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物性セミナー/2022-2-9

2022年 冬学期 第12回 物性セミナー

 講師 中田 芳史 氏(東大工学系研究科)

 題目 量子情報における量子カオスと量子誤り訂正

 日時 2022年 2月 9日【水】 午後4時50分・・いつもと違う曜日に御注意

  場所   Zoom によるオンライン開催

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・登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。)登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewformをご利用ください。

アブストラクト

近年、量子情報科学で量子カオスにも関連する研究が数多く行われている。その肝が、「量子カオス」と「量子誤り訂正=量子的なノイズから情報を守るために行う手法」の関係である。量子誤り訂正は情報の「符号化」と「復号化」から構成されるが、量子情報科学では古くから理想的な量子カオスのダイナミクスが量子情報の符号化に使えることが知られていた。ここ十年でその考え方が更に発展し、量子情報のみならず「量子ブラックホールの情報パラドクス」や「非時間順序相関を用いた量子カオスの特徴付け」にも応用されるようになった。そのきっかけとなったのがHayden-Preskill模型と呼ばれる量子情報プロトコル[1]である。本講演では、量子カオスと量子誤り訂正の関係について簡単に概観した上で、Hayden-Preskill模型を舞台として、系の対称性が量子情報の符号化にもたらす影響や熱力学量との関係[2]、更には具体的な復号化手法[3]について、近年の我々の仕事を中心に解説したい。最後に、量子情報でしばしば用いられる「ユニタリ・デザイン[4]=量子カオスの近似」にも触れ、分野を横断する形で意見交換できれば幸いと考えている。

[1] P.Hayden and J. Preskill, JHEP 2007:120.

[2] Y. Nakata, E. Wakakuwa, and M. Koashi, arXiv:2007.00895 (2020).

[3] Y. Nakata and M. Koashi, in preparation.

[4] R. Low, PhD thesis, ariv:1006.5227 (2010).

宣伝用ビラ

KMB20220209.pdf(79)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2022年01月18日 01時11分12秒