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物性セミナー/2011-1-7

2010年 冬学期 第7回 物性セミナー

 講師 吉森 明 氏(九州大学理学研究院)

 題目 拡散過程における摂動展開

 日時 2011年 1月 7日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

水のような液体に、液体粒子よりは大きいが巨視的な大きさではない粒子を溶かすことを考える。この粒子が液体中を運動するとき液体から抵抗(摩擦)を受ける。運動する粒子は液体粒子の分布を大きく変えるので、その効果は逆に粒子の運動に強く影響する。その影響を定量的に研究できる理論はあるだろうか。

この問題は、生命現象に対する水の動的な役割を考えるとき、避けては通れない。タンパク質などの生体高分子が機能を果たすとき、ほとんどの場合、水中での運動を伴うので、必ず水からの抵抗を受ける。さらにこの問題はスケールが違う現象が混在しているので、非平衡物理の階層構造とも関係している。

私たちは最近、このような粒子の並進運動について液体粒子の抵抗を比較的容易に計算できる理論の構築に成功した。液体粒子は運動する粒子に比べ十分小さいとして、それまで知られている微視的な理論の摂動展開を行った。液体粒子と運動する粒子のサイズの比が無限大の場合は、流体力学を使って計算したStokes則と一致するが、展開の1次のオーダーでそれからどれだけずれるかを明らかにした。流体力学方程式は、比が無限大の場合と同様に成り立つが、「大きな粒子」の表面での境界条件に液体粒子の分布の効果が含まれることが分かった。

宣伝用ビラ

KMB2011-0107.pdf(480)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2010年12月25日 00時25分34秒