!!!2010年度 冬学期 第9回 物性セミナー !!講師 笠 真生 氏(UC Berkeley) !!題目 トポロジカル絶縁体・超伝導体の分類と反転対称性のない超伝導体 !!日時 ==2011年 2月 18日(金) 午後4時30分== {{color red, 事情により急遽中止になりました}} !!場所 16号館 ==827== {{color red,部屋が119に変更になりました}} !アブストラクト バンド理論によれば、バンド絶縁体および金属は、固体における電子のエネルギースペクトル (バンド構造)におけるギャップの有無によって区別される。一方で、バンド理論は、 絶縁体・金属において、電子の固有状態の波動関数が果たす役割についてはなにも言っていない。 2次元の量子スピンホール効果、および、3次元のZ_2トポロジカル絶縁体の発見は、 絶縁体の間には、固体中の電子の波動関数の「形」(あるいは「量子エンタングルメント」) による区別があることを我々に自覚させてくれた。 これらの発展に触発され、著者らは、Z_2トポロジカル絶縁体や整数量子ホール効果などの トポロジカルな性質を持つ絶縁体、およびその超伝導体における類似物 であるトポロジカル超伝導体を、統一した枠組みで議論できる分類法を提唱した。 この分類は、時間反転対称性、粒子正孔対称性などの離散対称性の有無と、 空間次元性を構成要素としており、また、対称性のクラスと空間次元それぞれに 周期8の周期的な構造をもつ。筆者らと独立にトポロジカル絶縁体および超伝導体 の分類を提唱したAlexei Kitaevは、この事実をトポロジカル絶縁体および超伝導体の 「周期表」と称している。この分類は、知られているほとんど全てのトポロジカル絶縁体およびトポ ロジカル超伝導体を一つの表にまとめあげるのに加えて、いくつかの新しいタイプのトポ ロジカル絶縁体および超伝導体を予言する。また、3HeのB相は、トポロジカル超伝導体 (超流動体)の一例であることが新たに明らかになった。 さらに本セミナーでは、CePt_3Si, Li_2Pd_xPt_{3-x}Bなどを代表とする、 反転対称性のない超伝導体におけるトポロジカル超伝導体、および関連する物理を議論する。 !宣伝用ビラ {{ref KMB2011-0218-mod.pdf}} !物性セミナーのページ http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar !駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可) http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi