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物性セミナー/2017-1-27

2016年 冬学期 第5回 物性セミナー

 講師 蘆田 祐人氏 ( 東京大学理学系研究科 )

 題目 光格子にトラップされた冷却原子系の量子非破壊測定と超解像イメージング

 日時 2017年 1月 27日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 827

アブストラクト

光の波長で決まる光学系における位置分解能の限界(回折限界)はおよそ光が関係するあらゆる分野における長年の課題である。特に、近年冷却原子系で実現した量子気体顕微鏡 [1] では回折限界が要求する高い信号雑音比のために測定が破壊的になってしまうという制約があった。また、生命科学の分野で用いられている超解像度蛍光顕微鏡 [2] では、膨大な撮像枚数が必要となってしまうために時間分解能が大きな制約となっていた。本セミナーでは、これらの回折限界に起因する困難を解消するための理論的枠組みと計算手法を紹介する。特に、光格子系において量子測定理論を用いて多体波動関数の収縮を追跡する事で、従来よりも少数の光子で原子位置を決定できることを示す [3] 。また、ベイズ推定に基づいた理論を古典系に適用し超解像蛍光顕微鏡に応用する事で、時間分解能の理論限界を達成できる解析手法が構築できることを示す [4] 。実験家と共同で行っている我々の理論手法の実験実現に向けた取り組みについても簡単に紹介する。

[1] W. S. Bakr et al., Nature 462, 74-77 (2009)

[2] E. Betzig et al., Science 313, 1642-1645 (2006)

[3] YA and M. Ueda, PRL 115, 095301 (2015)

[4] YA and M. Ueda, Opt. Lett. 41, 72-75 (2016)

宣伝用ビラ

KMB20170127.pdf(222)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2016年12月21日 21時03分32秒