!!!2017年 夏学期 第3回 物性セミナー !!講師 横倉祐貴氏 ( 理化学研究所 ) !!題目 ネーター保存量としての熱力学エントロピー !!日時 2017年 6月 16日(金) 午後4時50分 !!場所 16号館 827 !アブストラクト エントロピーはマクロとミクロの物理をつなぐ役割を担っている。しかし、その理解は平衡状態に限られており、系が時間発展する場合に対しては未だに明らかではない。だが、理解の進んでいる特別な時間発展が存在する。それは「断熱準静操作の下でエントロピーは保存する」という過程である。実際に、断熱定理がこの過程をミクロの力学から記述する。そこで、我々は古典粒子系を考え、ネーターの定理の枠組みにおいて、このエントロピーの保存則に対応する時間の特別な対称性を見出した[1]。注目すべきは、その対称性に量子力学が顔を覗かせることである。(実際、量子版も構成できる[2]。)こうして、熱力学と量子力学と時間の間にある不思議な関係が見えてくる。 [1] S. Sasa and Y. Yokokura, Phys. Rev. Lett. 116, 140601 (2016). [2] S. Sasa, S. Sugiura and Y. Yokokura, arXiv:1611.07268. !宣伝用ビラ {{ref KMB20170616.pdf}} !物性セミナーのページ http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar