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物性セミナー/2010-6-18

2010年 夏学期 第7回 物性セミナー

 講師 柳瀬 陽一 氏 (新潟大学理学部)

 題目 スピン三重項超伝導体のdベクトルと対称性の破れ

 日時 2010年 6月 18日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

スピン三重項超伝導体にはスピン自由度に由来する多成分秩序変数が存在し、それはdベクトルと呼ばれます。dベクトルの研究には長い歴史があり、最も古くは液体ヘリウム3の超流動に関する研究がありました。80年代から90年代にかけて UBe13 や UPt3 などの重い電子系超伝導体が研究され、最近では、Sr2RuO4 や PrOs4Sb12 などが主な研究対象となっています。また、空間反転対称性が破れた超伝導体である CePt3Si 等にもdベクトルの自由度があることが分かっています。このような歴史を持つdベクトルですが、長い間、微視的理論による研究は困難であるとされ、GL理論をはじめとする現象論が理論の中心となっていました。しかし、最近の理論的発展により多軌道ハバード模型や多軌道周期アンダーソン模型等に基づくdベクトルの微視理論が可能となりました。本講演では、そのような微視的理論がほぼ厳密な法則を与えたことを紹介し、その結果をSr2RuO4に適用した結果、幾つかの謎が解かれたことをお話します。時間が許せば、その他の系に対する理論の発展についても触れたいと思います。

宣伝用ビラ

KMB2010-0618.pdf(911)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2010年06月09日 09時47分13秒