2019年 冬学期 第2回 物性セミナー
講師 黒子めぐみ 氏(NTT基礎研究所 山口グループ)
題目 微細な機械構造素子における弾性波ダイナミクス
日時 2019年 11月 8日(金) 午後4時50分
場所 16号館 827
アブストラクト
半導体微細加工技術の向上により、微細な機械素子の作製が可能となり、超高感度センサーへの応用、バイオセンサーへの応用、フォノンの量子性の観測に向けてなど、多岐にわたる研究が盛んにおこなわれている[1]。これまでは、センサー感度の向上に直結する機械振動を閉じ込める共振器の研究が中心となってきた。近年、フォノンの量子ネットワーク形成やフォトンーフォノンハイブリッド回路の実現に向けて、個々の共振器を結ぶ弾性波/フォノン導波路や、これらの技術を集積させるオンチップフォノン回路の研究が注目を集めている[2]。
本セミナーでは、まず研究分野の現状を概観したのち、半導体微細加工によるデバイス作製についてわかりやすく説明する。その後、フォノニック結晶導波路の分散効果を利用した弾性波パルス制御、導波路の非線形効果による非線形ダイナミクスの観測など、我々が取り組んでいる最新の研究を紹介する予定である[3,4]。
[1] A. H. Ghadimi et al., Science 360 764 (2018), S. Dominguez-Medina et al., Science 362 918 (2018), A. D. O’Connell et al., Nature 464 697 (2010).
[2] W. Fu et al., Nat. Comm. 10 2743 (2019).
[3] M. Kurosu et al., Nat. Comm. 9 1331 (2018).
[4] M. Kurosu et al., arXiv:1903.08339.
宣伝用ビラ
KMB20191108.pdf(138)
物性セミナーのページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2019年10月27日 15時39分46秒