!!!2022年 冬学期 第7回 物性セミナー !!講師 角田 峻太郎 氏(東大院総合) !!題目 超伝導体の励起構造の分類とトポロジー !!日時 2023年1月13日(金) 午後4時50分 !!場所 16号館 827およびオンライン ・オンライン参加の方へ:物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。) 登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewform !アブストラクト 超伝導は1911年にKamerlingh Onnesによって発見された現象であるが、そこから100年以上経つ現在でも活発に議論が交わされている研究対象であり、物性物理学における大きな一分野となっている。超伝導がもつ特徴の一つとして、「超伝導ギャップ」と呼ばれるエネルギーギャップの存在が挙げられるが、これは超伝導の発現機構と密接な関係があり、かつ実験的に観測できる重要な指標である。超伝導の最も重要な基礎理論の一つであるBCS理論(1957)においては超伝導ギャップはs波の等方的な形状を取る一方、BCS理論の枠組みを超える「異方的超伝導体」では節(ノード)をもつ異方的な形状のギャップが現れることがある。例えば、1980年代に発見された銅酸化物高温超伝導体と呼ばれる物質群は、当初は等方的なギャップをもつと考えられていたが、後の様々な実験によって実際には線ノードをもつ異方的超伝導体であることが明らかになった。 本講演では、主に「対称性」や「トポロジー」といった数理的なアプローチに基づく超伝導ギャップの分類学について概観する。特に、結晶点群を用いた超伝導秩序変数の分類[1]から出発し、この理論で捉えきれない例外的な励起構造が空間群を用いた解析によって見出される[2–7]ことを、具体例を示しながらできるだけ平易に解説したい。また発展的な話題として、より網羅的な分類理論[8, 9]や、我々が最近提案した電流を印加した状態での非自明な励起構造[10, 11]、さらに今後考えうる方向性など時間の許す限り紹介する。 [1] M. Sigrist and K. Ueda, Rev. Mod. Phys. 63, 239 (1991). [2] V. G. Yarzhemsky and E. N. Murav’ev, J. Phys.: Condens. Matter 4, 3525 (1992). [3] T. Micklitz and M. R. Norman, Phys. Rev. B 80, 100506(R) (2009). [4] S. Sumita and Y. Yanase, Phys. Rev. B 97, 134512 (2018). [5] S. Kobayashi, S. Sumita, Y. Yanase, and M. Sato, Phys. Rev. B 97, 180504(R) (2018). [6] S. Sumita, T. Nomoto, K. Shiozaki, and Y. Yanase, Phys. Rev. B 99, 134513 (2019). [7] S. Sumita and Y. Yanase, Prog. Theo. Exp. Phys. 2022, 04A102 (2022). [8] S. Ono and K. Shiozaki, Phys. Rev. X 12, 011021 (2022). [9] F. Tang, S. Ono, X. Wan, and H. Watanabe, Phys. Rev. Lett. 129, 027001 (2022). [10] K. Takasan, S. Sumita, and Y. Yanase, Phys. Rev. B 106, 014508 (2022). [11] S. Sumita and K. Takasan, J. Phys. Soc. Jpn. 91, 074703 (2022). !宣伝用ビラ {{ref KMB20230113.pdf}} !物性セミナーのページ http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar