正門脇に完成した情報教育南棟では、情報教育用システムの完成に向けて作業が進められている。このシステムでは、500台以上あるどのX端末からでもワークステーションを利用して、エディタ(Mule)、文章清書システム(TeX)、ドローイングシステム(idraw)、電子メイル(m-h-e)、ネットワークニュース(gnus)、pascalコンパイラ、cコンパイラ、表計算(アシストカルク)、統計計算(S)、WWW(World Wide Web)(予定)などが使える。各ユーザの持つデータはファイルサーバが統一的に管理し、どのX端末から利用しても全く同じようにデータが見える。このファイルサーバには総計130ギガバイト(ギガ=10の9乗、バイト=英数字1文字程度の情報)の記憶容量があるが、バックアップ装置により自動的にバックアップされており、故障などでデータが失われることがまず無いようになっている。X端末とサーバはイーサネットセグメントと南棟内部のFDDI光リングにより相互に通信できる。このリングは駒場のUTnet光リングに接続され、対外的なコミュニケーションを可能としている。このように、南棟はUTnetなどで整備された通信infrastuctureの上に構築された、情報infrastructureである。なお、現在の情報処理棟(北棟)のシステムも今年度末には、南棟と同様のシステムに入れ換わる予定であり、2つの情報infrastructureが併用できるようになることは心強い限りである。

(教養学部 情報・図形科学教室 川合慧・山口和紀)


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