計数工学科とは

 学科の紹介は進学のためのガイダンスや工学部案内に詳しく掲載されているので重複を避け、ここではよく聞かれる質問にQ&Aの形式で答えることにしたい。

Q:計数工学科の英語名を教えて下さい。

A:Department of Mathematical Engineering and Information Physics です。

Q:計数工学科は一言で言うとどのような学科ですか。

A:英語名からも分るように、数理と物理を基礎とし世の中の様々な現象を情報やシステムの観点から研究し教育する学科です。

Q:工学部の計数工学科で扱う数理や情報は、理学部の数学科や情報科学科で扱うものとどのように違っているのでしょうか。

A:理学部では理学すなわち真理の追求が第一義となります。計数工学科は数理にしろ情報にしろもちろん真理を追求しますが、それと同時に常に現実の問題への応用という工学的側面を重要視しする点に大きな違いがあります。理論を中心とする基礎科目のなかでも現実の物理的なセンスを養うような教育がおこなわれます。

Q:それでは同じ工学部の機械情報工学科や電子情報工学科とはどのように違うのでしょうか。

A:機械情報は機械工学、電子情報は電子工学の範疇での情報工学で、主としてそれぞれ機械工学と電気電子工学分野の研究者やエンジニアを養成します。一方、計数工学科における情報は分野によらない基礎工学を指向しています。すなわち将来、分野を越えて活躍できる人材、あるいは全く新しい分野を開拓していく人材の育成を行っています。

Q;大学院はどうなっていますか。

A:大学院の重点化にともない卒業生の大半が工学系研究科の計数工学専攻に進学します。また情報工学専攻や先端学際工学専攻にも進学できます。その他、広域科学専攻や応用生命工学専攻に進学する人もいます。

Q:一言でいうと、どのような研究が行われているのでしょうか。また、最近のトピックスを教えて下さい。

A:環境、生命、人間、経済、社会現象など森羅万象を数理、計測、情報、推論、予測、制御、システムといった観点から解明し、その結果に基づいて新しい人工物を創造する研究です。最近の研究の例としてはニューラルネットワーク、脳の高次情報処理、カオス、オブジェクト指向言語、最適制御、センサフュージョン、知能ロボット、バーチャルリアリティ(人工現実感)などが挙げられますが、詳しくは進学のためのガイダンスや工学部案内を参照して下さい。

Q:数理コースと計測コースがあるそうですが、どのように違うのですか。

A:両者とも天地万物を基本原理に立ち返って解明しそれに基づいて工学的な創造を行うという点においては同じですが、数理コースでは主として数学や数理的方法論を重んじ、計測コースでは物理や計測制御システム論的アプローチを重視します。因みに英語の Mathematical Engineering が数理コースで Information Physics が計測コースです。

Q:学科とコースへの振り分けはどのようにして行われるのですか。

A:教養学部前期課程からの進振りでは、まず、計数工学科と物理工学科を応用物理・数理情報システム部門としてまとめて進振りを行い進学します。駒場の4学期の講義は部門全体で共通です。諸君が応用物理・数理情報システム部門に進学して駒場の4学期を過ごす中で、学科やコースの内容を研究室見学や駒場の講義などを通じてもう一度調べ直し、自分自身の適性も考慮して十分に両学科と両コースを比較検討して下さい。1月になって学科とコースの振り分けのガイダンスを行いますので、その後に第一志望から第3志望までを書面て提出してもらい、それにより学科とコースの振り分けを行います。学科とコース振り分けに際してはそれぞれの志望と部門への進振り時の成績が考慮されますが、志望はそれぞれの人の興味により分散するため、例年ほとんどの人が自分の第一志望どおりのところに進学しています。

Q:その場合一度学科やコースの進振りが決まると専門を変えられないのでしょうか。

A:いいえ。大学院に進学する時に、どちらの学科からも計数工学専攻の両コースに、また物理工学専攻にも平等の条件で進学することができます。

進学相談先:計数工学科学科長 舎官  日章

            3812 2111 内線6915