたって、東京大学農学部・弥生講堂(東京都文京区)にて国際シンポジウム「食の安全を担う科学研究の新たな展開」が開催されました。このシンポジウムは、平成18年11月に農学生命科学研究科に新たに発足した<食の安全研究センター>の設立を記念して開催されたもので、BSE、ノロウイルス、食物アレルギー、トレーサビリティ、水産物の安全など、食の安全性に関して最も注目されている課題を中心に国内外の研究者より最新の研究成果を報告いただきました(参加者数:学生・一般あわせて二日間のべ約350名)。
 一日目は、まず「BSEへの挑戦」というテーマで、東京大学大学院の小野寺節教授、吉川泰弘教授、スイスからはU. Sperling氏、そしてイタリアよりP. L. Acutis教授に講演いただきました。ヨーロッパの現状や視点が紹介されたことで、世界における日本の位地が明確になったと共に、食の安全に向けた取組の国際性が際立ちました。
吉川泰弘 教授
P. L. Acutis 教授
U.Sperling 氏
八村敏志 助教授
 続いてのテーマ「ノロウイルスをめぐって」では、東京大学大学院の牛島廣治教授、遠矢幸伸助教授、そして国立感染症研究所の西尾治氏に講演いただきました。医学、獣医学、水産という異なる三つの観点からのそれぞれ専門性の高い内容の講演でしたが、関心度の高いテーマだけに質疑応答も活発に行われました。
 二日目最初のテーマは「食物アレルギーの克服に向けて」。千葉大学大学院の冨板美奈子教授、森永製菓研究所の橋爪秀一氏、広島大学大学院の田辺創一助教授、そして東京大学大学院の八村敏志助教授による発表です。医学、生物圏科学、農学という異なる3分野に、産業界からの報告が加わったことで、アレルギーが抱える課題の学際性、そして産学連携の重要性が具体的に示されました。

 「食品安全におけるトレーサビリティ」というテーマでは、東京大学大学院の矢坂雅充教授、中島康博助教授、(独)農業・食品産業技術総合研究機構の南石晃明氏に報告いただきました。消費者が直に食の安全を評価するための手立てとしてのトレーサビリティ開発の最新の動向と、IT利用の現状と可能性が提示されました。
吉水守 教授
質疑応答
講演者スナップ
 最後のテーマ「水産食品の安全確保に向けて」では、北海道大学大学院の吉水守教授、(独)水産総合研究センターの中山一郎氏、東北大学大学院の大島泰克教授に発表いただきました。衛生管理から遺伝子組換えまで話が及び、聴衆からの質疑も多数寄せられ、世界随一の水産物消費国の日本ならではの盛況を呈しました。

 講演と質疑応答を通じ、食の安全確保のための最前線の取組みについて参加者の理解を深めることができました。産・官・民そして海外の現場の話に触れたたことは学生にとって大きな刺激になり、また自身の研究に対する励みにもなりました。今回のシンポジウムの成果を本取組の一層の充実と改善に反映し、産官民との連携を強め、かつ学科・専攻の枠を超えた教育研究の機会を拡充し、さらに地球規模の視野拡大を促しつつ、学生が畜産物の安全を保障し安心を担保とする実務的能力の向上につなげていきたいと考えます。

 ご来場いただいた皆様、ならびに講演いただいた先生方、どうもありがとうございました。

現代的教育ニーズ取組支援プログラム 「畜産物の安全安心を保障する人材の育成教育」
東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場(高等動物教育研究センター)