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2012年冬学期

[アウトラインを表示]


講義名:量子物理学

  講師:清水明

  日時:水曜日3限(13:00-14:30)、10月10日(水)から1月30日(水)まで

  場所:駒場Iキャンパス16号館8階827号室

  内容:以下の通り(若干の変更の可能性あり)

 量子統計力学の基礎的問題に関する最近の発展

統計力学の基礎的問題については、従来は古典系を対象にすることが多かったが、近年、量子系を対象にした研究が著しく進展しつつある。古典系と違って量子系は、自然な測度を備えていることや、純粋状態でも確率的性格を持つことなど、本質的に統計力学と相性が良い。そのために、古典系では見えなかったことが、量子系を対象にすることで、初めて明確に見えてきたのである。これらについて講義する。特に、1個の量子純粋状態が持つ統計力学的性質を明らかにし、 アンサンブルを用いない統計力学の新しい定式化を解説する。さらに、時間が許せば、線形応答理論の基礎的問題についても解説する。

  1. 概要
  2. 統計力学の原理の復習
  3. 等重率の本質
  4. マクロ系の1個の量子状態の性質
  5. アンサンブルを用いない統計力学
  6. ミクロ状態のマクロ純粋状態への分解
  7. アンサンブルの等価性にかかわる問題
  8. 可積分系は熱平衡化するか?
  9. 線形応答理論の基礎的問題

お茶の水女子大 大学院「特別講義」 生命システムの物理

  • 東京大学と単位互換があります

  講師:金子邦彦(東京大学大学院総合文化研究科)

  日時:

平成24年10月2日(火)10:00〜19:10

10月3日(水)10:00〜19:10

10月4日(木)10:00〜19:10

  場所:お茶の水女子大 理学部3号館2階会議室

 生命システムの物理:

内容

生命システムが満たすべき普遍構造を理論物理学の立場から議論する。分子、細胞、個体、生態系という異なる階層間での動的整合性を指導原理として、複製、適応、発生、進化の普遍法則を追及する。人工複製細胞、細胞適応、実験室内進化などの構成的実験をふまえつつ、複製系の統計法則、生命情報の起源、相互触媒制御による適応、発生現象の安定性、細胞分化の不可逆性、ゆらぎと進化の関係、遺伝子型―表現型対応の安定性の理論を述べる。これにより、生命システムを理解するための物理理論の方向性を議論したい。

  1. 生命システムをいかに理解するか: 構成的生物学と複雑系
  2. 化学反応から複製細胞へ:生命における「非平衡性」、複製系の普遍法則、成長系のゆらぎ則、少数性制御、遺伝的のっとり
  3. 細胞ホメオスタシスと記憶:酵素量制御による適応、多自由度適応系、ノイズによる環境依存アトラクター選択、エピジェネティック記憶
  4. 細胞分化と発生過程の不可逆性:相互作用による内部状態の分岐、分化能の喪失、(+関連する大自由度力学系)
  5. 表現型の進化:進化揺動応答関係、ノイズによる分散と遺伝分散の関係、安定性の進化、進化ルシャトリエ原理
  6. 多様性の進化:表現型変化の遺伝的固定による種分化、共生
  7. まとめと展望:生物学的現象論の可能性

講義名: 非平衡現象論 (特異摂動論入門)

 講師: 佐々真一

 日時: 月曜日3限13:00〜14:30

(11月以降は2週間に1度程度の開講になるが、その補償として冬休み期間中の集中講義を予定。)

  場所:駒場Iキャンパス16号館8階827号室

 講義内容:

ガイダンスの後、例題にもとづいて、特異摂動法として分類される方法を順に説明していく。例えば、断熱近似、隷属原理、中心多様体理論、多重スケール法、逓減摂動法、ポアンカレーの方法、ボゴリゥーボフの方法、振幅方程式、位相方程式、チャップマン=エンスコッグの方法、くりこみ群の方法などがその例になろう。一般的処方箋を強調するのでなく、各々の方法を説明する中で、全ての方法に共通する構造を理解する。また、余裕があれば、関係する未解決問題を解説したい。

講義名:集中講義 生態系の統計力学

 講師: 時田恵一郎 先生(大阪大学サイバーメディアセンター准教授)

  日時:

平成25年1月23日(水)3限〜5限 (13:00〜18:00)

平成25年1月24日(木)1限〜5限 ( 9:00〜18:00)

平成25年1月25日(金)1限〜5限 ( 9:00〜18:00)

  場所:駒場Iキャンパス16号館8階827号室

 講義概要:

数理生態学の歴史・基礎から始めて、最新の研究成果まで講義する。特に、多数の生物種が補食・被食関係、共生関係、競争関係などの複雑な種間相互作用を介して各種の個体数を変動させるような大規模生態系モデルに対する数理解析・統計力学的解析に重点を置く。そのような解析を通じて、典型的な複雑系・多体問題としての生態系の様々な性質を明らかにし、野外調査や実験による知見を説明する理論構築の試みを紹介する。生態系以外にも、ウイルス進化や言語進化などの分子生物学的・社会生物学的な群集の問題にも触れる。

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最終更新時間:2012年10月16日 16時50分32秒