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物性セミナー/2018-11-2

2018年 冬学期 第1回 物性セミナー

 講師 大槻東巳氏 ( 上智大学理工学部 )

 題目 畳み込みニューラルネットワークで求めたランダム電子系の量子相転移の相図

 日時 2018年 11月 2日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 827

アブストラクト

身近で人工知能という言葉を聞く機会が増えている。最近のコンピュータの進歩,特に GPUの向上により,こうした手法が小規模な研究をしている物性物理学者でも簡単に使えるようになった。そのため,物性物理の研究に機械学習,特にニューラルネットワークを利用する動きが最近注目されている。

この講演では情報科学の専門知識のない物性物理学者にも使えるようになった多層畳み込みニューラルネットワーク,いわゆる深層学習による画像処理を利用して,ランダム電子系の相図を導出するという試みを紹介する。特にバンド絶縁体,トポロジカル絶縁体,アンダーソン絶縁体など様々な絶縁体相の示す波動関数を画像としてニューラルネットワークに学ばせると,ニューラルネットワークは汎化能力を示し,今まで学習していなかったパラメータ領域がどの相なのかを判定できることを示す。金属・絶縁体の相図を示しこの方法の有効性を示したのち,並進対称性がランダムポテンシャルによって壊されたトポロジカル系の相図を議論する。トポロジカル系は,たとえ乱れていても特異な表面状態を示すことを利用し,トポロジカル絶縁体,トポロジカル超伝導体,ワイル半金属の相図を導出する ( ニューラルネットワークに導出してもらう ) 試みを紹介する。また,実空間の波動関数を使った解析と, k- 空間の波動関数を使った解析を比較し,双方の長所,短所について述べる。

[1]T. Ohtsuki, T. Ohtsuki: J. Phys. Soc. Jpn., 85, 123706 (2016), 86, 044708 (2017).

[2]T. Mano and T. Ohtsuki: J. Phys. Soc. Jpn., 86, 113704 (2017).

[3]大槻東巳:パリティ 32, 52-56 (2017), 33, 6 (2018).

[4]大槻東巳,真野智裕:固体物理 53, 447 (2018).

宣伝用ビラ

KMB20181102.pdf(361)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2018年10月05日 21時43分20秒