大学院数理研究科はここ駒場キャンパスにあり、他の大学院研究科が学部の上にあるのに対して、学部からは独立した研究科で、理学部数学科、教養学部数学教室、教養学部基礎科学科第一の一部を母胎として、本学の大学院化の動きの中では理系の先頭を切って1992年度に発足した。

 ここの研究分野はいわゆる伝統的な数学理論から学際的な数理科学の広い分野にまでに及んでいる。ここに所属している全教官が大学院はもとより前期課程の数学教育から後期課程の学部生の数学教育すべてにあたっている。対象となる主な後期課程は理学部数学科と教養学部の基礎科学科第一である。

 写真の建物は95年10月に完成した新研究棟で、旧来からの第一研究棟とともに数理科学研究科はすべてこの駒場地区に移転した。これらは東南の木立に囲まれた閑静なところにあり、新研究棟の内部は随所に芸術の香り高い工夫がなされ、思索の学問にふさわしい雰囲気に包まれている。駒場キャンパスの新しい名所の誕生である。


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