!!!2022年 夏学期 第2回 物性セミナー !!講師 戸川 欣彦 氏(大阪公立大学大学院 工学研究科 電子物理工学分野) !!題目 物質カイラリティと巨視的スピン応答 !!日時 2022年 5月 13日(金) 午後4時50分 !!場所 16号館 827室(対面)及びZoom (オンライン) Zoom参加の方へ: ・物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。 ・登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。)登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewformをご利用ください。 !アブストラクト カイラリティの概念は分子から生態系まで自然界の様々な階層に見出される.それは鏡像異性体に見て取れるように幾何学的な関係を意味する.加えて,回転と並進の結合という動的な対称性を併せ持ち,ダイナミクスを誘起する.カイラリティの重要性は化学や生化学に比べて物性物理学ではあまり議論されていないように思える.本講演では,物質がもつカイラリティの意味を踏まえて,カイラリティとスピンの関係について論じる.最近見出された《カイラル物質に誘導される巨大なスピン偏極現象》を紹介する.スピン拡散長を超える長さに亘ってスピン偏極が観察されており,物質カイラリティが巨視的スケールでスピン応答を制御する鍵となっている.カイラリティとスピンを中軸に据えたカイラル物質科学が切り開かれようとしている. 参考文献 [1] 戸川欣彦, 数理科学 693 (3), 9-15 (2021). [2] 戸川欣彦, 日本物理学会誌 76 (10), 646-651 (2021). [3] A. Inui et al., Chirality-Induced Spin-Polarized State of a Chiral Crystal CrNb3S6, Phys. Rev. Lett. 124, 166602 (2020). [4] K. Shiota et al., Chirality-Induced Spin Polarization over Macroscopic Distances in Chiral Disilicide Crystals, Phys. Rev. Lett. 127, 126602 (2021), featured in Synopsis in Physics 14, s113 (2021). [5] H. Shishido et al., Detection of chirality-induced spin polarization over millimeters in polycrystalline bulk samples of chiral disilicides NbSi2 and TaSi2, Appl. Phys. Lett. 119, 182403 (2021). !宣伝用ビラ {{ref KMB20220513.pdf}} !物性セミナーのページ http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar