!!!2013年 夏学期 第4回 物性セミナー !!講師 堺 和光 氏(東大総合文化) !!題目 2次元臨界現象の幾何学的性質:SLEによるアプローチ !!日時 2013年 5月31日(金) {{colorsize red,+2,午後5時30分から}} // 午後4時30分// !!場所 16号館 827 !アブストラクト 例えば,臨界点でのイジング模型の上向きおよび下向きスピンのなす ドメイン境界線や,臨界密度におけるパーコレーションクラスターの 境界線,さらにはまた,アンダーソン転移に見られる電子分布などは, 典型的なフラクタル曲線を形成する.これらフラクタル構造は臨界現象に 共通にあらわれる幾何学的特徴のひとつである.とくに対称性が非常に高まる 2次元の場合,それらを厳密に記述する方法がいくつか存在する.なかでも, 確率的レーブナー発展(Stochastic Loewner Evolution: SLE)は,より直接的, かつ数学的に厳密に臨界現象の幾何学的側面を記述しようとする試みである. 本講演では,SLEの概要の簡単な紹介のあと,我々の最近の研究である 「リー環対称性を有する多重SLE」を紹介する.2次元臨界現象の「代数的」 側面を記述する理論が共形場理論であるが,我々の考察するSLEは, Wess-Zumino-Witten (WZW)模型とよばれる共形場理論と対応している. その対応を利用した具体的応用として,クラスター浸透確率(クラスターが ある境界からある境界へ浸透する確率)の厳密解を導出する. 参考文献: [1] J. Cardy, Annals Phys. 318 (2005) 81-118. (arXiv:cond-mat/0503313) [2] K. Sakai, Nucl. Phys. B 867 (2013) 429-447. (arXiv:1207.4057 [math-ph]) !宣伝用ビラ {{ref KMB20130531.pdf}} !物性セミナーのページ http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar !駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可) http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi