2012年 冬学期 第4回 物性セミナー
講師 佐々木聡氏(大阪大学産業科学研究所)
題目 超伝導トポロジカル絶縁体の実験研究
日時 2012年 11月 16日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
トポロジカル絶縁体は、強いスピン軌道相互作用によって価電子帯波動関数のパリティが普通の絶縁体である真空と反対になっている絶縁体物質である。パリティの異なる絶縁体状態を連続的につなげることが出来ないため、その間(表面)にディラック型ギャップレス金属状態(絶縁体ではない状態)を持つ。この系はディラック電子の研究の舞台の一つとして近年話題になっている。また、超伝導研究の新しい話題の一つとしても注目されているトポロジカル超伝導体は、トポロジカル絶縁体と同様にその特徴の一つである表面ギャップレス状態を持ち、アンドレーエフ束縛状態として観測される可能性が高い。2010年、トポロジカル絶縁体に電子ドープすることで超伝導を発現する物質(Cu$_x$Bi$_2$Se$_3$)が報告された。このCu$_x$Bi$_2$Se$_3$がトポロジカル絶縁体と超伝導体を結びつける物質として注目され、その超伝導がトポロジカルに非自明なトポロジカル超伝導であるかどうか現在活発に研究されている。
本セミナーでは、トポロジカル絶縁体やトポロジカル超伝導体について実験報告を交えて簡単に説明した後、Cu$_x$Bi$_2$Se$_3$の最近の実験結果について報告・議論する。
宣伝用ビラ
KMB20121116.pdf(420)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2012年11月08日 22時41分32秒