昨年「嗚呼向陵−わがたましひの故郷」と名付けられた文集が刊行されました。昭和25年に第一高等学校を卒業した人達が卒業50年を記念して書いた興味深い文章が載っています。今回の表紙はこの文集の口絵の一つ、版画「第一高等学校全景(昭和二十二、三年頃)」です。キャンパス西側に広がる戦災焼跡が戦後すぐであることを物語っています。同時に皆さんにもお馴染みの正門や時計台が見えます。現在教務課の建物がもとは図書館だったこと、銀杏並木には弥生道という名称があることなども分かります。一高は昭和25年に廃校になりましたが、その一年前昭和24年に教養学部が発足し一高の歴史を受け継いでいます。版画の作者笠松喬介さんは一高理科甲類(現在の理科一類がこれに近い)を卒業後、理学部化学科に進学。企業の研究所に勤務の傍ら油絵を始め、現在はコンピュータによる絵画制作に取り組んでいらっしゃいます。

 ところで、皆さんは自分の将来をどのように描いていますか。そして、進学先としてどの学部・学科等を考えていますか。進学情報センターは上図では本館(現在の1号館)の2階にあります。コンピュータにより最新の進学情報を検索したり、後期課程各学部の「便覧」、「授業案内」等を閲覧することができます。個人的な相談にも応じています。進学先を決めかねている人、進学に不安がある人などいつでも訪ねてください。自分に適した専門分野を見つけるために当センターを十分活用してください。(里見大作)


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