2008年 夏学期 第3回 物性セミナー
講師 大槻 道夫 氏(青山学院大学)
題目 粉体系の「臨界現象」
日時 2008年 11月 7日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
砂や粉などは、粉体と呼ばれ、その特徴的な振る舞いに注目が集まっている。粉体は密度が低い場合は通常の流体のように流動するが、密度がある値を超えて高くなると流動性を失い、固体のように振る舞う。この転移現象は、ジャミング転移と呼ばれ、ある種の臨界現象と考えられる事から、その重要性が広く認識されている。
近年、ジャミング転移点近傍での粉体シミュレーションにより、剪断応力とひずみ速度の間に、臨界現象でみられるような、美しいスケーリング則が成立する事が発見された[1]。
我々は、このスケーリング則にあらわれる臨界指数を、現象論的な理論によって予言し、その結果を複数の次元の分子動力学シミュレーションで検証した。驚くべき事に、臨界指数は通常の臨界現象と異なり、次元に依存しないにもかかわらず、粒子間相互作用に依存する事が判った[2]。
[1] T. Hatano, arXiv:0803.2296
[2] M. Otsuki and H. Hayakawa, arXiv:0809.0171
宣伝用ビラ
2008-1107.pdf(620)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2008年10月17日 00時23分45秒