東京大学 植物病理学研究室

プロフィール

難波 成任 (なんば しげとう)
Namba Shigetou
[所属] 生産・環境生物学専攻 基礎生物学領域講座 植物病理学研究室
[職名] 名誉教授、特任教授、東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム・コチェアマン
[出身地] 東京都
[学歴] 東京大学農学部農業生物学科卒業
東京大学大学院農学系研究科修士課程修了
東京大学大学院農学系研究科博士課程修了
[職歴] 日本学振奨励研究員
東京大学農学部助手
米国コーネル大学客員研究員
東京大学農学部助教授
東京大学農学部教授
東京大学大学院農学生命科学研究科教授
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
東京大学大学院農学生命科学研究科教授
総長補佐
2009年 4月より 総長特任補佐
[学位] 農学博士(東京大学)
[学位論文] 果樹ウイルス病に関する研究
[メールアドレス] anamba -at- mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
[ウェブページ] http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/ae-b/cps/index.html
[研究活動] 代謝系を持ったウイルス、ウイルスに感染するウイルス、それらよりゲノムが小さく代謝系を極限にまで削ぎ落としたファイトプラズマが発見され、生命と非生命との区別はますます曖昧となってきた。そこで、植物病原ウイルスおよびファイトプラズマの普遍的共通性に着目し、ナノ病原体として総称し、統合生物学的に宿主ならびに病原性決定の分子機構の解明をするとともに耐性戦略の構築を目指して研究している。
[研究業績]  主に植物ウイルスとファイトプラズマ、およびそれを伝搬する昆虫と植物との相互作用をマクロレベルから分子レベルにいたるまでの手法を用いて研究を行っている。ファイトプラズマは植物に感染して成長を抑制したり生殖器官を変異させたりする。その性質は、植物の進化にも影響を与え、感染細胞内で各小器官と共に共存しつつ、宿主に適応しながら進化を遂げ今日に至ったと考えられ、その起源と共に興味深い問題を提起している。そこで、ファイトプラズマが宿主細胞内で共生あるいは寄生する際に発現する各種遺伝子の発現機構を調べている。
 また、植物ウイルスはその80%以上がRNAウイルスで、複製の際にエラーの多い一本鎖RNAをそのゲノムとするものがほとんどである。それらのゲノム上の変異及び保存性の解析から、植物ウイルスはその出現以来、宿主に対して巧妙に適応して今日に至ったと考えられる。地球上で最小の微生物「ウイルス」の進化とその起源について探るとともに、その病原性・ウイルスの輸送・宿主決定など各種の重要な機能に関与する遺伝子を解明するとともに、それらの発現機構を調べている。
[教育活動] 学部

 1)植物医学の勧め(総合科目一般講義)
 2)植物医科学概論(総合科目一般講義)
 3)誰が地球を救うのか(総合科目一般講義)
 4)人口と食糧(総合科目一般講義)
 5)微生物の科学(農学主題科目)
 6)植物病理学
 7)環境微生物学
 8)資源生物学基礎実験
 9)資源生物学応用実験
10)応用生物学実験
11)農業生物学基礎実習
12)応用生物学研究演習
大学院
 1)植物病理学特論
 2)植物ウイルス学特論
 3)植物細菌学特論
 4)エグゼクティブ・プログラム
 5)食の安全と植物医科学(食の安全ゼミナール)
 6)基礎生物学特別実験(特)
 7)基礎生物学特別実験(監)
 8)基礎生物学演習(特)
 9)基礎生物学演習(監)

[学会活動]

【学会】
日本植物病理学会
 評議員(1994.4〜2004.3)
 常任評議員(2004.4〜)
 植物ウイルス分類専門委員会(1996.4〜2016.3)
 植物病害診断研究会会長(2006.7〜)
 技術士対応委員会委員長(2008.4〜)
日本マイコプラズマ学会
 編集委員(1994.4〜2007.3)
 理事(1994.4〜2018.3)
 副理事長(2003.4〜2018.3)
日本農薬学会
 評議員(2007.4〜2009.3)
アジアマイコプラズマ学会
 代表理事(2009.11〜2013.11)
国際マイコプラズマ学会
 常務理事(2008.2〜2012.7)
 国際マイコプラズマ研究プログラム委員会チームリーダー(2008〜2012)
 賞選考委員会委員長(2012.7〜2014.5)
国際植物病理学会(ISPP)
 評議員(2002.4〜2007.3)
国際植物医科学会
 会長(2014.4〜2015.3)
国際ウイルス分類委員会
 委員(1985.4〜)
国際細菌分類委員会
 委員(1993.5〜2001.3)
日本ウイルス学会
 編集委員(2002.4〜2005.3)
日本学術会議
 植物防疫研究連絡委員会委員(2003.4〜2006.3)
Molecular Plant Pathology誌
 編集委員(2004.1〜2006.12)
日本農学会
 常任委員(2000.4〜2001.3)
 運営委員(2001.1〜2002.3)
(財)三島海雲記念財団
 学術委員(2010.1〜)
五学会技術士育成委員会
 委員長(2010.4〜2014.3)
Journal of Plant Pathology & Microbiology誌
 編集委員(2010.8〜)
日本分子生物学会
日本線虫学会
日本細菌学会
応用動物昆虫学会
日本土壌微生物学会
日本雑草学会
植物化学調節学会
日本進化学会
日本植物学会
日本植物生理学会
日本農芸化学会
日本植物細胞分子生物学会
日本樹木医学会
米国微生物学会
日本ゲノム微生物学会
日本RNA学会
日本農薬学会

【受賞歴】
1982年 日本植物病理学会奨励賞
2002年 日本植物病理学会賞
2004年 日本マイコプラズマ学会北本賞
2010年 国際マイコプラズマ学会エミー・クラインバーガー・ノーベル賞
2013年 紫綬褒章
2014年 日本植物病理学会論文賞
2014年 日本農学賞
2014年 読売農学賞
2015年 米国微生物学アカデミー会員
2017年 日本学士院賞


[委員会活動] 【国内】
文部科学省 学術国際局学術調査官(1993.5〜1995.7)
(財)日本バイオインダストリー協会 生物化学プロセスの標準化に関する調査研究委員会委員・委員長(1995.7〜1999.3)
日本学術会議植物病疫研究連絡委員会委員(2000.7〜2006.10)
文部科学省 大学設置・学校法人審議会専門委員・主査(2004.7〜2008.3)
(財)日本人事試験研究センター 上級農学試験委員(2004.7〜2010.6)
(社)大日本農会農芸委員(農産・特産部門、農業環境部門(2006.6〜)
農林水産省・環境省 生物多様性影響評価検討会委員(2007.4〜2011.3)
(独)評価委員会委員・部会長(2007.7〜2008.9)
農林水産省 農林水産祭中央審査会主査 (2007.8〜2012.7)
(独)大学評価・学位授与機構 国立大学教育研究評価委員会専門委員(2008.2〜2009.6)
農林水産省 農林水産技術会議委員(2015.4〜)
農林水産省 農林水産技術会議専門委員・副座長(2008.2〜2010.2)
文部科学省 大学教育推進事業委員会専門委員(2008.6〜2008.12)
文部科学省 科学技術・学術審議会専門委員(2009.4〜2010.3)
(社)大日本農会農事功績表彰審査委員会委員(2009.5〜)
(独)科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター上席研究員(2010.4〜)
(社)日本植物医科学協会理事長(2011.1〜)
(独)日本学術振興会 科学研究費委員会審査・評価第一部会生物系小委員会委員(2011.1〜2013.3)
(財)国際科学技術財団 日本国際賞審査部会委員(2012.3〜2013.3)
(公)イオン1%クラブ理事(2015.4〜)
(公)三島海雲記念財団学術委員(2009.1〜)

【国外】
Closterovirus working team委員(国際ウイルス分類委員会)
ファイトプラズマ分類委員会委員(国際細菌分類委員会)
[その他] 【研究助成】
「ナノ病原体の病原性因子の構造解析と治療薬開発に向けた基礎研究」(生研センター 研究代表者)
「宿主決定の分子構造:植物マイコプラズマの遺伝子発現・制御メカニズム」(生研機構 研究代表者)
「ファイトプラズマのホストスイッチング機構に関わるシグナル分子ネットワークの解明」(基盤研究A 研究代表者)
「ナノ病原体の統合生物学」(基盤研究B 研究代表者)
[メッセージ]  我々人類は文明の急速な進歩とともに、豊かな消費資材に囲まれた便利で快適な生活を送れるようになりました。しかし一方で、毎年食糧生産の三分の一が病虫害等で失われており、人口にすると24億人分にもなります。近い将来、食糧難となることは目に見えています。この状況を克服するためには、病害虫に強い作物を創成する必要があります。微生物・植物・昆虫の相互作用の解明に興味を持ち、将来研究を続けたいと思う人たちに是非来ていただきたいと思います。