2007年 夏学期 第4回 物性セミナー
講師 内海 裕洋 氏(RIKEN)
題目 量子ドットにおける完全計数統計
日時 2007年6月15日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
平衡から大きく外れた非平衡における量子輸送現象は,メゾスコピック系において興味深いテーマの一つである.非平衡電流の揺らぎ,つまりショットノイズは,熱雑音にはない情報を含む.例として,ノイズの測定から分数量子ホール系における分数電荷,超伝導金属接合のクーパー対の電荷が求められている.近年,ショットノイズを超えて非平衡電流の確率分布を理解しようという研究が盛んになっている.これは「完全計数統計(full counting statistics)」と呼ばれる.本セミナーでは,量子ドットを流れる電流の量子ポイントコンタクトを用いた実時間電子計数の実験を紹介したのち,完全計数統計の理論を概観する.つぎに金属量子ドットを例に,非平衡状態においてクーロン相互作用が電流の統計的性質にあたえる影響を議論する.また最近の話題,電流の揺らぎの定理と計数統計に言及する.
宣伝用PDFビラ
2007-0615.pdf(369)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2007年06月05日 11時47分20秒