2016年 冬学期 第1回 物性セミナー
講師 松尾 衛氏 ( 日本原子力研究開発機構 )
題目 巨視的回転運動を用いたスピン制御とスピン流生成
日時 2016年 11月 18日(金) 午後4時50分
場所 16号館 827
アブストラクト
近年の微細加工技術の進展に伴い、物質にナノ構造を作り込むことによって電子スピンを磁気的に制御し、スピン角運動量の流れ「スピン流」を生成制御する研究が進められてきた [1] 。我々は巨視的回転運動に伴う力学的角運動量とスピンの相互作用を用いてスピンを力学的に制御しスピン流生成できることを理論的に予言し [2,3,6] 、その実証実験に成功した [4,5,6] 。本セミナーでは、非磁性体の巨視的回転運動を用いたスピン制御およびスピン流生成を紹介する。主に、・巨視的回転による核スピン制御 [4] と電子スピン制御 [5] ・表面音波によって誘起される渦度分布を用いたスピン流生成 [3] ・液体金属流によって誘起される渦度分布を用いたスピン流生成 [6] を紹介する。
[1] S. Maekawa, S. O. Valenzuela, E. Saitoh, and T. Kimura, ed., ”Spin Current”, Oxford,2012.
[2] M. Matsuo et al., Phys. Rev. Lett. 106, 076601 (2011).
[3] M. Matsuo et al., Phys. Rev. B87, 180402(R) (2013).
[4] H. Chudo et al., Appl. Phys. Expr. 7, 063004 (2014).
[5] M. Ono et al., Phys. Rev. B92, 174424 (2015).
[6] R. Takahashi et al., Nature Physics 12, 52 (2016).
宣伝用ビラ
KMB20161118.pdf(214)
物性セミナーのページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2016年11月15日 16時18分29秒