教養学部進学情報センター主催シンポジウム

「いま学問は…」

――君は東大で何を学ぶか――

 進学情報センターでは、諸君が後期課程への進学に際して、適切な進路を選択するのに役立つ、種々の情報を幅広く取得するための一つとして、各学部の協力を得て、本センター主催でシンポジウムを毎年開催している。

 今回の基本テーマは表題にあるように

「いま学問は…」――君は東大で何を学ぶか――

である。この基本テーマの狙いは学問の現在の生きた姿を知ってもらい、将来の自己形成に役立ててもらいたい、というところにある。

 このような主旨のもとに下記のように3つの分科でそれぞれ設定されたテーマについて、同時並行でそれぞれの学部でどのような研究・教育が行われているかについて紹介していただく。

 3つのシンポジウムは5月24日(金:五月祭前日)午後に、同時に開催する予定である。なお、テーマ(1)は主として理科系学生、(3)は主として文科系学生を対象としたシンポジウムで、それぞれのテーマに関係する各学部から、代表する以下の先生方にお集まり願い、それぞれのテーマ・分野を各学部では、どのようにとらえ、どこに力点・視点を置いて研究・教育を行っているか、わかりやすくご紹介していただく。

開催日 平成8年5月24日(金)

(1) 物質科学への招待――「超」の世界――

 超高温、超低温、超高圧、超高真空、超高速、超分子、超微細、超精密、超クリーン、等々、現代科学の最先端では、技術の限界を駆使した研究がその進歩を支えている。これらの研究は、極端な条件下で起こる現象を解明するためだけではなく、むしろそれ以上に、通常の条件下で起こっている現象の本質を探るための重要な手法となっている。

 今回のシンポジウムでは、非日常的な実験条件を作る技術や、非日常的なサイズや時間を観測する技術を使って東京大学の各学部で行われている諸研究の面白さや新しい成果をご紹介いただく。

    工学部講師:畑村 洋太郎教授
    理学部講師:小林 俊一 教授
    教養学部講師:濱口 宏美 教授
    薬学部講師:佐藤 能雅 教授

(2) ネットワークとコンピュータサイエンス

 コンピュータによる情報処理は理学・工学のみならず、あらゆる学問分野で必要不可欠のものとなっている。さらに、コンピュータが単に便利なツールであることを越えて、様々な学問分野において新しい方法論を生み出しつつある。また、最近のネットワーク技術の発展と社会への浸透は、目覚ましいものがある。ネットワークの利用が様々な学問分野における研究のあり方なども変えつつある。各分野でのネットワークやコンピュータ利用とその周辺に関する取り組みについて現状と将来を語っていただく。

    工学部講師:木村 文彦 教授
    文学部講師:田村 毅  教授
    理学部講師:荻谷 昌己 教授
    農学部講師:斉藤 馨 助教授
    教養学部講師:廣松 毅  教授
    教育学部講師:山本 慶裕 講師
    薬学部講師 :杉山 雄一 教授

(3) 宗教と社会

 昨年来、「宗教と社会」というテーマが、改めてクローズアップされているが、このテーマは東京大学ではどのように研究されうるであろうか。各学部を代表される先生方に、宗教と政治・法(政教分離や宗教法人法問題etc・)、宗教と経済(経済発展と儒教、仏教、キリスト教etc.)、宗教と教育(各国間の比較etc・)、宗教と自然科学(その真理観をめぐってetc,)、などについて、現時点で語りうることを自由に語っていただく。

    法学部講師:日比野 勤 教授
    文学部講師:金井 新二 教授
    経済学部講師:原  朗  教授
    教養学部講師:大貫 隆  教授
    教育学部講師:吉澤 昇 教授

なお医学部からも加わっていただくことになっているが、現時点で未定である。


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