2012年 冬学期 第1回 物性セミナー
講師 江澤雅彦氏(東京大学工学系研究科物理工学専攻)
題目 シリセンにおけるトポロジカル相転移
日時 2012年 10月 19日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
シリセンはシリコンがハニカム格子状に並んだ二次元結晶であり、シリコンで出来たグラフェン類似物質である。低エネルギー励起はグラフェンと同様にディラック方程式で記述される。しかし、シリセンのハニカム格子はAサイトとBサイトの高さが違うバックルした構造をしている。このためスピン軌道相互作用はグラフェンの千倍近く大きくなる。この結果、シリセンは基底状態が量子スピンホール状態になる。シリセンに関する以下の性質を紹介する。
1)垂直に電場をかけるとバンドギャップが制御できる。
2)電場を大きくしていくと臨界電場でトポロジカル相転移が起きる。
3)この転移を軌道反磁性や光吸収で観測出来る。
4)強磁性体を貼り付けると量子異常ホール効果にトポロジカル相転移をする。
5)強い光を照射すると光誘起量子ホール状態にトポロジカル相転移をする。
この他、シリセン超構造、シリコン・ナノチューブ、二層シリセン等のシリセン関連物質の物性も解説する。
M. Ezawa, New J. Phys. 14, 033003 (2012)
M. Ezawa, J. Phys. Jpn. 81, 064705 (2012)
M. Ezawa, Phys. Rev. Lett. 109, 055502 (2012)
M. Ezawa, Europhysics Letters 98, 67001 (2012)
M. Ezawa, J. Phys. Soc. Jpn. 81, 104713 (2012)
M. Ezawa, cond-mat/arXiv:1205.6541 (to be published in EPJB)
M. Ezawa, cond-mat/arXiv:1206.5378
M. Ezawa, cond-mat/arXiv:1207.6694
M. Ezawa, cond-mat/arXiv:1209.2580
宣伝用ビラ
KMB20121019.pdf(435)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2012年10月12日 14時23分26秒