!!!2019年 夏学期 第10回 物性セミナー !!講師 越野 幹人氏 (大阪大学 大学院理学研究科) !!題目 モアレ積層2次元物質の物理 !!日時 2019年 8月 7日(水) 午後4時50分 !!場所 16号館 ==827== {{color red, 119号室で行います! いつもと教室がちがいます}} !アブストラクト 2次元物質の大きな特徴の一つは、層と層を重ねることによってその物理的性質に変化を与えることができることである。 このような接合系では、格子構造の整合性がしばしば物理的性質に重大な影響を与える。 例えば、グラフェン2枚を角度をつけて重ねた「ツイスト2層グラフェン」では、格子構造の干渉によって生じたモアレ模様が 電子構造を一変させる。特に魔法角と呼ばれる特定の角度では、電子のバンド分散が消滅することが知られており、 さらにそれに起因して超伝導が生じることが近年の実験で明らかになっている。 この発表では、近年注目されているツイスト2層グラフェンを中心に、モアレ積層2次元物質系の物理を理論的側面から解説する。 複雑な原子構造を連続化して取り扱う有効理論を紹介し、電子のバンド構造やフォノンの特異な性質について議論する。 さらに30度で積層したグラフェンで生じる準結晶状態、またグラフェンとMoS2接合系における近接スピン軌道相互作用などについても 議論する。 !宣伝用ビラ {{ref KMB20190807.pdf}} !物性セミナーのページ http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar