2012年 夏学期 第1回 物性セミナー
講師 小野瀬佳文氏(東大総合文化)
題目 ベリー位相による電子とマグノンのホール効果
日時 2012年 4月 20日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
ホール効果とは、通常磁場中で電流を流した時にローレンツ力の働きで電流が曲がる現象のことを指す。しかし、波数空間や実空間でスピンや電子軌道がある種の配列を持つときには、ベリー位相と呼ばれる付加的量子位相が発生することにより、外部磁場なしでも電流が曲がっていく自発的なホール効果が生じる。強磁性体で古くから知られる異常ホール効果やスピントロニクス分野で最近よく研究されているスピンホール効果も、実はこのベリー位相の効果でほとんどの場合説明できることが分かってきた。講演では、このようなベリー位相の影響が端的に表れる例として、トポロジカル磁気構造体スキルミオンにおけるホール効果[1,2]と強磁性絶縁体におけるマグノンホール効果を紹介する[3]。
[1] X. Z. Yu, Y. Onose, N. Kanazawa, J. H. Park, J. H. Han, Y. Matsui,N. Nagaosa, and Y. Tokura, Nature 465, 901 (2010).
[2] N. Kanazawa, Y. Onose, T. Arima, D. Okuyama, K. Ohoyama, S.Wakimoti, K. Kakurai, S. Ishiwata, and Y. Tokura, Phys. Rev. Lett 106,156603 (2011).
[3] Y. Onose, T. Ideue, H. Katsura, Y. Shiomi, N. Nagaosa, and Y. TokuraScience 329, 297 (2010).
宣伝用ビラ
KMB20120420.pdf(587)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2012年04月13日 20時35分06秒