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物性セミナー/2019-5-24

2019年 夏学期 第3回 物性セミナー

 講師 柳澤 実穂 氏 (東大総合文化 先進科学研究機構)

 題目 細胞サイズ空間に閉じ込められた高分子溶液の分子拡散や相転移

 日時 2019年 5月24日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 827

アブストラクト

複雑な生命現象を理解する上では、生物細胞を用いたトップダウン的アプローチだけでなく、全要素が既知な物質集合体である細胞モデルを用いたボトムアップ的アプローチも強力なツールである。我々は、脂質膜で覆われたマイクロメートルサイズの液滴を細胞モデルとして用い、その内部に閉じ込められた高分子の分子拡散や相転移を解析し、バルクとの違いを明確化することで、細胞サイズ特異性の物理的意味を探ってきた。細胞モデル中では、微小体積効果や高分子と膜との相互作用などにより、高分子のゲル化に伴う二次構造転移の変化[1]や、高分子間の相分離の促進[2]など、バルクとは異なる相転移が生じる。本セミナーでは、この要因について、細胞モデル中での分子拡散変化[3]と近年示唆されつつある高濃度溶液中での高分子クラスター化[4]から議論したい。

[1] A. Sakai, et al., ACS Cent. Sci., 4:477-483 (2018)

[2] M. Yanagisawa, et al., PNAS, 111:15894-15899 (2014)

[3] C. Watanabe & M. Yanagisawa, Chem. Phys. Phys. Chem., 20:8842-8847 (2018)

[4] G. Nawrocki et al., J. Phys. Chem. B, 121:11072–11084; S. von Bülow, et al., PNAS, 201817564 (2019)

宣伝用ビラ

KMB20190524.pdf(138)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2019年05月14日 17時28分33秒