2015年 夏学期 第1回 物性セミナー
講師 大関真之氏(京都大学大学院情報学研究科)
題目 ボルツマン機械学習によるカンニング検出技術
日時 2015年 4月 24日(金) 午後4時50分
場所 16号館 827
アブストラクト
試験の品質を保つ為に、被験者の正確な能力評価、及び難易度の適切な設定がしばしば要求される.その目的の為に、項目応答理論と呼ばれる基本的枠組みが日本においても多くの資格試験において導入されている.項目応答理論は本来は独立な被験者、独立な問題構成を前提に定式化されている.一旦、被験者間ないし問題間の相関を考慮することでスピングラス模型に現れるハミルトニアンに従う平衡統計力学模型に関する問題と類似の性質を持つ.この事実を利用することで``カンニング"の検出問題の定式化を試みた.カンニングは、健全な試験環境では非常に稀であると期待されるため、カンニングの度合いを示すパラメータはスパース性を有することが期待できる.(いや強く期待したい.)本研究では、デシメーションアルゴリズムと呼ばれる貪欲法の一種を利用して、カンニングの検出を試みた.この手法はスパース性が非常に強い領域では、スパース解推定においてよく使われるL_1正則化に比べても良好な推定結果を与えた.日本の良好な試験環境においては、カンニングの検出技術として有力であると考えられる.本講演では数値計算の結果を交えながら、スパース解推定について様々な角度から議論する.
宣伝用ビラ
KMB20150424.pdf(540)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2015年04月24日 16時29分44秒