2008年 夏学期 第 2回 物性セミナー
講師 段下 一平 氏(東京理科大学理学部)
題目 光格子中における一次元ボース気体の超流動の崩壊
日時 2008年 5月 16日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
近年、光格子中のボース気体の輸送現象が実験・理論両面から盛んに研究されている。三次元光格子のうち二方向の光格子を非常に深くすることで、非常に細長い、つまり一次元性の強いボース気体(が二次元的に並んだ系)を作ることができる。2005年にNISTの実験グループがこのような一次元的なボース気体の二重極振動を調べ、一次元ボース気体の運動が三次元的な場合に比べて顕著に抑制されることを報告した。一次元Bose気体では量子揺らぎが非常に強いため、この実験結果は平均場理論では説明がつかない。そこで本研究では、最近G.Vidalによって開発されたtime-evolving block decimation法を用いてボース気体の二重極振動をシミュレーションした。実験で観測されたように一次元ボース気体の運動が抑制されるのは、一次元性から来る強い量子揺らぎのために超流動の崩壊が早められているためであることを明らかにした。
宣伝用ビラ
2008-0516.pdf(708)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
[ページのアクセス数: 0282131]
最終更新時間:2008年04月30日 18時12分01秒