!!!2012年 夏学期 第6回 物性セミナー !!講師 苅宿俊風氏(東京大学理学系研究科) !!題目 立方晶逆ペロブスカイト物質Ca_3PbOにおけるディラック電子 !!日時 2012年6月29日(金) 午後4時30分 !!場所 16号館 827 !アブストラクト 物質中のディラック電子は,グラフェン(2次元、質量ゼロ)やビスマス単体(3次元,質量有限)などにおいて実現されており,かつ,通常の金属・半導体と異なる特異な性質の原因となっていることが知られている.一方,最近ではトポロジカル絶縁体などスピン軌道相互作用に起因する新奇な電子状態も注目されている.  以上に関連し,今回は立方晶逆ペロブスカイト物質Ca_3PbOとその関連物質を,新しいディラック電子系として理論的に提案し,またこの系におけるディラック電子の出現にスピン軌道相互作用が本質的な役割を果たしていることを示したい.具体的には,まず第一原理電子状態計算に基づき,この系においてまさにフェルミエネルギーの位置に,3次元的でごく小さい質量を持つディラック電子が実現していることを示す[1].さらに,この系に対する低エネルギー有効模型を構築し,電子状態のパラメータ依存性を調べることで,スピン軌道相互作用をゼロから有限にすることでディラック電子がペアとして生じることを説明する.  また,ディラック電子の存在の帰結として期待される興味深い物性の例として,軌道反磁性や表面バンド構造に関する計算結果[2]も紹介する. [1] T. Kariyado and M. Ogata: J. Phys. Soc. Jpn. 80 (2011) 083704. [2] T. Kariyado and M. Ogata: J. Phys. Soc. Jpn. 81 (2012) 064701. !宣伝用ビラ {{ref KMB20120629.pdf}} !物性セミナーのページ http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar !駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可) http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi