!!!2022年 冬学期 第3回 物性セミナー !!講師 古谷 峻介 氏(東大総合文化) !!題目 量子スピン系における対称性に守られた量子臨界相とgapless SPT相 !!日時 2022年11月11 日(金) 午後4時50分 !!場所 対面(16号館 {{color red, 829室・・いつもと違う部屋に注意}})およびオンラインによるハイブリッド ・物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。 ・登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。) 登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewformをご利用ください。 !アブストラクト 量子多体系の基底状態の性質の探究は物性物理の主要な研究テーマの一つであり,例えば最近20年間で飛躍的に進展したトポロジーによる基底状態の分類研究等が挙げられる.基底状態の最も基本的な性質のひとつは励起ギャップの有無である.たとえば自由電子系では,フェルミ準位がバンドを横切ればgapless (金属) であると容易に判定できるが,相互作用が強い場合には判定が非自明になる.安定性の非自明な例として1次元量子多体系において実現する量子臨界相が挙げられる [1].量子臨界相は量子相転移点直上のような臨界的な性質を持ちつつ,安定的な相として実現する.よく知られた朝永・Luttinger液体は量子臨界相の代表例と言える.臨界的であるため,この相はgaplessである.また,臨界性から,無限小の摂動によって基底状態が不安定になることが素朴には期待されるが,そのような期待に反して,量子臨界相の一部のクラスは相として安定的に存在する.この分類に属する臨界相は対称性に守られた量子臨界相と呼ばれる [1].本講演では量子多体系におけるgapless量子相の安定性という観点から,対称性に守られた量子臨界相とgapless SPT相の研究についてご紹介する.まず,講演の前半では1次元量子スピン系における対称性に守られた量子臨界相の安定性と分類について,場の理論のアノマリーにもとづいてできるだけ平易に議論する.この量子臨界相の分類から,Haldane "予想" やLieb-Schultz-Mattis定理 [2]が場の理論の大域的な性質として帰結することを見る.その後,対称性に守られた量子臨界相のうち,系の端に対称性に守られた状態を伴う例 [3,4]について述べる.これらの例はHaldane相に代表されるSPT相 (symmetry-protected topological相)のgapless版とも呼ぶべき性質を持っており,最近10年間で研究が進みつつあるgapless SPT相と呼ばれるトポロジカル相でもあることを議論する. [1] S. C. Furuya and M. Oshikawa, Phys. Rev. Lett. 118, 021601 (2017). [2] E. Lieb, T. Schultz, and D. Matthis, Ann. Phys. 16, 407 (1961). [3] Y. Hidaka, S. C. Furuya, A. Ueda, and Y. Tada, arXiv:2205.15525 (to be published in Phys. Rev. B). [4] S. C. Furuya and K. Morita, arXiv:2207.02485. !宣伝用ビラ {{ref KMB20221111.pdf}} !物性セミナーのページ http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar